低成長で税収増の不思議 チャートは語る 5月28日 経済が成長すれば税収が増えるという連動が崩れている。日本の2020年度の税収はマイナス成長にもかかわらず60兆円強と過去最高で、22年度も70兆円を超すペースだ。本来は個人消費や企業業績が拡大すると税収が伸びる構図で、いびつともいえる。新型コロナウイルス禍からの回復途上なのになぜ税収が増えるのか。 税収は物価上昇などの影響を加味した名目国内総生産(GDP)に連動しやすいとされ、国際的にもその傾向 低成長で税収増の不思議
転職増加 賃金の天井突く チャートは語る 5月14日 転職(総合2面きょうのことば)が賃上げのけん引役になりつつある。中途採用の平均年収は2023年に約3%上がり、平均賃金上昇率の1.2%を上回った。国内の転職は給与が下がる「キャリアダウン型」が多かったが、22年は1割以上増えた人が過去最高の33%となり10年ほどで10ポイント高まった。賃上げを通じた経済の好循環を生み出すためにも人材の流動性を高めることが欠かせない。 「給料が上がった分、結果を出 転職増加 賃金の天井突く
東京の繁華街、戻らぬ光 コロナ前比1割減 チャートは語る 5月7日 東京の夜の明るさが戻らない。衛星データでみた2022年の光量は新型コロナウイルス禍前より1割少ない。パリやロンドンなどは既に復活している。コロナの影響にとどまらず、仕事の延長のつきあいが多かった日本の飲食文化のもろさも浮かぶ。観光客や家族連れでも安心して楽しめる街づくりなど新たな需要の開拓が課題になる。 米コロラド鉱山大学が米航空宇宙局(NASA)の衛星画像をもとに加工した直近22年4~10月の 東京の繁華街、戻らぬ光 コロナ前比1割減
農業再生 企業が耕す チャートは語る 4月30日 農業に企業型経営が浸透してきた。法人経営は3万2200社と5年で3割増え、国内で生産された農産物の販売額に占める割合も4割に達した。異業種の参入や大規模農家の企業への転換が進む。日本の農業は主要国で突出して高齢者の比率が高い。農業離れが進むなか、若い世代を取り込む受け皿になりつつある。 千葉県柏市の大規模農場。22棟のハウスが並び、イチゴの栽培棟では農薬を散布するロボットが動き回る。日射量や温度 農業再生 企業が耕す
訪日消費、地方の出番 チャートは語る 4月23日 インバウンド(訪日客、総合2面きょうのことば)消費で地方の伸びが鮮明だ。カード決済や携帯位置情報といったデータを分析すると温泉やゴルフ場が人気で、山形県や佐賀県などは新型コロナウイルス禍前を大きく上回る。アジアの富裕層を意識した誘致戦略が功を奏している。安定した成長軌道に乗るには、受け皿の宿泊業の人手不足などが壁になる。 3月下旬、山形県の銀山温泉は外国人客でにぎわっていた。インドネシアから家族 訪日消費、地方の出番
留学生「南」へ向かう チャートは語る 4月16日 新興国の大学に留学する学生が世界で急増している。かつては米英など先進国で学ぶのが一般的だったが、グローバルサウス(南半球を中心とする新興国・途上国)の台頭で、トルコやアルゼンチンなど、「南」に向かう流れが顕著だ。グローバル人材育成の裾野が広がっているが、日本は乗り遅れ気味だ。 トルコの大学で外国人留学生が増えている。2020年には、20年前の10倍となる18万人を受け入れた。アンカラ大で国際関係 留学生「南」へ向かう
データセンター、東京に集積 チャートは語る 4月9日 東京圏でデータセンター(総合2面きょうのことば)が急増している。施設規模は今後3~5年で倍に膨らんでシンガポールを抜き、アジア首位の北京に迫る見通しだ。デジタル化の加速で高まる需要が、経済安全保障の観点から中国を避ける流れにも乗って集まる。勢いを保つには、割高な電力コストを低減する構造改革も欠かせない。 グーグル、アマゾン・ドット・コム、NEC――。千葉県印西市には国内外のIT(情報技術)企業が データセンター、東京に集積
「影の金利」インフレ警告 量的緩和反映、米で2%弱 チャートは語る 4月2日 米連邦準備理事会(FRB)による金融政策のかじ取りが難しさを増している。インフレ抑制のために利上げを続ければ金融不安を強めかねず、バランスが問われる局面に入ってきた。総合的な引き締め度合いを試算した「影の金利」は政策金利で2%弱と実際の4.75~5%に比べて低く、インフレが再加速するリスクを警告している。 金融不安がFRBの政策にもたらす影響について市場関係者の意見が割れている。 「信用供与は減 「影の金利」インフレ警告 量的緩和反映、米で2%弱
日本の賃金「時給」は増加 チャートは語る 3月26日 日本は低成長が続き、賃金(総合2面きょうのことば)も伸び悩んできた。尺度を変えると違った姿も浮かぶ。賃金は時間あたりなら直近10年間で12%増えている。雇用形態の多様化や働き方改革で年間の労働時間が7%減ったのが大きい。時給上昇の3分の2が効率化による状況だ。この流ればかりでは経済が縮小均衡に陥る懸念がある。働き手の能力を高める取り組みや設備投資など肝心の付加価値の増大につながる取り組みも欠かせ 日本の賃金「時給」は増加
住宅難民、東京から隣県へ チャートは語る 3月19日 新型コロナウイルスの影響が弱まり、再び人口の東京圏への一極集中が強まっている。ただ、中核の東京都をみると、高騰する住宅コスト(総合2面きょうのことば)の影響で子育て世代を中心に周辺3県への転出超過が止まらない。周辺3県は住民誘致のために新築住宅を増やしており、空き家増加のリスクがある。高齢者や子育て世代など多世代が共生して住める街をつくり、人口を多層的に増やしていく知恵が問われている。 総務省の 住宅難民、東京から隣県へ