[FT]忍び寄る「ウクライナ疲れ」 緩む西側の結束 エドワード・ルース FT FT commentators 6月8日 こうなることは分かっていた。ロシア軍の後退や、欧米の物心両面での手厚い支援を受けたウクライナ軍の勇ましい反撃に興奮する時期は過ぎ「退屈」が忍び寄っている。過去の戦争ではお決まりの流れだ。陶酔と失望を繰り返すうち、気だるさが広がる。優れた指導者は絶望から恐怖を誘って奮起につなげられる。それよりはるかに厄介なのが倦怠(けんたい)感だ。 バイデン米大統領が国民の「ウクライナ疲れ」を意識していることは最 [FT]忍び寄る「ウクライナ疲れ」 緩む西側の結束
[FT]核使用を示唆するロシア 見えない米国のシナリオ エドワード・ルース ウクライナ侵攻 プーチン氏動向・解説 Think! FT FT commentators 5月6日 ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用も辞さない姿勢を示しているのはある意味、よい兆候といえる。それは、ウクライナでの戦争でロシアが劣勢にあることを表しているからだ。だが彼の脅しは同時に破滅的な事態を招く危険もある。 もしプーチン氏が核兵器使用の可能性に触れることで西側諸国を恐怖に陥れるのが狙いなら、その戦略は機能していない。北大西洋条約機構(NATO)はウクライナへの支援を拡大し続けているからだ [FT]核使用を示唆するロシア 見えない米国のシナリオ
[FT]米民主、中間選挙は惨敗も 石油備蓄放出で若者離れ エドワード・ルース FT 北米 FT commentators 4月20日 大勢の人が一斉に落胆の声を上げたのではないだろうか。米ペンシルベニア州フィラデルフィア市が11日、屋内でのマスク着用を再び義務づけると発表したからだ。 これは民主党にとって悪い予兆にほかならない。この措置が必要かどうかは別として(米疾病対策センターなど大半の専門家は必要でないと考えている)、不可欠だとしても、行動の自由を制限するような政策を導入すればリベラル派はその代償を払うことになる。 米国の [FT]米民主、中間選挙は惨敗も 石油備蓄放出で若者離れ
[FT]米国の「疲弊した多数派」に期待 エドワード・ルース FT FT commentators 1月28日 予測とは一体どの段階に至ると、そのロジックにはまって、ますますその方向に向かい出すのか――。米国が絶望的な今、そうならないと考えたいものだ。 左派の言うことを信じるなら、バイデン米大統領は終わったも同然だ。そして米民主主義も終わりつつあるということになる。右派の話を信じるなら、グローバル主義者らがキリスト教徒が主体の米国を様々な米国の制度に「タダ乗り」する移民だらけの国にする陰謀を企てていること [FT]米国の「疲弊した多数派」に期待
[FT]バイデン氏、副大統領含め後継育成を急げ エドワード・ルース FT FT commentators 1月14日 今、米国の現大統領の年齢ほど米メディアの論調を2分しているテーマはない。 米保守系メディアでは、バイデン米大統領がぼけてきたと決めつける報道が登場するのが日常茶飯事だ。共和党の有力者たちはバイデン氏に認知症のテストを受けるよう何度も求めており、認知症という言葉が頻出する。対照的に伝統的メディア(編集注、大手テレビ局や新聞を指し、その多くは「中道から左派、リベラル」寄りとされる)がバイデン氏の年齢 [FT]バイデン氏、副大統領含め後継育成を急げ
[FT]米民主党に欠ける訴求力 「トランプ流」に学べ エドワード・ルース 北米 FT FT commentators 11月24日 トランプ前米大統領は壮大な物語を作り上げ、すべての米国民の耳にそれをもれなく届ける能力にたけていた。選挙コンサルタントなどはいらなかった。 トランプ氏は2016年の米大統領選挙でこれを実践し、再び出馬する際にも同じ戦略を取ろうとするだろう。1回目の大統領選では「(米政府が所在する)ワシントンの沼の水を抜く(腐敗を一掃する)」と訴えた。今度は「民主党に選挙結果が盗まれた」という筋立てだ。 もしトラ [FT]米民主党に欠ける訴求力 「トランプ流」に学べ
[FT]米民主党、格差対策のうそ 主流派が富裕層優遇 エドワード・ルース 北米 FT FT commentators 9月24日 「半分のパンでも、ないよりまし」ということわざがある。米議会民主党が13日に明らかにした増税案は、このことわざの通り「増税といってもやらないよりはまし」という程度にすぎない内容だ。バイデン大統領が公約に掲げていた計画は、これでほぼ骨抜きにされた格好だ。 しかも"半分のパン"という表現は、今回の増税案が超富裕層にとってどれほどラッキーだったかさえ十分に表していない。彼らが今以上に納めなければならな [FT]米民主党、格差対策のうそ 主流派が富裕層優遇
[FT]バイデン氏、活路は経済 軍事で失敗 カーター氏教訓 エドワード・ルース FT FT commentators 9月3日 アフガニスタンの首都カブールの国際空港近くで8月26日に発生した自爆テロを受けて開いた会見をバイデン米大統領はこう締めくくった。「20年に及ぶ駐留をへて、20年の戦争を終える時がきていたということだ」 まるで歴史が一巡し、全てが白紙に戻されたような瞬間だった。米国は2001年、アフガンにいるテロリストらを一掃すべく同国に侵攻した。以来20年をへた今年、テロリストらに見送られるようにしてアフガンか [FT]バイデン氏、活路は経済 軍事で失敗 カーター氏教訓
[FT]景気頼みのバイデン政権 エドワード・ルース FT FT commentators 7月30日 バイデン米大統領の就任から半年、この間の展開には目を見張るものがある。12歳以上の米国民の3分の2以上が少なくとも1回目の新型コロナウイルスワクチンの接種を終え、米経済は1980年代以来、最も速いペースで回復を遂げている。 加えて世論調査が示すように、世界はトランプ氏が大統領を務めていた時に感じた不安や哀れみをもって米国をみなくなった。大半の米国民が知る歴代政権の中で、バイデン大統領は最高の幕開 [FT]景気頼みのバイデン政権
[FT]ワクチン戦略誤った米欧 変異型抑制へ世界に供給を エドワード・ルース Think! FT ヨーロッパ 北米 FT commentators 7月2日 新型コロナウイルスの発生から1年半で明らかになったのは、確実と思われていたことが現実の出来事により次々と覆されてしまうことだ。 欧米を中心とする西側諸国は最近、ポストコロナに向け経済・社会活動の正常化に動いているが、これも確実に進むとは限らない。ここへきてワクチン接種率は伸び悩み、「集団免疫の獲得」という目標達成の前にワクチン忌避という文化的壁が立ちはだかる。2歩前進するごとに1歩後退を余儀なく [FT]ワクチン戦略誤った米欧 変異型抑制へ世界に供給を
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USナショナル・エディター
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Edward Luce FTに入社後、1年休職し米ワシントンで当時の米クリントン政権の財務長官ローレンス・サマーズ氏のスピーチライターを務めた経験を持つ。2006~11年米ワシントン支局長を経て、現在は米政治を様々な局面から切る現職に。
Edward Luce FTに入社後、1年休職し米ワシントンで当時の米クリントン政権の財務長官ローレンス・サマーズ氏のスピーチライターを務めた経験を持つ。2006~11年米ワシントン支局長を経て、現在は米政治を様々な局面から切る現職に。