インド中立、やむを得ない ロシアと決別できぬ対中事情 秋田 浩之 米中衝突 岸田政権 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 5月16日 日本と米国、オーストラリア、インドの首脳が5月下旬、東京で一堂に会する。「Quad(クアッド)」と呼ばれる枠組みだ。 クアッドは中国をにらんで結束を強めてきたが、ここにきて暗雲が垂れこめている。ロシアのウクライナ侵略がきっかけだ。 日米豪など西側諸国はロシアを非難し、制裁を強めている。ところがインドは停戦を求めこそすれ、制裁には同調せず、中立の姿勢を変えていない。 ロイター通信によると、インドは インド中立、やむを得ない ロシアと決別できぬ対中事情
危ないロシアの中国従属 北朝鮮に劣らぬ核脅迫も 秋田 浩之 北朝鮮 ウクライナ侵攻 プーチン氏動向・解説 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 5月6日 ウクライナへの侵略後、ロシアは西側諸国から重い制裁を浴び、経済の傷は深まっている。経済封鎖が長引けば、国の力は衰えていき、名実ともに大国の座から転落するだろう。 米欧はそこまで追い込み、世界秩序を脅かす体力までもロシアから奪おうとしているようだ。必ずしも誤った戦略ではない。そうでもしなければ、プーチン政権による侵略は止まらないだろう。ただ、この路線には大きな盲点もある。ロシアを弱体化した末に待っ 危ないロシアの中国従属 北朝鮮に劣らぬ核脅迫も
抗うウクライナ、日本に教訓 「自ら助くる」備え急げ 秋田 浩之 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 4月25日 ロシアによるウクライナ侵略は連日、多くの犠牲者と破壊をもたらしている。このままで自国の安全は大丈夫か。各国のリーダーは危機感を募らせ、さまざまな角度から戦略を再考している。 フィンランド、スウェーデンは典型だ。米欧の軍事同盟に入らず、ロシアと共存する道を長く歩んできたが、北大西洋条約機構(NATO)への加盟に傾く。 大国による戦争が起き、日本が衝撃を受けるのは今回が初めてではない。湾岸戦争(19 抗うウクライナ、日本に教訓 「自ら助くる」備え急げ
中国へ「ウクライナ」の警告 容易でない台湾の武力併合 秋田 浩之 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 4月11日 ロシアがウクライナへの侵略を始めた2月下旬、台湾海峡にも危機が飛び火しかねないという観測が米欧やアジアで流れた。 バイデン米政権はロシアの暴挙を止められず、ウクライナへの軍事介入にも及び腰だ。中国が米国の足元を見透かし、台湾への侵攻を検討しかねない。こんな分析だった。 それから約7週間がすぎた。ロシアの侵略戦争から中国はどんな教訓をくみ取り、台湾戦略につなげようとしているのか。その結果は世界の安 中国へ「ウクライナ」の警告 容易でない台湾の武力併合
冷戦の霧、アジアを覆う ロシアの侵略で安保地図一変 秋田 浩之 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 3月28日 2月24日にロシアがウクライナ侵略を始めてから、1カ月あまりがすぎた。第2次世界大戦後、国際社会はかつてないほど危ない局面を迎えた。 世界は今、2つの戦争に直面している。第1はロシアによる残忍な侵略と、それに立ち向かうウクライナの戦争だ。 第2は、にわかに復活したロシアと西側諸国による冷戦である。北大西洋条約機構(NATO)とロシアの勢力がぶつかる東欧では、新たな戦争の恐れもある。 ウクライナ停 冷戦の霧、アジアを覆う ロシアの侵略で安保地図一変
元米国務長官オルブライト氏死去 武力も辞さぬ人道派 秋田 浩之 朝鮮半島 北米 本社コメンテーター 3月24日 女性として初めて米国務長官を務めたマドレーン・オルブライト氏が23日、死去した。同氏の家族が声明を発表した。84歳だった。クリントン政権で、北朝鮮との間でミサイル・核開発問題の交渉を主導した。 重大な人道危機を止めるのに、他の手段がなければ軍事介入もいとわない。オルブライト氏の外交哲学をひと言でいえば、こうなるだろう。 クリントン政権下の1993年1月に国連大使に抜てきされ、97年1月に国務長官 元米国務長官オルブライト氏死去 武力も辞さぬ人道派
国連、これでいいのか ロシアの安保理追放も検討を 秋田 浩之 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 3月14日 ロシアによるウクライナへの侵略は、平和を保つための国際社会の機能がまひしている現実を突きつけた。その最たるものが、国連の安全保障理事会だ。 安保理に求められるのは「平和の番人」の役割で、その権限も与えられている。平和を脅かす国には制裁を決定し、国連メンバーはそれに従う義務がある。 ロシアの侵攻を受け、安保理は2月25日に急きょ、会合を開いた。だが、制裁はおろか、非難決議すらも採択できなかった。 国連、これでいいのか ロシアの安保理追放も検討を
アジア安定、日本が動く時 米国の関与下支えを ウクライナ侵攻 秋田 浩之 3月6日 プーチン・ロシア大統領がウクライナ東部の親ロシア派地域への派兵に動いた翌2月23日。岸田文雄首相はロシアによる日本での国債発行・流通などを禁じる制裁を発表した。制裁は米欧より1日ほど遅れての決定だった。 日本はその後も、米欧を後から追いかけるように追加制裁を続けた。タイミングは遅れたが、米欧からはひとまず「今回については、日本は我々と完全に一枚岩だ」(米当局者)と、安堵の声が漏れる。 実は米欧は アジア安定、日本が動く時 米国の関与下支えを
ロシア暴走、中国の誤算 「全面侵攻ない」と油断 秋田 浩之 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 2月28日 ウクライナに侵攻したロシア軍は首都キエフに迫り、戦争は重大な局面を迎えている。 この暴挙を止められなかった西側諸国が外交・安全保障上、こうむる影響は計り知れない。 しかし、ロシアと結束を深め、準同盟の仲を誇ってきた中国も、決して無傷ではない。プーチン大統領との連帯は、習近平(シー・ジンピン)国家主席を苦しめる重荷になる。 侵略リスク、米機密情報を真に受けず 昨年秋以降、ロシア軍がウクライナ国境に ロシア暴走、中国の誤算 「全面侵攻ない」と油断
ロシアの蛮行、毅然と対応を 制裁と抑止力強化の両輪で ウクライナ侵攻 秋田 浩之 本社コメンテーター 2月25日更新 国際社会は第2次世界大戦後、最も深刻な危機に直面している。ロシアは主権国家に全面戦争を仕掛けた。現代において、まれにみる大国の暴挙である。 1945年以来、80年近くにおよんだ「戦後」は終わってしまった。今日は昨日の延長ではなく、世界は再び、危うい時代に逆戻りしたと考えざるを得ない。 仮に、ロシアがウクライナを支配すれば、次は国境を接する東欧諸国にも軍事の脅しを強めるだろう。 そんな危機ドミノを ロシアの蛮行、毅然と対応を 制裁と抑止力強化の両輪で
本社コメンテーター
外交・安全保障
外交・安全保障
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。