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食肉加工・生産(牛・豚・鶏肉)

食肉加工・生産(牛・豚・鶏肉)の業界分類
食肉加工・生産(牛・豚・鶏肉)の業界定義
牛肉、豚肉、鶏肉及び鶏卵に関わる畜産加工品の生産・加工・販売を行う。

食肉加工・生産(牛・豚・鶏肉)の業界概要

21年度の肉類生産量は348万トン
農林水産省の食糧需給表によると、2021年度の肉類生産量(枝肉ベース)は前年度比1.0%増の348万トンで、内訳は牛肉が0.2%増の48万トン、豚肉が0.6%増の132万トン、鶏肉が1.5%増の168万トン。繁殖用の雌牛を育てる農家は小規模で高齢化が進んで減少してきたが、政府やJAは増産対策として農家の規模拡大を進める。輸入量は牛肉が前年度比3.8%減、豚肉が5.0%増、鶏肉が7.9%増。牛肉輸入はオーストラリアと米国が大部分を占める。豚肉輸入は米国とカナダで5割を占めたが、ブランド豚のイベリコ豚の人気が高まりスペイン産が伸びている。鶏肉はブラジルとタイが大半を占める。
21年の鶏卵生産量は前年比2.2%減の257万トンで、2年連続の減少だった。鶏卵は「価格上昇→供給増→価格下落→供給減」という数年周期のサイクルがある。鶏卵の殻を割って中身を取り出したのが液卵で、外食業界の需要が拡大している。液卵生産大手のイフジ産業の推定では液卵の市場規模は年間約45万トン。(2023/03/04調査)

食肉加工・生産(牛・豚・鶏肉)の市場動向

牛肉輸出、昨年12年ぶり前年比減
牛肉輸出額は2022年、520億円と前年比4.0%減った。前年を下回るのは12年ぶり。米国向けに低関税で輸出できる枠が埋まり、輸出量が落ち込んだ。米国内の物価高も高級食材の和牛の消費を鈍らせた。中国への流通ルートになっているみられるカンボジア向けも減少した。政府は輸出拡大実行戦略で、牛肉と豚肉、鶏肉、鶏卵を重点品目に位置づける。25年に牛肉は19年比5.4倍、鶏卵は2.7倍の輸出を目標とする。国内市場は人口減少や少子高齢化で縮小傾向にあり、海外需要を取り込めなければ成長は難しい。
高級ブランド和牛として有名な松阪牛の初の商業輸出が動き出した。三重県内の肥育業者で構成する松阪牛協議会は、23年度に300頭分の輸出を計画する。22年度(24頭分)の13倍になる。米国や東南アジアなどへの出荷を見込む。松阪牛はコロナ禍で飲食店の需要が減少。取引価格も下がったため、海外の富裕層を軸に販路と客層を開拓する。(2023/03/04調査)

食肉加工・生産(牛・豚・鶏肉)の競合状況

伊藤ハム米久HD、生産・調達機能を統合
日本の食肉業界の中心はハム・ソーセージなどのナショナルブランドを持つ食肉加工を手がける食品メーカー。
日本ハムはスタートアップのインテグリカルチャー(東京・文京)と、培養肉の基盤技術の確立を目指して研究開発を始めた。同社はアヒルの肝臓細胞を培養して増やし、脂肪を蓄積させた「食べられる培養フォアグラ」の生産に成功した。すべて食品で構成された独自の培養液を使用した培養肉の実用化を目指す。2023年10月に牛肉を加工・販売するウルグアイの子会社を、ブラジル食肉大手のミネルバに売却する。海外事業は赤字が続いており、収益体質を強化する。食肉事業本部の22年4~12月期の売上高は前年同期比9.1%増だが、事業利益は26%減。豚肉、鶏肉の相場が堅調で売り上げが前年を上回った。飼料高騰などで減益だった。(2023/03/04調査)

食肉加工・生産(牛・豚・鶏肉)の関連企業

日本ハム株式会社
食肉加工品(ハム、ソーセージ等)及び調理食品(レトルト食品、惣菜食品等)の製造、販売ならびに食肉の処理・販売
伊藤ハム株式会社
食肉加工品の製造及び販売 食肉の加工及び販売 調理加工食品、惣菜類の製造及び販売

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