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カーボン・ニューカーボン

カーボン・ニューカーボンの業界分類
カーボン・ニューカーボンの業界定義
カーボンブラック、黒鉛電極、ファインカーボン(導電材料、耐熱材料、潤滑剤、機械部品で使用される黒鉛製品)などの炭素材料、製品を製造する。炭素繊維を除く。

カーボン・ニューカーボンの業界概要

主要製品は黒鉛電極やカーボンナノチューブなど 19年の炭素質電極出荷額は1528億円(工業統計)
炭素製品は天然黒鉛を使う場合と、石炭コークスから人造黒鉛を作る場合とがある。天然黒鉛の主な産地は中国、朝鮮半島、ウクライナ地方、ブラジル、スリランカ、マダガスカルなど。人造黒鉛はまず石炭コークスを砕いてプレス金型などで成形。約1000度で焼いたあと、今度は約3000度で加熱して黒鉛化する。黒鉛は銀黒色で潤滑性に富み、導電性と耐熱衝撃性に優れる。
炭素製品として主なものには、モーター部品の一部で消耗品のモーターブラシや、鉄スクラップを電気で溶かすための黒鉛電極などがある。タイヤの補強材になり、タイヤの黒色のもとでもあるカーボンブラックも大きな需要がある。新たな製品として、特殊な製造法により、強度にばらつきの少ない「等方性黒鉛」、カーボンナノチューブ、リチウムイオン電池の負極材などが出てきている。等方性黒煙は、耐熱性、耐食性などに優れ、半導体や太陽電池の材料となるシリコンの製造装置の部材として市われている。(2023/03/05調査)

カーボン・ニューカーボンの市場動向

22年のカーボンブラック出荷量は1.7%減
黒鉛電極は原料のニードルコークスが電気自動車(EV)のリチウムイオン電池の負極材向けでも市場拡大が期待できる。現在、携帯電話やノートパソコンの電池、電動工具の電池として使われているが、今後は電気自動車や家庭用蓄電装置への展開が見込まれる。電気自動車向けに電池メーカーが生産能力を拡大しており、これに合わせて材料各社も生産体制を強化している。炭素以外の負極材を使う動きもあるが、現在の主流は炭素系。
黒鉛電極業界にとって最大の経営課題は、外部要因で業績変動を繰り返すジェットコ-スター経営からいかに脱却するか。例えば業界首位のレゾナックホールディングス(旧昭和電工)、2位の東海カーボンの場合、18年には事業利益率50%超とこの世の春をおう歌していたが、19年後半から収益が急速に悪化。鉄鋼メーカーの在庫調整の長期化に加え、製品価格の下落、高値の原料在庫を抱えたことが要因だった。その後は中国の粗鋼生産の急回復で救われたものの、新型コロナウイルスの感染拡大で国内外の需要が低迷。レゾナックHDは21年初から生産能力(年24万トン)に比べて年初から6割減産を実施。大町事業所(長野県)やドイツ、オーストリア、中国など海外6工場で生産調整。東海カーボンも黒鉛電極の生産能力を、当面3万トン程度に落とし、主力の防府工場(山口県)や滋賀工場のほか、ドイツや米国など全工場で減産を実施。連結売上高のうち欧米など海外向けが8割を占めており、国内工場からも大半の製品を輸出に回してきたため、海外の電炉会社の不振が業績を直撃した。(2023/03/05調査)

カーボン・ニューカーボンの競合状況

東洋炭素の特殊黒鉛事業、前期は値上げと円安効果がコスト増を上回る
【電極・ファインカーボン】 電極は国内メーカーではレゾナックHD、東海カーボン、日本カーボン、SECカーボンが手掛ける。
レゾナックHDの22年12月期の黒鉛電極部門は主に値上げ効果で増収増益。(2023/03/05調査)

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