[FT]ポピュリズム強まる逆風 独裁者の失敗、侵攻で露呈 ジャナン・ガネシュ ウクライナ侵攻 Think! FT FT commentators 3月18日 2012年の米大統領選討論会でオバマ大統領(当時)が、共和党候補のロムニー氏が地政学上注視すべきはアルカイダではなくロシアだとしたことを「そんな古い見方をしていたら1980年代の亡霊が現れて、それは私たちの政策だと言われますよ」と皮肉った。そのオバマ氏の冗談は、冷戦終結から20年以上たっていた当時ですらあまりに古い冗談とみられた。 だが歴代英首相らも冷戦後、どうやって財をなしたか怪しげなロシア人 [FT]ポピュリズム強まる逆風 独裁者の失敗、侵攻で露呈
[FT]米英豪を「英語圏」とくくるな 価値観に違い ジャナン・ガネシュ Think! FT 南西ア・オセアニア ヨーロッパ 北米 FT commentators 1月26日 筆者のように米国に住む英国人は今、隣人や友人、タクシーの運転手にすら説明を求められる。退廃的だったことで知られる古代ローマ皇帝カリグラならいざ知らず、自分の職場で開催されたパーティーに出席したことで現職の英国の首相が辞任に追い込まれそうになっているのはなぜか、と聞かれるのだ。 米国の人が当惑しているのは英国人より倫理基準が低いからではない。 新型コロナウイルス禍の中、2020年の大半を通して英国 [FT]米英豪を「英語圏」とくくるな 価値観に違い
[FT]中国台頭、米の責任ではない 再浮上は必然 ジャナン・ガネシュ FT FT commentators 12月31日 読者はこんなニュースは何度も見聞きしているだろう。大切な人を失った人物が、その命を奪った病気か犯罪、公共の危険に対して大儀を掲げて戦いに乗り出す。するとキャンペーンが立ち上がり、寄付金が集まる――。 彼らを突き動かすのは、ほかの人が同じ悲しみを味わうことのないようにという純粋な願いだ。だがその根底には、自らが物事を決める力を取り戻したいという心理的要求もある。人のことなど知らん顔という世界でも、 [FT]中国台頭、米の責任ではない 再浮上は必然
[FT]風化していく大戦の記憶 切れる平和の「賞味期限」 ジャナン・ガネシュ FT commentators ヨーロッパ 北米 FT 12月15日 その写真が今の時代を象徴するようにみえるのは、写っている銃より、そろった満面の笑みにある。米国のマッシー下院議員は5日、家族7人がクリスマスツリーの前で自動小銃などの武器を抱えて撮った写真に「サンタさん、(編集注、プレゼントに)弾薬を」との言葉を添えてツイッターに投稿した。 ミシガン州の高校で生徒が殺害される銃撃事件からわずか数日後だったこともあり、コメント欄は悪趣味で不謹慎だという批判であふれ [FT]風化していく大戦の記憶 切れる平和の「賞味期限」
[FT]米の対中観、政・財界でズレ ジャナン・ガネシュ FT FT commentators 10月29日 米国の最近の経済界のニュースを見ると、数年前のことを考えるきっかけになりそうだ。 世界最大の米資産運用会社ブラックロックの調査担当者らは投資家に中国のエクスポージャー(投資残高)を3倍に増やすよう助言している。ゴールドマン・サックスは17日、中国で投資銀行業務を手掛ける現地合弁を完全子会社化する認可を中国当局から得たと発表した。アップルは中国政府が不快感を示したため、少なくとも「当面」として中国 [FT]米の対中観、政・財界でズレ
[FT]仏排除、欧州の自立促すか ジャナン・ガネシュ Think! FT ヨーロッパ 北米 FT commentators 9月27日 フランスの外交姿勢は時に冷徹で、視野が狭く、排外的でありながら、的を射ている。欧州連合(EU)の前身である経済共同体への英国の加盟をドゴール元大統領が拒否したことは、現在の状況を先読みするような行為だった。イラク戦争への反対は、もっと短期間で正解だったとわかった。アフガニスタンの首都カブールが陥落する前から状況を見通し、現地の自国民や関係者に警告を出すのも早かった。 米国が英国、オーストラリアと [FT]仏排除、欧州の自立促すか
[FT]米、中国は「望ましい敵」 ジャナン・ガネシュ 北米 FT FT commentators 7月7日 米ワシントンで最も抜け目なくロビー活動を展開しているのはペンタゴン(国防総省)だろう。なので、米軍が机上演習で中国に何度も大敗したとする報道は、話を少しどころか大いに盛っているとみるべきだ。戦争での赤裸々な敗北を示す数々のシミュレーションは、いずれも予算の増額が必要だと訴えているのだ。 ただ、こうした補足説明を念頭に置いたとしても、懸念すべき点は少なくない。太平洋を舞台に戦争が勃発した場合、米軍 [FT]米、中国は「望ましい敵」
[FT]米企業、倫理重視は続かない ジャナン・ガネシュ FT FT commentators 4月30日 米国のリベラル派にとって最も恐れる展開が、有能なポピュリストの登場だとしたら、フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)はそうした存在かもしれない。 デサンティス氏はトランプ前大統領を彷彿(ほうふつ)させる(汚職疑惑が報道されているが、本人は「馬ふんだ」と一蹴した)。だが米国の最大かつ最も複雑な州の一つであるフロリダ州の知事として、誰もが同意するわけではないものの、一定の評価は得ている。彼ほ [FT]米企業、倫理重視は続かない
[FT]国の介入 支持する米国民 バイデン政権 ジャナン・ガネシュ 北米 FT FT commentators 3月10日 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、世界各国に対する固定観念を覆している。理性を重視し、細菌学を主導してきたフランスで、ワクチン反対派が大群をなしている。自由主義を尊ぶ英国人が、世界と比較しても過酷と言えるロックダウン(都市封鎖)に甘んじている。 ドイツは滑らかな走りをみせる高級車アウディを具現化したような国というイメージを多くの人が持っているかもしれない。しかし、同国のワクチン [FT]国の介入 支持する米国民
[FT]戦後最大の重責担う大統領 バイデン政権 ジャナン・ガネシュ 北米 FT FT commentators 1月25日 大統領就任式を控え米首都ワシントンに州兵が配置された様子は、世界の強権的指導者に格好のプロパガンダの材料を提供した。物々しい警備が正当化され得たのは全く恐ろしいことだ。 ただ強権国家はすでに評判を得ている。中国は昨年、プラス成長を維持し、新型コロナウイルスのワクチン外交も新興・途上国から歓迎される。欧州連合とは投資協定締結で大筋合意した。 そこへジョー・バイデン氏が米大統領に就任した。新大統領に [FT]戦後最大の重責担う大統領
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チーフ・USポリティカル・コメンテーター
チーフ・USポリティカル・コメンテーター
Janan Ganesh 英国生まれ。英誌エコノミストで政治担当記者を5年した後、FTに。主に英政治に関するコラムを執筆してきたが、2018年6月に米ワシントンに移り、米政治についての論評を毎週担当。著書に英元財務大臣ジョージ・オズボーンについて著した「The Austerity Chancellor」などがある。
Janan Ganesh 英国生まれ。英誌エコノミストで政治担当記者を5年した後、FTに。主に英政治に関するコラムを執筆してきたが、2018年6月に米ワシントンに移り、米政治についての論評を毎週担当。著書に英元財務大臣ジョージ・オズボーンについて著した「The Austerity Chancellor」などがある。