ドイツ、20年超かけ出生率浮上 人口と世界 12月16日 出生率の回復には、男女とも柔軟な働き方ができる環境作りが不可欠――。20世紀後半、出生率低下にあえいだ先進国は試行錯誤を経てこの解を導き出した。「男=仕事、女=家庭」とみなす伝統が根強いドイツも、夫婦が柔軟な働き方を選べる仕組みが出生率回復をもたらした。 ドイツは1990年代には出生率が一時1.2台まで低下し、隣国のフランスや北欧とは大きく差が付いた。2015年以降は1.5台に回復した。21年は ドイツ、20年超かけ出生率浮上
わたしの選択国別編 多様な家族認めるデンマーク 人口と世界 12月13日 家族の多様性を認める国は出生率も高いことが知られている。代表例が北欧のデンマークだ。家族の幅広いあり方を認め、それを支える自由と責任が国の制度として確立している。 経済協力開発機構(OECD)によると、デンマークで産まれた子供に占める婚外子の割合は2017年に54.2%と半数を超す。2.2%の日本とは大きな違いだ。 子供が生まれてから結婚したり、法律婚によらないパートナーシップを選択したりと、そ わたしの選択国別編 多様な家族認めるデンマーク
わたしの選択国別編 豪、出稼ぎ労働者の家族迎え入れ 人口と世界 12月8日 オーストラリアで働く配偶者からの送金額が予想より少ない。母国にいる家族とは電話で話さないのに、異性とパブで楽しんでいる写真がSNS(交流サイト)に投稿されている――。 移民労働者に詳しいオーストラリア国立大のマット・ウィターズ講師が周辺国からの移民労働者や支援団体に聞き取りをしたところ、出稼ぎ労働者の家族からこんな不満が聞こえてきた。 豪州は地方の労働者不足を補うためにバヌアツやトンガ、サモアと わたしの選択国別編 豪、出稼ぎ労働者の家族迎え入れ
専門家に聞く(下)男性の働き方改革、男女平等のカギに 人口と世界 12月1日 ――欧州では出生率が伸びている国とそうでない国があります。 「フランスや北欧諸国では第2次世界大戦以前から家族政策に関心が強く、男女平等にも積極的に取り組んできた。一方、比較的出生率の低いイタリアやスペインは有効な家族・ジェンダー政策が実行されてこなかった」 「経済状況も関係する。貧しい地域では伝統的な価値観から大家族が好まれる傾向があったが、今は裕福であるほど多くの子供をもつ傾向がある。イタリ 専門家に聞く(下)男性の働き方改革、男女平等のカギに
専門家に聞く(中)「母の罰」解消は経済発展にもプラス 人口と世界 11月30日 ――子を産んだ女性の所得が減る現象「母の罰(マザーフッド・ペナルティー)」が注目を浴びています。 「新型コロナウイルス禍の影響が大きい。学校や保育施設が一時閉鎖されたが、子の面倒をみるために退職したり勤務時間を減らしたりしたのは主に母親だった。母親に育児の負担が偏っているという家庭の実態が明らかになった。これは家庭や個人の問題ではなく社会の問題であり、公的な解決策で対処すべきだ」 ――休職や時短 専門家に聞く(中)「母の罰」解消は経済発展にもプラス
専門家に聞く(上)伝統的家族主義、低出生率の背景に 人口と世界 11月29日 世界で加速する人口減少の背景には、私たち一人ひとりの人生の選択がある。子供を産みやすい文化や働き方かどうか、移民を受け入れる制度が整っているかなど、社会のあり方が人生に与える影響は大きい。世界各国の取り組みを専門家に聞いた。 ――1960年代以降、欧米各国で婚外子の割合が増えました。 「法律婚ではないカップル、いわゆる同棲(どうせい)は、伝統的なキリスト教文化ではタブー視されていた。だが60~7 専門家に聞く(上)伝統的家族主義、低出生率の背景に
わたしの選択(4)育児支援も処遇も 出生率左右 人口と世界 11月25日 小売り世界最大手ウォルマートは今秋、最先端の不妊治療を受けられる新制度を導入した。最大2万ドル(約300万円)を助成し、体外受精などのサービスを利用できるようにし、従業員の出産を支援する。「従業員と家族にとって不妊治療の優先順位は高い」(キム・ルポ上級副社長) 最大300万円助成 2021年の米国の合計特殊出生率は1.66で、20年で2割下がった。背景には働く女性の晩婚化と出産の高齢化がある。出産 わたしの選択(4)育児支援も処遇も 出生率左右
わたしの選択(3)増える「一時滞在型」移民 人口と世界 11月24日 ワーキングホリデーを利用してオーストラリアに住む日本人男性ユキさん(31)は3~6カ月ごとに仕事を転々とする。8月末まで働いていた綿の精製・出荷作業は時給2700円ほどで月収は手取り70万~80万円。税込みで月20万円程度だった日本での公務員時代には考えられなかった収入だ。渡航2年半で貯金は1000万円を超えた。 永住型に警戒 家族や友人と過ごすため年明けに帰国し、春に世界一周の旅に出る計画だ。結 わたしの選択(3)増える「一時滞在型」移民
わたしの選択(2)出産で収入6割減「母の罰」 人口と世界 11月23日 米ニューヨーク市に住むシーラ・フェデルさん(40)は2016年、長男出産を機に大卒後に勤めた職場を辞め、専業主婦になった。18年には長女が産まれ、キャリアの空白はさらに延びた。 職場結婚した夫はこの間、順調にキャリアを積み重ねた。このほど長男が就学し、広告会社に再就職したが立場は契約社員だ。「また1から振り出しのように感じる」 日独は深刻に 子を産んだ女性の所得が減る現象を、社会学者は「母の罰(マ わたしの選択(2)出産で収入6割減「母の罰」
縮小ニッポン、私たちの本音 人口と世界 11月22日 日本はなぜ世界を大きく上回るペースで少子化が進んでいるのか――。日本経済新聞社が20~60代の男女1000人に実施したアンケート調査では、家計に余裕がないためと考える人が7割超に上った。若年層が将来の成長や安定を見込んだ上で、安心して結婚、出産、育児に取り組める環境づくりが課題となる。(1面参照) 「結婚はした方が良いと思うか」。人生を大きく左右する結婚について「そう思う」「少しそう思う」と考え 縮小ニッポン、私たちの本音