[FT]バイデン大統領、再選へ潜む慢心 エドワード・ルース 北米 FT FT commentators 5月1日 バイデン米大統領が2024年の米大統領選への出馬を宣言した。同氏が前回のように、トランプ前大統領に勝てると決めてかかっている人は多い。本人もそう信じている。16年の大統領選でヒラリー・クリントン氏の代わりに自分が民主党指名候補となっていればトランプ政権は生まれていなかった、とバイデン氏はみている。 歴史は繰り返すと思い込むのは危険な過ちだ。バイデン氏の周囲は、共和党指名候補が前大統領以外になりそ [FT]バイデン大統領、再選へ潜む慢心
[FT]トランプ氏、報道を逆手に メディアと奇妙な関係 米大統領選 エドワード・ルース 北米 FT FT commentators 4月12日 トランプ米前大統領に関して、メディアは何も学んでいないと同時に、忘れてもいないようだ。ニューヨーク州の大陪審に起訴された前大統領が罪状認否のためニューヨーク市内の裁判所へ出頭し、そこを後にする姿を追った報道の過熱ぶりがそれを表している。 まるで1997年のダイアナ元英皇太子妃の交通事故死と、元妻らの殺害容疑で94年に逮捕・起訴された元アメフト選手のO・J・シンプソン氏の車での逃走劇を合わせたよう [FT]トランプ氏、報道を逆手に メディアと奇妙な関係
[FT]米、忍耐が対中勝利への道 中国は長期戦不利 エドワード・ルース FT FT commentators 3月17日 少し頭の体操をしたい。もし台湾が存在しなかったとしても米国と中国は対立していただろうか。筆者の直感では「イエス」だ。覇権国と新興勢力が対立するのは人類の歴史の一部と言っていいからだ。 さらに、中国が一党独裁国家ではなく民主主義国家だったとしても、今のような緊張は続いていただろうか。その答えは難しい。中国の政権が選挙で選ばれていたとしても、米主導の世界秩序に今ほど敵対的にはならなかったかどうかわ [FT]米、忍耐が対中勝利への道 中国は長期戦不利
[FT]カーター元米大統領の真の功績 エドワード・ルース 北米 FT FT commentators 3月1日 米国政治では、実際の功績が見過ごされて記憶されていることが多い。功績を詳細に調べれば、カーター元大統領はソ連崩壊の種をまいたと評価されるはずで、レーガン元大統領が現代の聖人であるかのように扱われることはなかっただろう。 だが、世論は誘導されやすい。第2次大戦前後の英国の政治に例えると、ナチスドイツに対して宥和(ゆうわ)政策を取って失脚したチェンバレン首相がカーター氏で、その後任として対ドイツ強硬 [FT]カーター元米大統領の真の功績
[FT]「トランプ流」の有力後継者 デサンティス氏に保守層期待 エドワード・ルース FT 北米 1月4日 米国のトランプ前大統領が体現しているのは明確なイデオロギーなのか、それとも単に自分自身なのかという議論は今も続いている。後者については疑問の余地がない。前者に関しては同氏の最大のライバル、米フロリダ州のロン・デサンティス知事がトランプ氏の本能的直感を一つの世界観に仕立て上げた。 トランプ主義を永続させるために最大限の貢献をしているのが、その最も手ごわい政敵となりそうな人物というのは何とも皮肉だ。 [FT]「トランプ流」の有力後継者 デサンティス氏に保守層期待
[FT]建前と偽善の米国左派 「裏庭」には原発・風力拒絶 バイデン政権 エドワード・ルース カーボンゼロ 北米 FT FT commentators 12月21日 バイデン米大統領が推進する、米国におけるクリーンエネルギー推進策を盛り込んだインフレ抑制法の可決は8月に大きく報道された。地球温暖化への取り組みとしては、米国最大の動きだったからだ。だが、残念ながら、12月上旬にこの法が骨抜きにされたことを告げるニュースはあまりみられなかった。 煩雑な手続きを省くことでクリーンエネルギー事業を迅速に推進できるようにする関連法案を、民主党の左派(編集注、民主党系の [FT]建前と偽善の米国左派 「裏庭」には原発・風力拒絶
[FT]米国、拙速な敵視政策のワナ 中国を二元論で捉えるな エドワード・ルース FT 北米 12月7日 北大西洋条約機構(NATO)加盟国ポーランドに11月、ロシア製ミサイルが着弾した時の米国の対応は模範的だった。(加盟国への攻撃を全加盟国への攻撃とみなすと規定した)北大西洋条約第5条の集団的自衛権を行使すべきだという声高な主張には耳を貸さず、同盟国とともに冷静に事実関係を調べ、ウクライナから発射されたことを突き止めた。ロシア軍によるものとは速断せず、瀬戸際政策にも向かわなかった。これを米国は、国 [FT]米国、拙速な敵視政策のワナ 中国を二元論で捉えるな
[FT]米規制で台湾有事の恐れ 今や中国の政権交代も視野 エドワード・ルース FT FT commentators 10月28日 超大国がある大国に宣戦布告したが誰も気づいていないという事態を想像してみてほしい。バイデン米大統領は7日、半導体先端技術の中国への輸出規制強化を発表し、何としても中国の台頭を阻止すると約束、中国への全面的な経済戦争を開始した。だが、ほとんどの米国人は、これに反応しなかった。 確かにロシアのウクライナ侵攻や米国内のインフレに人々は気をとられている。だが歴史はバイデン氏のこの動きを米中対立が決定的 [FT]米規制で台湾有事の恐れ 今や中国の政権交代も視野
[FT]トランプ氏起訴、課題山積 法か分断回避 難しい判断 エドワード・ルース FT FT commentators 8月5日 ガーランド米司法長官は「ハムレット」のように、行動すべきか、するならいつなのかで苦悩しているとされる。同氏には、先の大統領選の結果を覆そうと昨年1月6日に連邦議会の大統領選出手続きを妨害し、暴力の扇動までした疑いでトランプ前大統領を起訴すべきだとの圧力が強まっている。 ハムレットと違い、内心の葛藤を公の場で口にするわけにもいかない。ただ本音を決してみせない同氏は7月20日、司法省がトランプ氏を捜 [FT]トランプ氏起訴、課題山積 法か分断回避 難しい判断
[FT]忍び寄る「ウクライナ疲れ」 緩む西側の結束 エドワード・ルース FT FT commentators 6月8日 こうなることは分かっていた。ロシア軍の後退や、欧米の物心両面での手厚い支援を受けたウクライナ軍の勇ましい反撃に興奮する時期は過ぎ「退屈」が忍び寄っている。過去の戦争ではお決まりの流れだ。陶酔と失望を繰り返すうち、気だるさが広がる。優れた指導者は絶望から恐怖を誘って奮起につなげられる。それよりはるかに厄介なのが倦怠(けんたい)感だ。 バイデン米大統領が国民の「ウクライナ疲れ」を意識していることは最 [FT]忍び寄る「ウクライナ疲れ」 緩む西側の結束
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USナショナル・エディター
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Edward Luce FTに入社後、1年休職し米ワシントンで当時の米クリントン政権の財務長官ローレンス・サマーズ氏のスピーチライターを務めた経験を持つ。2006~11年米ワシントン支局長を経て、現在は米政治を様々な局面から切る現職に。
Edward Luce FTに入社後、1年休職し米ワシントンで当時の米クリントン政権の財務長官ローレンス・サマーズ氏のスピーチライターを務めた経験を持つ。2006~11年米ワシントン支局長を経て、現在は米政治を様々な局面から切る現職に。