寺田宜弘さん 空襲警報のたび地下避難 フォーカス 2月2日 ロシアによる侵攻開始から1年近くたっても戦火の収まらないウクライナで、国立バレエの芸術監督を務めている。歴史ある同バレエ団のトップに日本人が就くのは初めてだ。 チェルノブイリ原発事故の翌年の1987年、11歳で旧ソ連の国費留学生としてウクライナの国立バレエ学校に入った。やがて国立バレエでソリストとして踊り、2010年代には学校の芸術監督になった。「その仕事を始めたのも、クリミア半島の混乱が始まっ 寺田宜弘さん 空襲警報のたび地下避難
神事努さん データで野球選手を丸裸に フォーカス 1月26日 野球をするには小ぶりな約100坪(約330平方メートル)の施設には、最先端の機材がひしめく。投球や打球の速度や回転量はもちろん、14台のカメラを使った選手の動作解析、体重移動の際の床反発なども数値化し、野球選手を丸裸にする。 昨年、野球などのデータ分析を手がけるネクストベース(東京・品川)が千葉県市川市に開いた「アスリートラボ」には高校生からプロまで、レベルアップを求める選手たちが足を運ぶ。 国 神事努さん データで野球選手を丸裸に
ミル・マスカラスさん 覆面の下に親日家の素顔 フォーカス 1月19日 旭日双光章を受章したメキシコの覆面レスラー、ミル・マスカラス(本名=アーロン・ロドリゲス・アレジャノ)さん(80)の叙勲伝達式がこのほど実現した。試合ごとにマスクを変えるパフォーマンスから「千の顔を持つ男」「仮面貴族」のニックネームで呼ばれ、日本のマットでも活躍。華麗な空中殺法でプロレスファンを魅了した。 メキシコシティにあるメキシコプロレスの本拠地「アレナ・メヒコ」。2022年11月、「生きる ミル・マスカラスさん 覆面の下に親日家の素顔
茨隆太郎さん デフリンピック もう一度頂点へ フォーカス 1月12日 聴覚障害者の国際的なスポーツイベント「デフリンピック」が2025年に東京で開催される。「デフスポーツの魅力を日本で広める絶好の機会がくる」と期待に胸を膨らませる。 生まれつき耳が聞こえず、体は丈夫であってほしいという母親の願いから3歳のときに水泳を習い始めた。才能に恵まれ、健常者のジュニア選手とともに競い合って東京都の東部地区の大会では常にベスト8に名を連ねた。 だが、実力があっても避けられない 茨隆太郎さん デフリンピック もう一度頂点へ
北川克郎さん 核廃絶へ「裏方」担う フォーカス 1月5日 広島市で5月に開催する主要7カ国首脳会議(G7サミット)の事務局長に就いた。これまで外交官として欧州畑を歩んできた職歴で、今回は「ロジ」担当としてウクライナへの侵攻に対峙する大舞台を支える。 「いわばサミットの『インフラ』をつくる仕事です」。外務省で「ロジ担」と呼ばれるこの仕事は世間が想起する「外交官」のイメージとはまるで異なる。事務局が取り組むのは会場や各国首脳らの宿泊施設、移動手段の整備など 北川克郎さん 核廃絶へ「裏方」担う
山中伸介さん 原発再稼働、審査に厳しい目 フォーカス 12月22日 9月に日本の原子力安全の「番人」である原子力規制委員会の委員長に就任した。原子力発電所の再稼働の審査や運転期間の見直しといった重要案件に厳しい目を光らせる。「原点は福島の事故。仕事について迷いは特段ない」と語る。 規制委は2011年の東京電力福島第1原発事故の教訓をもとに、原発を推進する経済産業省の影響を受けない独立した規制機関として設置された。 「あのような事故を二度と起こさない」という強い決 山中伸介さん 原発再稼働、審査に厳しい目
柴田裕さん 地球の異変、専門部署で対峙 フォーカス 12月15日 コーヒーの生産地が気候変動の影響で二十数年後には半減する――。そんな「コーヒーの2050年問題」は世界的な関心事だ。有数の消費国、日本の業界大手社長としても見過ごせない。自ら音頭を取り、持続可能な生産に取り組む専門部署を今春設立。自社農園で肌身に感じた地球の異変に対峙する。 4月に開設したのは「コーヒーの未来部」。気象の変化や病気に強い品種の発見・開発、産地の栽培支援、消費者への広報など5つの活 柴田裕さん 地球の異変、専門部署で対峙
松橋正明さん キャッシュレス時代のATM改革 フォーカス 12月8日 6月にセブン銀行の社長に就任した。金融機関のトップで高等専門学校出身の技術者は異例。「新しい発想で色々なものを組み合わせていくことにわくわくする」。開業当初からATM開発に携わっており、キャッシュレス決済の普及で逆風下にあるATM改革の指揮を執る。 北海道に生まれ、幼いころから好奇心旺盛だった。SFの世界に惹かれ、宇宙船をつくる夢を抱いてデザイン画を描き、想像を膨らませた。水彩画やプラモデルにも 松橋正明さん キャッシュレス時代のATM改革
柏木式子さん ジェンダー間の不平等に挑む フォーカス 12月1日 女性作家だけの作品を所蔵・展示する米首都ワシントンの美術館「NMWA(ニムワ)」日本委員会の共同代表として、2024年の国際グループ展への初出展に奔走する。 NMWAの正式名称は「National Museum of Women in the Arts」。美術品の収集家の夫婦が1981年に設立した民間非営利の美術館で、作品数は5500点以上。14年前から数年に一度、女性作家の発掘を目的に、米国内 柏木式子さん ジェンダー間の不平等に挑む
児嶋太一さん 鉄道並み料金で「人の流れ生む」 フォーカス 11月24日 地域航空会社フィールエアホールディングス(東京・中央)を個人事業として設立し、会長に就いた。既存の航空会社が手掛けない地方間に重点を置いた路線を結び、2024年4月に第1弾の就航を目指す。 48人乗りや70人乗りの低コストのプロペラ機を使い「鉄道並み料金で、より早く移動できるようにして新たな人の流れを生み出す」と意気込む。 11年に鳥取ガス(鳥取市)社長に就いた時は32歳。翌年、地域経済を支えて 児嶋太一さん 鉄道並み料金で「人の流れ生む」