株急落 市場があぶり出すウクライナ後の勝者と敗者 梶原 誠 5月21日更新 ウクライナ危機や米利上げを引き金とする株安が続く中、世界の市場関係者の間でマーケットがあぶり出す勝者と敗者を見極めようという議論が盛り上がっています。先日開かれた米ミルケン研究所主催のグローバルカンファレンスでも話題になりました。米欧中の最前線を取材するマーケット記者と梶原誠本社コメンテーターが討論します。 株急落 市場があぶり出すウクライナ後の勝者と敗者
露呈した市場のだまし絵 バフェット氏、株急落「予告」 梶原 誠 グローバルマーケット 株式投資 Deep Insight 本社コメンテーター 5月11日 「株式市場の転機だったと語り継がれるかもしれない」。米連邦準備理事会(FRB)による4日の利上げ決定を受けた世界の株安に、こんな感想が広がった。 震源地・米国で株が急騰した直後に下げが続くジェットコースターのような展開。その真相を、利上げの4日前に解き明かした大物投資家がいる。投資会社バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェット氏だ。4月30日、ネブラスカ州オマハで開いた株主総会が舞台 露呈した市場のだまし絵 バフェット氏、株急落「予告」
「強い円」は企業が創る ルービン時代の米国に処方箋 梶原 誠 グローバルマーケット FX Deep Insight 本社コメンテーター 4月22日 日本企業が奮闘して世界からマネーを引き付ければ円安は止まる。「強い円は国益」と言える日すら訪れるだろう。 4月初旬、フランス山岳地のスキーリゾート。米投資銀行が企業にM&A(合併・買収)を助言する世界の担当者を集め、ロシアのウクライナ侵攻で暗雲が垂れ込める企業再編の動向を分析している。議論の結果、こんな読みが浮き上がった。「日本企業は買い手として存在感を示すだろう」 会議では、企業買収向 「強い円」は企業が創る ルービン時代の米国に処方箋
したたか企業は中国へ 「ダブル上場」胎動の意味 梶原 誠 グローバルマーケット ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 4月4日 ロシアのウクライナ侵攻以降、東京株式市場で株価が急騰した銘柄がある。半導体製造装置の部品メーカー、フェローテックホールディングス。買いの材料は、異例の中国テコ入れ策だった。 2月24日の侵攻時以降、同社の株価上昇率は一時26%に及んだ。値動きは、投資家が比較の対象とする日経ジャスダック平均や、米主要半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)を大きく上回る。 3月16日、同社はパ したたか企業は中国へ 「ダブル上場」胎動の意味
危機連鎖、1998年の警告 マネーは弱みを突いてくる 梶原 誠 ウクライナ侵攻 Think! コラム Deep Insight 本社コメンテーター 3月18日 ロシアのウクライナ侵攻に、思わぬ国が翻弄されている。投資家の売りを浴びるインドだ。 リフィニティブ・リッパーによると、3月に入ってほぼ毎日、インドの株と債券に投資する世界の投資信託から資金が流出している。流出ペースは新型コロナウイルスが世界的に流行して市場が大混乱した2020年春以来の勢いだ。その結果、通貨ルピーは今月、対ドルで過去最安値に落ち込んだ。 「インド売り」は、ウクライナ危機とつながっ 危機連鎖、1998年の警告 マネーは弱みを突いてくる
侵攻が暴く市場の新常態 マネー、供給網の再建迫る 梶原 誠 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 3月4日 ロシアのウクライナへの侵攻が市場に突きつけた「不都合な真実」がある。世界にはサプライチェーンを寸断する供給制約の芽が散らばっており、時がたっても消えてくれないことだ。 米国市場の原油先物価格が今週、一時1バレル120ドルに迫った。経済制裁を受け、世界生産の1割を担うロシアの輸出が滞るという読みが背景だ。だがこの展開は5年前、日本で予測されていた。 「産油国が有事になれば、簡単に120ドルになる」 侵攻が暴く市場の新常態 マネー、供給網の再建迫る
日本株買い、消去法の憂鬱 世界に劣る企業の危機感 梶原 誠 コラム 株式 海外 Deep Insight 本社コメンテーター 2月18日 ウクライナ情勢や米欧の金融引き締め懸念を受けて、世界の株式相場は荒い展開が続く。そんな中で、あるシナリオが静かに浮かんでいる。日本買いだ。 昨年は世界の主要市場に「一人負け」だった日本の株式相場だが、今月は違う。米国株もドイツ株も値動きで上回っている。 米国株からのマネー逃避 2つの要因が考えられる。1つは実質金利の低下期待だ。 名目上の金利から物価上昇率を引いた値が実質金利だ。日本の実質長期金 日本株買い、消去法の憂鬱 世界に劣る企業の危機感
米「株の死と再生」は訴える 個人と企業、投資の好循環 梶原 誠 Deep Insight 本社コメンテーター 2月4日 年初からの世界的な株価急落が、「気づき」の機会をもたらしている。世界にも、日本にもだ。 世界の投資家は、インフレの怖さに目をつぶってリスクを取り過ぎていたことに気がついた。 震源地の米国市場では、昔ながらの経験則に関心が集まるかもしれない。「20の法則」だ。 インフレ懸念を前提としたもので、消費者物価指数(CPI)の年間上昇率にPER(株価収益率)を加えると20近辺になるという。物価上昇懸念が強 米「株の死と再生」は訴える 個人と企業、投資の好循環
企業は考え抜けるのか 統治指針にただ従う危うさ 梶原 誠 Think! Deep Insight 1月21日 世界のインフレ懸念を機に、中央銀行発のカネ余りが支える株高が変調を来した。寛容だったマネーは選別色を強めるだろう。どんな企業が選ばれるのか。 東京証券取引所が4月に踏み切る市場再編は、この問題を考える糸口をもたらした。2つの断面がちらついている。企業経営者が決断し始めたことと、思考停止に陥るワナが潜んでいることだ。 まず決断。東証1部市場を今支えているのは、再編で2部相当のスタンダード市場に移る 企業は考え抜けるのか 統治指針にただ従う危うさ
マネーの川は急変する 危機前夜07年からの警鐘 梶原 誠 Deep Insight 本社コメンテーター 1月10日 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が11日、議会公聴会に臨む。市場はいつも以上に神経質だ。年初の世界同時株高とその後の株安は、陶酔と不安という両極の投資家心理を映している。どちらも演出したのはFRBだ。 15年前の2007年1月を振り返ると今の構図はわかりやすい。 パリバ・ショックで干上がった 同月2日、米ウォール・ストリート・ジャーナルは、市場コラムに象徴的なイラストを添えた。大量のドル札 マネーの川は急変する 危機前夜07年からの警鐘
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グローバル市場
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東京、ニューヨーク、ソウル、香港を拠点に市場を通して世界を見てきた。アジア通貨危機、日本の金融危機、リーマン危機も取材。編集委員、論説委員、英文コラムニストを経て2017年2月より現職。市場に映る全てを追う。
東京、ニューヨーク、ソウル、香港を拠点に市場を通して世界を見てきた。アジア通貨危機、日本の金融危機、リーマン危機も取材。編集委員、論説委員、英文コラムニストを経て2017年2月より現職。市場に映る全てを追う。