「50年ぶり円安」が問う日本 複眼 5月23日 急速な円安が進んでいる。対ドル相場は一時1ドル=131円台に下落するなど約20年ぶりの安値圏で推移。海外との物価上昇率格差も考慮した円の総合的な価値(実質実効相場)は約50年前の水準に下落している。円の下落は日本経済のどんな問題の反映なのか、どう対応すべきか。専門家に聞いた。 円の実質実効相場の長期的な低下トレンドは、円の実効相場(主要な貿易相手国・地域に対する相場を貿易額などに応じて加重平均し 「50年ぶり円安」が問う日本
ネット空間に分断の危機 複眼 5月16日 インターネットで国内外の情報を手軽に閲覧できるのは、ネット空間を国際的な公共財としてIT(情報技術)企業や各国政府が協力してきたからだ。それがロシアのウクライナ侵攻や強権的な政治体制の広がりで揺らいでいる。ネット空間は「分断」を避けられるのか、ネット管理の国際団体や識者などに尋ねた。 民間非営利団体「ICANN」の役割は2つに絞られる。ひとつはコンピューターをインターネットに接続できる環境を保つ ネット空間に分断の危機
知財・無形資産 生かすには 複眼 5月2日 2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)は知的財産への投資を取締役会が監督し、開示すべきだとした。主要上場会社を比較すると、米国企業は企業価値に占める無形資産が9割に達するのに対し、日本企業は3割にとどまる。知財・無形資産を生かすカギを経営者らに聞く。 日本企業は知財・無形資産を生かし切れていない。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われたのは工業化社会の時代で、 知財・無形資産 生かすには
「1票の格差」どうするのか 複眼 4月25日 衆院選の1票の格差を巡る発言が相次ぐ。新たに導入する人口比を反映しやすいアダムズ方式により、都道府県ごとの定数が10増10減になるとわかると、自民党から「地方には迷惑な話」との反対論が出ている。定数是正はどうあるべきか。与野党幹部や選挙制度に詳しい識者に聞いた。 2016年に公職選挙法を改正した際、当時は民進党議員だった私たちは反対した。アダムズ方式の導入に反対だったからではない。20年の国勢調 「1票の格差」どうするのか
人材を「人財」に育てる 複眼 4月18日 多くの企業がこの春、新しい社員を迎えた。貴重な人材を無形資産として成長に生かしていく「人的資本経営」が求められるなか、「人財」として育成するには、どのような問題意識や戦略思考を持つとよいか。独自の人材育成や情報開示に取り組む企業の幹部や、識者に聞いた。 丸井グループが目指してきたのはライフスタイルや体験価値の創造だ。そのために重要なのは何よりも人材だ。人の成長が企業の成長につながる。人材開発をコ 人材を「人財」に育てる
オミクロン型から学ぶ 複眼 4月4日 新型コロナウイルスが変異と感染拡大を繰り返している。今年急拡大したオミクロン型は、以前のデルタ型などに比べて症状が軽くなる一方、感染力は増した。政策も医療機関も変化への対応力を問われている。コロナ感染の再拡大や新たな感染症をにらみ、オミクロン型の経験から何を学ぶべきかを聞いた。 オミクロン型の出現により、このウイルスが人間社会から消える可能性は小さくなった。仮に世界中の全ての人々が免疫をもったと オミクロン型から学ぶ
対ロ制裁、金融が武器に 複眼 3月28日 ウクライナに侵攻したロシアに対し、米欧や日本が実行した金融制裁はかつてない規模と内容になった。国際決済網からの排除や中央銀行の資産凍結はロシアに打撃を与えるだけでなく、ドル覇権の行方など中長期の影響も注目される。金融が武器となった制裁について専門家に聞いた。 長い間、グローバルな経済ネットワークと相互依存関係は世界に平和をもたらすと信じられてきた。ところがロシアのウクライナ侵攻は、ロシアと世界の 対ロ制裁、金融が武器に
男の育児、企業どう後押し 複眼 3月21日 男性の育児休業取得を促す改正育児・介護休業法が4月から段階的に施行される。世界で最も充実した制度でありながら、取得者は1割程度にとどまる。男性の育児参加が進めば働き方や少子化といった社会課題は変わるのか。労使が納得できる形で進めるにはどうすればよいのか。識者らに聞いた。 本社のある高知県は人口が毎年1%ずつ減っている。大学進学を機に地元を離れる人も少なくない。数少ない上場企業として、高知に定着し 男の育児、企業どう後押し
体験・接客、実世界超えも 複眼 3月7日 メタバースは新しい経済活動の舞台になる。関連市場は2030年に8000億~1兆ドル(約92兆~115兆円)に膨らむ見通しだ。 仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のデバイスも浸透する。21年の販売台数は2000万台を超えた。25~30年が本格的な普及期で、30年以降の供給は現在のスマートフォン並みになる見込みだ。当面はスマホと併用するタイプが中心だが、いずれスマホに代わるデバイスになるだろう。 メ 体験・接客、実世界超えも
プラごみ削減 どう実現 複眼 2月28日 プラスチックごみの削減や再資源化に向けた「プラスチック資源循環促進法」(プラ新法)が4月に施行される。小売りやサービス業にはスプーンなど12品目で削減が義務化され、私たちの暮らしにも変化が訪れる。ごみを減らし、循環型経済への移行の一歩となるか。新法の意義や課題を専門家に聞いた。 外食産業は店頭や持ち帰り・宅配など消費者との接点は多く、果たすべき役割は大きい。スターバックスはグローバルで2030年 プラごみ削減 どう実現