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泰平を演じる ルーク・S・ロバーツ著江戸期、政治空間の「表」と「内」

 三島由紀夫の小説『宴のあと』には、都知事選に立候補する男性と、彼を支える料亭の女将が登場するが、読み進むにつれ2人の政治観の違いがあらわになる。男性が「表」の政治だけを見ているのに対して、女将はむしろ料亭という「内」の空間で「保守党の政客たちが垣間見せる様相」のほうにこそ政治の本質があると見抜く。
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