[FT]ウクライナに戦果の圧力 米欧支援今がピークの恐れ ギデオン・ラックマン ウクライナ侵攻 FT FT commentators 5月26日 ウクライナはこのほど、外交的な大成功を収めた。だが、それを受け今や軍事的勝利を勝ち取る圧力にさらされている。 広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)の華やかな舞台が21日に幕を閉じ、焦点は再びウクライナ東部での激戦が突きつける厳しい現実に戻る。G7サミットでウクライナのゼレンスキー大統領が得た外交的、軍事的な支援は大きな助けになるが、危惧されるのはこれがウクライナへの国際的支援のピー [FT]ウクライナに戦果の圧力 米欧支援今がピークの恐れ
[FT]中国、和平仲介なるか ウクライナ戦争終結が利益に ギデオン・ラックマン FT FT commentators 5月5日 ウクライナ戦争の膠着状態を打破するのは激戦地のバフムトか、それとも中国政府か――。目下、注目を集めているのは近く予想されているウクライナ軍による反転攻勢だ。だが同時に外交面でも大きな動きがある。 中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は4月26日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議した。筆者がその前にウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問していた際、驚いたのは大統領府だけでなく、外務省でも [FT]中国、和平仲介なるか ウクライナ戦争終結が利益に
[FT]台湾防衛が必須の理由 覇権国の交代を許す事態に ギデオン・ラックマン FT FT commentators 4月21日 米国は台湾を防衛すべきか。これは抽象的な議論ではない。中国は(台湾の蔡英文=ツァイ・インウェン=総統が4月上旬に米国でマッカーシー下院議長らと会ったことへの不満を表明すべく)、8〜10日に軍事演習を実施し、台湾空爆のシミュレーションに加え、海軍は台湾を包囲する行動に出た。 中国が台湾への軍事的圧力を高めているのを受け、バイデン米大統領は中国が台湾を攻撃したら台湾を守ると繰り返し4回約束している [FT]台湾防衛が必須の理由 覇権国の交代を許す事態に
[FT]1930〜40年代繰り返すな 当時の日独、現中ロに酷似 ギデオン・ラックマン Think! FT FT commentators 3月31日 中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席がモスクワで盛大な歓迎を受けていた21日、日本の岸田文雄首相はそこから約800キロメートル離れたキーウ(キエフ)にいた。 習氏と岸田氏がそれぞれロシアとウクライナの首都を同時に競うように訪問した事実は、ウクライナ戦争が世界的にいかに重要な意味を持つかを物語っている。日本と中国は東アジアで激しくしのぎを削っているライバル関係にあり、どちらも欧州での紛争の行方が [FT]1930〜40年代繰り返すな 当時の日独、現中ロに酷似
[FT]中国、武器供与が分水嶺 間接でも米と決定的対立 ギデオン・ラックマン FT FT commentators 3月10日 中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席はロシアのプーチン大統領を親友と呼んでいる。そのプーチン氏は今、中国の助けをすぐにも必要としている。ロシア軍はウクライナとの戦いに苦戦しており、武器弾薬が底を突きつつあるためだ。 習氏はロシアに武器を提供し、友情の証しを示すだろうか。その決断は、中国が世界の今後をどうみているか多くのことを物語ることになるだろう。 中国、武器供与のリスクを理解しているが ロ [FT]中国、武器供与が分水嶺 間接でも米と決定的対立
[FT]「西側に戦争責任」は誤り ミアシャイマー教授は問題 ギデオン・ラックマン FT FT commentators 2月24日 国際政治学者が有名になることはあまりないが、米シカゴ大学教授のジョン・ミアシャイマー氏は、ロシアがウクライナを侵攻したことで一躍、有名になった。同氏の「ウクライナがなぜ西側諸国の失敗なのか」と題した2015年の講演の録画は動画サイト「ユーチューブ」に上がっているが、実に2800万回以上も視聴されている。 ミアシャイマー氏はこの講演でも、それ以降の論文や講演でも、ウクライナ戦争を引き起こしたのは [FT]「西側に戦争責任」は誤り ミアシャイマー教授は問題
[FT]「文化戦争」が地政学に影響 プーチン氏の価値攻撃 ギデオン・ラックマン FT FT commentators 2月10日 筆者は長い間、様々な価値観を巡る保守とリベラルによる「文化戦争」とは安全な距離をとり眺めてきた。そこでの争点は時として興味深いが、これらの議論は極めて質が悪く、下手に発言すると自分のキャリアを失うことになりかねないため、論戦への参加は避けてきた。 そのため、自認する性と出生時の性が異なるトランスジェンダーの人がどのトイレを使うべきかといった大炎上しそうな話題は避けてきた。そして、自らの専門分野で [FT]「文化戦争」が地政学に影響 プーチン氏の価値攻撃
[FT]ロシア、勝利維持の道なし 消耗戦と孤立で地位低下 ギデオン・ラックマン Think! FT FT commentators 1月27日 「ロシアがこの戦争でだめになるなどと見くびってはならない」。モスクワに長い駐在経験を持つ欧州のある外交官はぼそっとこんな警告を発した。もっともな指摘だろう。ロシアのプーチン大統領のウクライナ侵攻は確かに極めてまずい事態に至っている。それでもロシアは依然、豊富な資源と冷酷で残忍な政府を抱える巨大な国だ。 ウクライナの情報機関はロシアが今年、ウクライナに新たな攻撃をしかけるために、さらに兵を動員し軍 [FT]ロシア、勝利維持の道なし 消耗戦と孤立で地位低下
[FT]朝鮮戦争の休戦が参考に ウクライナにもプラス面あり ギデオン・ラックマン Think! FT FT commentators 12月16日更新 一部の保守派の人にとっては外交政策の危機といえば「ミュンヘン」(編集注、ナチスドイツとの戦いを含む戦争)を意味するし、一部の左派の人はいかなる戦争も「ベトナム」(戦う意味のない戦争)と化す恐れがあるとみている。 だが、ロシアとウクライナの戦争の2年目突入が避けられそうにない今、あまり耳慣れない言葉が聞かれるようになった。「朝鮮」だ。 なぜ朝鮮戦争が比較に出てくるかと言えば、同戦争はいまだに正式 [FT]朝鮮戦争の休戦が参考に ウクライナにもプラス面あり
[FT]習氏の「ゼロコロナ」、窮地に 試される個人崇拝の権威 ギデオン・ラックマン 新型コロナ FT FT commentators 12月2日 中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は2021年の新年の演説で、新型コロナウイルス感染を徹底して封じ込める中国の「ゼロコロナ」政策の成功ぶりを誇らしげに語った。 国外では数百万人に上る死者が出ていたのに中国は「国民とその命を最優先し、(中略)連帯感と強靱(きょうじん)性を発揮してコロナとの戦いに勝利する偉業を成し遂げた」と。 だが以来2年近くたち、コロナ禍への対応を自らの実績であり、かつ組織 [FT]習氏の「ゼロコロナ」、窮地に 試される個人崇拝の権威
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チーフ・フォーリン・アフェアーズ・コメンテーター
チーフ・フォーリン・アフェアーズ・コメンテーター
Gideon Rachman 英国生まれ。英BBCや英エコノミストなどを経て2006年FTに入社。同年、現在の外交関係の論評責任者に。2016年政治分野のジャーナリストとして英オーウェル賞を受賞。著書に「Easternization」(2016年)などがある。
Gideon Rachman 英国生まれ。英BBCや英エコノミストなどを経て2006年FTに入社。同年、現在の外交関係の論評責任者に。2016年政治分野のジャーナリストとして英オーウェル賞を受賞。著書に「Easternization」(2016年)などがある。