鉄骨・橋梁建設

鉄骨、橋梁、鉄塔などを建築する業界である。橋梁の種類も様々あり、鋼材を三角形に組み上げるトラス橋や弓なりの形で支えるアーチ橋、斜めに伸びたケーブルに特徴がある斜張橋や長大橋に向くつり橋などがある。現場での据え付けが短工期ですむよう、工法の工夫も進んでいる。
市場規模は国内公共工事に大きく左右される傾向が強い。日本橋梁建設協会によると、２０１７年度の国内橋梁受注実績は前年度比１１．８％増の２２万３５９０トンとなり、４年ぶりに前年度を上回った。橋梁受注のうち９割以上を道路橋が占める。この道路橋の発注先をみると、国土交通省が５５％を占め、次いで都道府県が１７％、東日本・中日本・西日本の高速道路会社が１０％。(2023/03/04調査)

橋梁各社が期待するのは老朽化した国内橋梁の補修・延命工事。国交省によると、全国にある約７２万の橋梁のうち１９年時点で３割弱が建設から５０年が経過し、２９年には５割を超す。３３年には道路橋の６３％が寿命を迎える。
同省が国や高速道路会社、自治体が管理する道路の橋やトンネルなどを対象に実施している老朽化点検の２０１９～２０年度の集計結果によると、２万３８１５カ所の橋梁が老朽化で鉄筋が露出するなど、緊急または早期に修繕が必要と判定された。最も危険度の高い「緊急措置段階」の橋梁は２０７カ所、今後、機能に支障が出る恐れがある「早期措置段階」の橋梁は２万３６０８カ所あった。(2023/03/04調査)

主な橋梁の大手企業をみると、横河ブリッジホールディングス（ＨＤ）や川田テクノロジーズ、駒井ハルテックといった専業系、ＩＨＩインフラシステムやエム・エムブリッジ（旧三菱重工鉄構エンジニアリング）などの重工系、ＪＦＥエンジニアリングのような鉄鋼系がある。
横河ブリッジＨＤは最大手で鋼橋に強みを持つ。２０２２年３月期の連結売上高は前の期比０．６％増の１３６９億３１００万円、営業利益は同７．６％減の１４７億５２００万円。新設橋梁の発注が堅調に推移し、大型の保全工事の発注も多かった。営業利益は前の期（１５９億６６００万円）に次ぐ過去２番目の高水準となった。２２年４～１２月期（連結）の売上高は前年同期比２２．２％増の１１９３億３００万円、営業利益は同９．０％減の８９億５７００万円だった。豊富な手持ち工事が順調に進んだ。橋梁事業の受注高は同２．４％減の６４４億８０００万円で過去２番目に多い水準になった。(2023/03/04調査)