膨れる高リスク資産 チャートは語る 4月11日 世界の金融市場で高リスク資産が膨張している。その一因に既存の金融規制の枠組みの外にある「影の銀行(シャドーバンク)」がカネあまりの中でリスクの高い取引を膨らませていることがある。米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとの取引で一部の大手金融機関が多額の損失を出したように、市場環境が変わればこうしたリスクが損失として顕在化する懸念も高まっている。 3月29日、米クルーズ船大手、ロイヤル・カ 膨れる高リスク資産
ワクチン輸出、中国席巻 チャートは語る 4月4日 新型コロナウイルスのワクチン不足が世界的に強まるなか、中国が輸出攻勢をかけている。中国製を承認・契約した国・地域は70に達した。国際往来再開を促す「ワクチンパスポート(総合2面きょうのことば)」でも中国は先手を打つ。自国の調達を最優先する先進国を尻目に、中国が外交・経済の両面で新興・途上国への影響力を一段と強める可能性がある。 中国政府の公式サイトや国連児童基金(ユニセフ)のデータなどをもとに中 ワクチン輸出、中国席巻
EV充電器、足踏み チャートは語る 3月28日 日本で電気自動車(EV)の充電インフラ整備が停滞している。充電器の設置場所は給油所数の6割まで増えたものの空白地も残る。政府は2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げるが、外出先で充電が尽きる不安が消費者に残る間は、脱炭素につながるEVの普及は期待しにくい。ノルウェーなど欧州では、手厚いEV普及策が充電拠点の増加を呼ぶ好循環が回り始めている。 EV充電器、足踏み
企業物価 世界で高く 強まるインフレ圧力 チャートは語る 3月21日 経済活動の「川中」にあたる企業間取引の価格の上昇が鮮明になってきた。主要国では昨年秋から1~4%上がった。原油や金属など資源の高騰で化学製品や鋼材が値上がりした。中国の経済回復や世界の輸送の停滞、米国の寒波も市況を押し上げる。新型コロナウイルス禍から需要が戻る過程で、消費者が買う最終製品への価格転嫁圧力が強まりそうだ。 日米欧などの企業物価指数や生産者物価指数をみると、昨年秋から今冬にかけての上 企業物価 世界で高く 強まるインフレ圧力
量子時代 米優位に陰り チャートは語る 3月14日 米国の政権が代わり、先端技術を巡る米中の覇権争いが新たな局面に入った。焦点の一つが中長期の産業競争力や安全保障を左右する量子技術(総合2面きょうのことば)だ。米国は幅広いテクノロジーで世界の先頭を走ってきたが、量子技術では優位とはいえない。バイデン政権にとっては日本との協調も重要になる。 量子時代 米優位に陰り
株や住宅価格 警戒水準 チャートは語る 3月7日 新型コロナウイルスの感染拡大から1年。経済危機を防ぐため、各国政府や中央銀行は未曽有の財政出動や金融緩和を続ける。実体経済の回復は遅れ、行き場を失ったマネーが様々な実物資産に流れ込んでいる。平時ではあり得ない、いびつな姿は過去のバブルを想起させる。 中国河北省で伝統薬の材料を商う宋佳文氏は牛の胆石、牛黄(ごおう)の高騰に驚いた。4年前は1キログラム十数万元だった仲買人の提示価格は、50万元(約8 株や住宅価格 警戒水準
移動制限 農業生産に影 チャートは語る 2月28日 新型コロナウイルス禍が農業の足かせとなり、食品価格の高騰を招いている。収穫などの人手は外国人労働者に多くを依存し、移動制限の影響が大きい。日米欧の農業従事者は2020年7~9月期に前年比5.4%減り、過去最大の落ち込みとなった。異常気象も重なり、国際的な食品価格は6年半ぶりの高値圏にある。貿易の自由化などで食品の輸入依存度が上がる世界的傾向もインフレ圧力の背景にある。 国連食糧農業機関(FAO) 移動制限 農業生産に影
たまる消費の反発力 チャートは語る 2月21日 ワクチン接種の進展で新型コロナウイルスの感染が収束傾向になれば、消費が一気に拡大するとの見方が強まっている。コロナ禍での厳しい行動制限を受けた消費の手控えで、主要国では家計貯蓄率(総合2面きょうのことば)が急上昇した。制限緩和と消費の関係をみると強い連動性がある。ワクチン接種の状況は国によりバラツキがあり、なお不透明感が強いが、需要が一気に増えることで一時的なインフレ懸念も出てきそうだ。 経済協 たまる消費の反発力
買い物時短、定番品優位 チャートは語る 2月14日 スーパーに並ぶ商品の種類が減っている。日経POS(販売時点情報管理)のデータによると、2020年に食品・日用品の7割の品目で商品数が減少した。新型コロナウイルス感染を警戒して、事前に決めたものを短時間で買って帰る傾向が広がり、定番商品が強さを発揮。小売店やメーカーは品ぞろえを絞った。強い看板商品の少ないメーカーが苦戦を強いられるなど、業界地図に異変が起きる可能性がある。 新型コロナの感染拡大で、 買い物時短、定番品優位
ミャンマー、脱中国暗雲 チャートは語る 2月7日 ミャンマーの軍事政変で、同国の脱中国依存に暗雲が漂っている。アウン・サン・スー・チー氏率いる民主政権で中国からの債務残高は約3割減った。米欧が制裁に動けば打撃は大きい。手詰まりの軍事政権は広域経済圏構想「一帯一路(総合2面きょうのことば)」で勢力圏を広げる中国に再び傾く可能性がある。 米国の世界的な影響力が弱まる中、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)への影響力を強めてきた。習近平(シー・ジン ミャンマー、脱中国暗雲