飼料の業界概要
21年度配合混合飼料生産量は2423万トン
飼料のうち配合飼料は、家畜の飼育に必要な栄養成分がすべて含まれるように複数の飼料原料を混ぜて製造したもので、最も流通量が多い。主原料のトウモロコシのほか、大豆や菜種を搾油した際に出るミール、麦類など穀物由来の原料が9割を占める。原料の9割が輸入。配合飼料に使うトウモロコシは炭水化物やタンパク質が多い主要補給源の濃厚飼料と、繊維質が多い粗飼料に分かれる。濃厚飼料用のトウモロコシは実だけを使い、大半を輸入に頼る。年間購入量は約1100万トンで、2018年度の輸入シェアは米国産が95%、ブラジル産が3%。
農林水産省の「飼料をめぐる情勢」をみると、21年度の配合・混合飼料の生産量は前年度比0.4%増の2423万トンで、うち配合飼料は0.4%増の2371万トン。畜種別内訳は採卵鶏用が前年度比0.3%減の637万トン、ブロイラー用が0.8%増の385万トン、養豚用が1.3%減の568万トン、乳牛用が2.0%増の343万トン、肉牛用が1.8%増の481万トン。配合飼料工場は茨城県鹿島、鹿児島県志布志、青森県八戸、岡山県水島、愛知県知多など主に太平洋側の港湾地域に立地する。畜産主産地を後背地に整備・開発された港湾地域への集約が進んだ。配合飼料製造業(従業員4人以上)は20年6月時点で325事業所、単体飼料製造業は127事業所ある(経済産業省工業統計)。(2023/02/11調査)
農林水産省の「飼料をめぐる情勢」をみると、21年度の配合・混合飼料の生産量は前年度比0.4%増の2423万トンで、うち配合飼料は0.4%増の2371万トン。畜種別内訳は採卵鶏用が前年度比0.3%減の637万トン、ブロイラー用が0.8%増の385万トン、養豚用が1.3%減の568万トン、乳牛用が2.0%増の343万トン、肉牛用が1.8%増の481万トン。配合飼料工場は茨城県鹿島、鹿児島県志布志、青森県八戸、岡山県水島、愛知県知多など主に太平洋側の港湾地域に立地する。畜産主産地を後背地に整備・開発された港湾地域への集約が進んだ。配合飼料製造業(従業員4人以上)は20年6月時点で325事業所、単体飼料製造業は127事業所ある(経済産業省工業統計)。(2023/02/11調査)
飼料の市場動向
1~3月期の配合飼料、5四半期ぶり値下がり
全国農業協同組合連合会(JA全農)は飼料販売で国内シェアの約3割を占め、配合飼料のプライスリーダー的存在。農協系飼料会社が単位農協などに販売する卸価格の参考となるほか、系列外の飼料メーカーの卸値の指標にもなる。酪農家や畜産農家には飼料代が大きな負担になっている。豚や鶏の生産費に占める飼料代の割合は6割強と高い。
配合飼料価格は飼料穀物の国際相場や海上運賃、為替などの動きを反映して変動する。JA全農は家畜用配合飼料の2023年1~3月期の農家向け出荷価格を、前期から全畜種平均で1トンあたり1000円引き下げる。値下がりは5四半期ぶり。海上運賃の下落や円安の一服で海外からの原料調達コストが減少した。新価格は1トン9万3400円前後とみられる。(2023/02/11調査)
配合飼料価格は飼料穀物の国際相場や海上運賃、為替などの動きを反映して変動する。JA全農は家畜用配合飼料の2023年1~3月期の農家向け出荷価格を、前期から全畜種平均で1トンあたり1000円引き下げる。値下がりは5四半期ぶり。海上運賃の下落や円安の一服で海外からの原料調達コストが減少した。新価格は1トン9万3400円前後とみられる。(2023/02/11調査)
飼料の競合状況
中部飼料と伊藤忠飼料、資本業務提携を解消
飼料業界のプレーヤーは全国農業協同組合連合会(JA全農)グループと日本飼料工業会グループに分けられ、そのほかに酪農中心の全酪連グループがある。JA全農の飼料事業は米国のメキシコ湾岸に単一の穀物エレベーターとして世界最大級の取扱数量を誇る全農グレインを保有し、主原料のとうもろこしなどの安定確保に努める。米コンソリデイテッド・グレイン・アンド・バージと連携し、PHF(収穫後の農薬不使用)、Non-GMO(非遺伝子組み換え)トウモロコシの取り扱いや、トレーサビリティーの構築など飼料の安全・安心に取り組む。JA全農の子会社ホクレンくみあい飼料(札幌市)と雪印種苗(同)が共同出資会社を設立し、2021年12月に北海道苫小牧市に牛用飼料の工場を建設する。
日本飼料工業会に加入する商系メーカーの多くが商社グループに属している。三井物産系の日本配合飼料と協同飼料は14年にフィード・ワンホールディングスを設立して経営統合。JA全農に次ぐ規模となり、15年には3社が完全統合してフィード・ワンとなった。同社は配合飼料の生産を委託している門司飼料(北九州市)の工場が老朽化したため、最新鋭の北九州畜産工場を建設して20年7月に稼働した。フィード・ワンは養殖魚向けの飼料で魚粉依存度を下げる研究を進める。魚粉の代わりには植物性たんぱく、添加する魚油の代替にはパーム油などを採用する。(2023/02/11調査)
日本飼料工業会に加入する商系メーカーの多くが商社グループに属している。三井物産系の日本配合飼料と協同飼料は14年にフィード・ワンホールディングスを設立して経営統合。JA全農に次ぐ規模となり、15年には3社が完全統合してフィード・ワンとなった。同社は配合飼料の生産を委託している門司飼料(北九州市)の工場が老朽化したため、最新鋭の北九州畜産工場を建設して20年7月に稼働した。フィード・ワンは養殖魚向けの飼料で魚粉依存度を下げる研究を進める。魚粉の代わりには植物性たんぱく、添加する魚油の代替にはパーム油などを採用する。(2023/02/11調査)
飼料の関連企業
日本農産工業株式会社
畜水産(鶏・豚・牛・魚用)飼料製造・販売
ヨード卵・光をはじめとする食品事業
ペットフードおよびバイオに関わるライフテック事業
中部飼料株式会社
配合飼料の製造販売、有機質肥料の製造販売、特殊畜産物の販売等
日和産業株式会社
配合飼料の製造販売
畜産物の生産販売
飼料に関連する企業を地域から探す
中国地方
四国地方
徳島県(0)香川県(0)愛媛県(0)高知県(0)