樹脂フィルムの業界概要
19年のプラスチックフィルム出荷額は2兆214億円・シート1926億円(工業統計)
塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル(P)、ポリプロピレン(PP)、アクリル(PMMA)等の樹脂からフィルム、シート状の製品を製造する。樹脂の代表的な加工法で汎用樹脂から(スーパー)エンプラ、バイオプラスチックに至るまで対象となる樹脂は幅広い。
表面処理やラミネートなど2次加工による新機能の付与が簡単なのも特徴だ。用途もエレクトロニクス(回路基板等)、光学関連(LCD=液晶ディスプレイ=部材、タッチパネル部材等)、エネルギー分野(太陽電池部材、LED、リチウムイオン二次電池)、一般産業用(ウインドウフィルム、粘着フィルム、剥離フィルム等)、ライフサイエンス分野など多岐にわたる。(2023/01/06調査)
表面処理やラミネートなど2次加工による新機能の付与が簡単なのも特徴だ。用途もエレクトロニクス(回路基板等)、光学関連(LCD=液晶ディスプレイ=部材、タッチパネル部材等)、エネルギー分野(太陽電池部材、LED、リチウムイオン二次電池)、一般産業用(ウインドウフィルム、粘着フィルム、剥離フィルム等)、ライフサイエンス分野など多岐にわたる。(2023/01/06調査)
樹脂フィルムの市場動向
PETフィルムトップの韓国メーカーは事業構造転換、市場は環境対応型分野に期待
フィルム市場はエレクトロニクス、自動車、エネルギーなどの成長分野でもコモディティー化の進行と企業間競争の激化で急速に価格が低下、かつての収益の稼ぎ頭としての地位が危うくなりつつある。好例が光学フィルム(光線を透過または反射吸収して様々な効果を与えることを目的としたフィルム)分野で主戦場となっているLCD部材のベースフィルムとなるPETフィルムだ。日本に加え中国、韓国、台湾、北米等でのLCD-TV販売量が好調だったことが需要をけん引、一時は深刻な供給不足に陥り、メーカー各社は生産ラインの新増設に走った。しかし、世界的に TVの薄型化が一巡し、FDP(フラットディスプレーパネル)など光学関連市場もこれまでのような急激な伸びは期待できない。
そんな中、IT用ポリエステルフィルムで世界シェアトップの韓国SKCは22年6月、PETフィルム事業を同国私募ファンドに約1500億円で売却することを決めた。売却益を使って電気自動車バッテリー用銅箔工場の増設に動くなど、大胆な事業構造の転換を進める。(2023/01/06調査)
そんな中、IT用ポリエステルフィルムで世界シェアトップの韓国SKCは22年6月、PETフィルム事業を同国私募ファンドに約1500億円で売却することを決めた。売却益を使って電気自動車バッテリー用銅箔工場の増設に動くなど、大胆な事業構造の転換を進める。(2023/01/06調査)
樹脂フィルムの競合状況
バンドー化学の今期は増収増益予想、工業用フィルム等伸びる
工業・産業用PETフィルムトップの東レは国内外で投資攻勢に出ている。自動車部品向けフィルムの生産を増強する。土浦市の工場に数十億円を投じて22年に新棟を稼働。コンデンサーに使うフィルムの国内生産を6割増やす。22年3月期は、リチウムイオン2次電池向けバッテリーセパレータフィルムが価格低下で足をすくわれた。23年3月期は光学用途で巣ごもり需要が一巡する。
2位の三菱樹脂(非上場)は約140億円を投じて電子部品の加工に使う薄膜PETフィルムの生産を増やす。多層フィルムの工場を20億円を投じてタイで建設し、4月から稼働を始めた。現地進出の日系食品メーカーへの供給を進めながら、東南アジアを中心に各国への販路を広げてゆく。ポリエステルフィルムの生産能力を、ドイツの生産拠点で現状の年産5万5000トンから8万2000トンに拡充。24年末から稼働する。(2023/01/06調査)
2位の三菱樹脂(非上場)は約140億円を投じて電子部品の加工に使う薄膜PETフィルムの生産を増やす。多層フィルムの工場を20億円を投じてタイで建設し、4月から稼働を始めた。現地進出の日系食品メーカーへの供給を進めながら、東南アジアを中心に各国への販路を広げてゆく。ポリエステルフィルムの生産能力を、ドイツの生産拠点で現状の年産5万5000トンから8万2000トンに拡充。24年末から稼働する。(2023/01/06調査)
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