〈フェアネスを問う インタビュー〉相互依存、平和望む国で Next World 4月7日 経済安全保障と国家安全保障を一体化する考え方が広がっている。紛争が起きたときに何を調達できるようにしておくべきか。すべての国がいま考えている。 世界は特定の地域で経済の結びつきが強まる「regionalization(地域化)」に向かっている。各国は安保に必要なものを取引するとき、近接したサプライチェーン(供給網)を築かなければいけない。 ルールに基づいてつながる1990年代のグローバリゼーショ 〈フェアネスを問う インタビュー〉相互依存、平和望む国で
〈フェアネスを問う インタビュー〉米中分断、誰も利さず Next World 4月6日 グローバリゼーションが過去30~40年で急速に進展し、多くの国が互いに依存しあうようになった。依存する国同士が争えば、お互いにとってマイナスだ。 米国は貿易や投資を(制限することで相手国に圧力をかける)武器にしようとしているが、米国も他国に依存している。米国のデカップリング(分断)をあおる政策は非常に愚かだ。 各国が貿易を減らして孤立すれば、生産性は急速に低下し、世界的な大不況を引き起こす。世界 〈フェアネスを問う インタビュー〉米中分断、誰も利さず
〈フェアネスを問う インタビュー〉「中立」貫くのが国益に Next World 4月5日 ブラジルは冷戦期、米国側についた。その後世界はより複雑になり、グローバル化が進んだ。今回のロシアによるウクライナ侵攻で多くの国は西側(の民主主義国家)か、ロシア・中国(の権威主義国家)かを選ぶよう求められている。ブラジルはいずれも選ばない。選ぶことが国益にならないからだ。 (ブラジルが中立を貫く背景には)南米の歴史や地理がある。ロシアと緊張関係を持つ欧州大陸や、北朝鮮問題などを抱えるアジアとは違 〈フェアネスを問う インタビュー〉「中立」貫くのが国益に
日立・東原会長、共通の理念で分断越える Next World 4月4日 国家間の対立が企業や個人にも及び、分断を乗り越える理念や価値観が問われている。超大国とグローバルサウスがせめぎ合う中、公正な秩序をどう描くか。「Next World フェアネスを問う」のインタビュー編で問う。初回は日立製作所の東原敏昭会長が語る。 世界でグループのまとまりに変化が生じている。新型コロナウイルスの感染拡大後は自国第一主義のような状況となり、ロシアのウクライナ侵攻後は北大西洋条約機構 日立・東原会長、共通の理念で分断越える
フェアネスを問う(5)分断超す理念、試される民 Next World 3月31日 「ポケットの中のスパイ」――。中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」運営会社の周受資最高経営責任者(CEO)を米連邦議会に招いた23日の公聴会。質問に立った議員の発言は中国流への警戒にあふれていた。 中国が上位独占 だが、議会の焦りをあざ笑うかのように、米国でティックトックの拡大は続く。利用者は足元で1億5000万人を超え、2020年8月の1.5倍。浸透するから余計に警戒を呼ぶ。 フェアネスを問う(5)分断超す理念、試される民
フェアネスを問う(4)公正なき成長、世界導けず Next World 3月30日 幹線道路が鉄道の線路をまたぐ橋のたもとに、奇妙な光景が広がっていた。放置された鉄道車両は優に100両を超す。まだ古びていない車両もあるが、しばらく使う予定はないらしい。 南アフリカの最大都市ヨハネスブルク。黒人差別アパルトヘイト(人種隔離政策)と闘った英雄、ネルソン・マンデラ氏の名を冠した大橋から見下ろした光景だ。 大量の車両が行き場を失った背景にあるのはお粗末な電力インフラだ。国営企業の腐敗で フェアネスを問う(4)公正なき成長、世界導けず
フェアネスを問う(3)「ESG+S」を探して Next World 3月29日 とりたてて特徴のない地味な建物だ。米南部テキサス州オースティンの州庁舎に今、世界の金融機関の関係者が引きも切らずに訪れる。 目当ては州の財政責任者、会計監査官のグレン・ヘガー氏。ESG(環境・社会・企業統治)マネーを批判する急先鋒(せんぽう)だ。その腹の内を探らなければ金融機関が投資のスタンスを決められずにいる。 ヘガー氏に言わせると「ESGは庭先をきれいにするだけのウソ。金融機関は国民に対して フェアネスを問う(3)「ESG+S」を探して
フェアネスを問う(2)力の支配、賛意得られず Next World 3月28日 インドネシア政府に激震が走ったのは2022年12月だった。 「運営権の保有期間を50年から80年に延ばしたい」。中国系が4割出資する会社からの要請だ。求めに従えば、ジャワ島に建設中の高速鉄道は22世紀初めまで中国の影響下に置かれる。 18年完工ならず 15年にジョコ大統領が日本の提案を退けて中国を選んだ決め手の一つは、18年完工というスピードだった。しかし、当初の開業予定を4年過ぎても工事は続き、 フェアネスを問う(2)力の支配、賛意得られず
フェアネスを問う 貿易が映す世界の分断 Next World 3月27日 ロシアによるウクライナ侵攻の開始から1年が過ぎ、世界の貿易にも分断が目立ってきた。西側の経済制裁の穴を埋めるように、中国をはじめとするユーラシア大陸の各国がロシアとの取引を増やしている。軍事転用が可能な半導体の調達でも「抜け道」を探る動きが目立つ。グローバル経済の亀裂はどこに生じたか――。日本経済新聞の「Next World」取材班は国連や各国の貿易データをもとに、ウクライナ戦争で変貌した越境取 フェアネスを問う 貿易が映す世界の分断
フェアネスを問う(1) 人への投資、国開く礎に Next World 3月27日 分断が進みながら融合の奔流も止まらない今日の世界。その先を描くとき、民主主義や権威主義というイデオロギーを超えたフェアネス(公正さ)の思想が重みをもつ。世界を動かす国や企業の振る舞いを問い直し、明日の世界「Next World」を探す。(関連特集をNext World特集面に) 星条旗がはためく建物に「競売」の看板。米中西部オハイオ州ビュサイラス。希代の発明王エジソンに連なるゼネラル・エレクトリ フェアネスを問う(1) 人への投資、国開く礎に