(300)連載300回に寄せて 池上彰の大岡山通信 若者たちへ 5月16日 なんと今回で連載は300回になるそうです。よく続いたものです。まずは読者の皆さんにお礼を申し上げます。と同時に日経新聞編集者諸氏にもお礼を。特にK氏は、毎回東京工業大学まで足を運んでくださっています。その努力に敬服です。 この4月からの東工大の多くの講義が対面になりました。大教室を埋めた学生諸君の姿を見るのは3年ぶりです。講義前には教室の前方から席が埋まっていくのですから、みんな熱心です。 開始 (300)連載300回に寄せて
(299)大学で学ぶ(下) 池上彰の大岡山通信 若者たちへ 4月25日 視野を広げ、発見をするきっかけづくりには読書が大きな力になります。大学の図書館を活用したり、書店を探訪したりして自分だけの本を探してみるとよいでしょう。今回は大学で学ぶことのヒントになりそうな新書を4冊紹介します。 まず「とがったリーダーを育てる」(中公新書ラクレ)です。私が授業を受け持つ東京工業大学のリベラルアーツ研究教育院の教員が執筆陣です。私のほか、前院長の上田紀行教授、未来の人類研究セン (299)大学で学ぶ(下)
(298)大学で学ぶ(上) 池上彰の大岡山通信 若者たちへ 4月18日 今春、東京工業大学で3年ぶりに対面授業に臨んでいます。教える側も受講生の反応を確かめられるので手応えがあります。今回と次回は「大学での学び」についてアドバイスします。進学を考える高校生にも参考になればと思います。 「大学ではどんなことを学んでおけばよいですか」。4月になると学生たちからよく投げかけられる質問です。特に新入生は「どのように、どれだけ学んだらよいのか」と疑問を抱くのは無理もないことで (298)大学で学ぶ(上)
(297)新社会人へのメッセージ 荒波は好機 考えで変わる 池上彰の大岡山通信 若者たちへ 3月28日 今回は特別編です。この春も多くの若者が社会に巣立っていくのでしょう。新型コロナウイルス禍を経験し、不安や悩みを抱いたはずです。そんな若者たちへ、人生の先輩から応援のメッセージを贈ります。 □ ■ □ いよいよ新年度。社会に出て行くことになりましたね。実に大変な時代に社会人になるのです。 あなたはこれまでコロナ禍で、十分な学生生活を送ることができなかったと思います。卒業式も質素なものになったのではな (297)新社会人へのメッセージ 荒波は好機 考えで変わる
(296)ウクライナ危機 歴史に学ぶ 池上彰の大岡山通信 若者たちへ 3月21日 ロシアによるウクライナ侵攻に対し、欧米各国が矢継ぎ早に制裁を打ち出し、軍事支援に乗り出しています。これは、過去の宥和策(ゆうわさく)が戦争につながったという苦い経験を教訓にしているからです。この事態をきっかけに改めて歴史を学んでみましょう。 欧米の政治家たちが想起しているのは、1938年の「ミュンヘン会談」です。 33年、アドルフ・ヒトラーがドイツで政権を掌握すると、38年、「ゲルマン民族の統合 (296)ウクライナ危機 歴史に学ぶ
(295)国際情勢の読み方 池上彰の大岡山通信 若者たちへ 2月28日 ウクライナとロシアをめぐる動向に世界が注目しています。いつも新聞の国際面に目を通す習慣をつけていれば、慌てることはないのですが、こんなときだからこそ、出来事の背景を知っておくことが必要です。 今回の事態は、地質学や生物学、地政学や国際関係論など多様な観点から学ぶことが可能です。たとえば、なぜロシアのプーチン大統領がウクライナに執心するのか。 ウクライナは「欧州のパン籠(かご)」あるいは「欧州の穀 (295)国際情勢の読み方
(294)仕事を選ぶには 池上彰の大岡山通信 若者たちへ 2月21日 大学で授業をしていると、学生たちの切実な声が聞こえてくることがあります。 「将来、やってみたい仕事が見つかりません」 「社会人になることをイメージできません」 自らの適性や仕事のやりがいを考え始めると迷うことばかりではないでしょうか。卒業したら誰もが歩む道であることはわかっていても、同じような悩みを抱く若者はたくさんいるはずです。無理もないことです。 それなら働いている人の話を聞いたり、どんな仕 (294)仕事を選ぶには