餃子ライス 焼きたてに涎ピュルル 食あれば楽あり 3月1日 餃子(ぎょーざ)は今や日本人の国民食と思われるほどよく食べられている中国料理である。我が輩もこれが大好物で、街に出ていて昼食の時間ともなれば、どこかで中華料理店を見つけてそこに入り、「餃子ライス」か「ニラレバ炒めライス」を注文する。このどちらを選ぶかはその日の気分次第で、これまでは大体7対3の割合で「餃子ライス」に軍配が上がった。 街の中華料理店の餃子ライスあるいは餃子定食を観察すると、焼いた餃 餃子ライス 焼きたてに涎ピュルル
牛挽き肉丼 漬物と炒め、牧歌的な香り 食あれば楽あり 2月22日 牛丼は薄く切った牛肉とタマネギを醤油(しょうゆ)や砂糖などで甘辛く煮込み、それを丼飯の上にのせた料理である。明治時代に入って牛肉食が始まると、ほどなく牛鍋屋が登場しそれを丼飯にかけた「牛めし」が原型だとされている。その牛鍋は牛肉とネギだけを使い、味噌仕立てであったというが、その後明治32年(1899年)に吉野家を創業した松田栄吉という人が、牛肉とタマネギを醤油仕立てにしたものを丼飯にのせ、それを 牛挽き肉丼 漬物と炒め、牧歌的な香り
鮒鮓の至福 肉感的温もり持つ芳香 食あれば楽あり 2月15日 今日私たちが食べている鮨(すし)あるいは寿司(すし)と書くものは、炊いた飯に酢を加え、その酢飯に魚介類をのせてから手で握ったもの。そのためその場ですぐに食べられるから、これを「早鮨(はやずし)」あるいは「当座鮨(とうざずし)」と呼んでいる。従って発酵の過程はなく、江戸末期の発生である。 これに対して鮓(すし)は奈良時代から食べられてきた伝統的発酵食品である。軽く塩をした魚を飯とともに漬け、重石( 鮒鮓の至福 肉感的温もり持つ芳香
俺流ちゃんこ鍋 鶏団子、うま味じゅんわり 食あれば楽あり 2月8日 ちゃんこ鍋の「ちゃんこ」とは「おっさん」などの意で相撲部屋の料理人のことを言うそうだ。力士社会独特の手料理で、多くは魚、肉、野菜などをごった煮し、ちり鍋風にして食べる栄養価の高い料理である。その始まりは明治時代末期に当時の名横綱であった常陸山(ひたちやま)の人気で出羽海(でわのうみ)部屋への入門者が一気に増え、それまでのように個々に配膳したのではとても間に合わなくなったので、1つの鍋を皆で囲んで 俺流ちゃんこ鍋 鶏団子、うま味じゅんわり
鴨鍋 ネギ・熱燗と相性抜群 食あれば楽あり 2月1日 鴨(かも)の肉とネギは調理的にみてとても相性がよいので、江戸時代から鴨鍋にはネギが必ず添えられた。そのため、この鍋のときは肉だけでなくネギまで同時にやってくるから「鴨がネギを背負ってきた。こりゃますます以(もっ)ておあつらえ向きだあ」という俗諺(ぞくげん)まで作られた。 当時の鴨鍋は鴨肉とネギだけで仕立てられたが、その後ゴボウやセリ、根三つ葉などが加えられてきた。我が厨房「食魔亭」でも、冬の寒い 鴨鍋 ネギ・熱燗と相性抜群
カキとカニの雑炊 寒さを癒やす海の幸 食あれば楽あり 1月25日 寒い日にはよく雑炊を作って温まる。実はこの間、2日続けてそんな日があったので、ちょっと欲張りのようであるが最初にカキ雑炊を作り、翌日はカニの雑炊を作って心身を癒やした。 先(ま)ずカキ雑炊の作り方。生カキ200グラムをざるに入れ、薄い塩水(2%ぐらい)で振り洗いし、ざるに上げて水切りする。冷めた飯300グラムをほぐして水の中で洗い、粘りを除いてざるに上げて水を切る。生シイタケ(2枚)は石突きを取 カキとカニの雑炊 寒さを癒やす海の幸
寒ビラメ 確かな歯応えとうま味 食あれば楽あり 1月18日 札幌に住む伊藤幸一さんは釣り名人である。大きな会社の役員をしながら、余暇を見て釣っている。その腕前は誰もが認める玄人肌で、本職の漁師顔負けの達人である。いつも海に出ては、巨大なマダラやサクラマス、アイナメ(アブラコ)、ナメタガレイ、クロソイ、ヒラメなどをひょいひょい釣り上げるのである。その主な漁場は噴火湾で、ここは魚介の群れる豊穣(ほうじょう)の海として知られるところである。室蘭港から船で出てい 寒ビラメ 確かな歯応えとうま味
ハタハタの干物 身噛むと耽美なうま味 食あれば楽あり 1月4日 ハタハタ(鰰)は冬の北の海の美味魚である。東北地方の日本海側から北海道の海に豊産し、体長15~20センチ、鱗(うろこ)はなく、腹側は銀白色で背に褐色の斑点がある。冬に吹雪などある日、雷鳴に合わせて急に浮上して、陸岸近くに群来するので、雷神にちなんで魚ヘンに神と書きハタハタと呼ぶ。昔雷神のことを「ハタタカミ」と呼んだことに由来するとある。 非常によく漁獲されるので、その食べ方は多彩を極める。鍋物、 ハタハタの干物 身噛むと耽美なうま味
餅で和む 海苔・納豆…我が心の古里 食あれば楽あり 12月28日 年末年始は餅と関わる機会が日本人はとても多くなる。年越しと正月用の餅つきに始まり、雑煮、鏡餅、お供え餅、花餅飾りなど枚挙にいとまがない。我が輩も、この年末年始に餅を食べることが多くなるが、餅が大好きなのでこの時期に限らず、年中食べているというのが実情である。 そのため、我が厨房「食魔亭」では一年中餅を欠かすことはなく、常に買い備えている。昔と違い今はいつでも餅が手に入る時代になったので、ありがた 餅で和む 海苔・納豆…我が心の古里
クジラ汁 食感プヨプヨ 濃厚なコク 食あれば楽あり 12月21日 我が輩が高等学校の時代頃まで、クジラの肉はとても安かった。牛肉や豚肉より、もっと安価だったので、毎日のように食べていたといっても過言ではない。焼き肉、竜田揚げ、クジラのすき焼き、クジラカレー、クジラカツ、クジラ肉の味噌漬けなど、どれもとても美味(おい)しかった。 なかでも「クジラ汁」と呼んでいた味噌汁は、一年中食べる機会があった。塩クジラという塩蔵品がその汁の材料で、保存ができるから年中売られて クジラ汁 食感プヨプヨ 濃厚なコク