移民大流入 「聖域都市」の苦悩 グローバルウオッチ 5月24日 米ニューヨーク市に政情が不安定で経済不振の続く南米各国から難民や不法移民が殺到している。移民・難民の受け入れに寛容な「サンクチュアリ・シティー(聖域都市)」の代表格である同市には、1年足らずで6万5000人以上が押し寄せた。市内ではシェルターの逼迫が目立ち、地元住人からは受け入れに反対する声も聞かれる。 「ジャングルの中を歩いてやってきた」。ベネズエラ出身のミゲルさん(25)は妹のアレクサンドラ 移民大流入 「聖域都市」の苦悩
緊迫の南沙諸島へ観光ツアー グローバルウオッチ 5月17日 フィリピンで初めてとなる南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島を巡る観光ツアーが始まった。ダイビングや釣りが楽しめる観光資源を生かした魅力的な旅行プランで、フィリピンや当該地域の経済にとって欠かすことのできない観光振興策として期待されている。ただ同諸島は中国との間で領有権を巡って対立する領域としても知られ、緊迫した国際情勢の中での船出となる。 「一生に一度と言ってもいい経験でした」。3月に始ま 緊迫の南沙諸島へ観光ツアー
ハラル対応、日本食身近に グローバルウオッチ 5月10日 アラブ首長国連邦(UAE)をはじめとする中東諸国で日本食の人気が高まっている。比較的手ごろな価格帯で和食を提供する店舗が増え、和食や日本の食材が身近になっているためだ。日本食を販売する事業者のハラル対応への努力もあって、中東への日本からの食材の輸出は新型コロナウイルス禍の前に比べて6割以上増えている。 2月下旬、UAEの在ドバイ日本総領事公邸で日本の原木シイタケを拡販するための試食会が開かれた。 ハラル対応、日本食身近に
43人失踪 「国家犯罪」解明遠く グローバルウオッチ 4月26日 メキシコで2014年9月に学生43人が失踪した事件をめぐり、軍や警察関係者の逮捕が相次いでいる。麻薬組織と軍・警察が結託して学生らを殺害した疑惑があり、現政権が設立した真相解明委員会は事件を「国家犯罪」と認定した。だが証拠を握るとされる軍は調査協力に消極的だ。全容は事件から8年半がたっても明らかになっていない。 3月下旬、メキシコ南部ゲレロ州で9人の現役警官が逮捕された。同州で14年に起きた学生 43人失踪 「国家犯罪」解明遠く
日本人が創設した名門校 グローバルウオッチ 4月19日 中国・北京市の名門校として知られる陳経綸中学(日本の中学校・高校に相当)が日本の桜美林学園の創立者の日本人によって創立されてから100年余りを迎えた。戦後、関係が途絶えた時期もあったが、学びを社会に役立てる教育理念は日中で共有する。中国社会に多くの人材を輩出し、日本との草の根の交流を支えている。 「毎日、夜中まで頑張って働いた。子どもが陳経綸中学に入学する夢がかなった」。北京市で日本料理店を営む 日本人が創設した名門校
日本の規律性、教育に導入 グローバルウオッチ 4月12日 インドネシアで日本特有の規律性の高さに注目が集まっている。きっかけの一つは2022年11~12月にカタールで開かれたサッカーのワールドカップ(W杯)で日本代表の善戦ぶりがインドネシアでも注目される一方、代表メンバーやファンの規律正しい振る舞いがSNS(交流サイト)で話題を呼んだことだった。教育の現場で「日本式」を取り入れる動きが出ている。 W杯では強豪のドイツやスペインを破った底力もさることなが 日本の規律性、教育に導入
日英貿易の歴史を語る鎧兜 グローバルウオッチ 4月5日 1月に英国を訪問した岸田文雄首相は、スナク英首相から「日英貿易のシンボル」を紹介された。江戸時代に徳川秀忠が英国王ジェームズ1世に贈った日本の鎧兜(よろいかぶと)だ。過去にはインド製と誤解されたこともあったようだが、日本から欧州に送られた文化財の多くが紛失する中で現存するのは珍しい。 1月11日、スナク首相が首脳会談と日英の「円滑化協定」の署名場所として設定したのは、ロンドンにある世界遺産のロン 日英貿易の歴史を語る鎧兜
湿地帯、気候が迫る人口流出 グローバルウオッチ 3月29日 米国南部ルイジアナ州のニューオーリンズ。ジャズやカーニバルで知られるにぎやかな観光地から南へ車を1時間30分ほど走らせると、「バイユー」と呼ばれる沼のような川が入り組んだミシシッピ川のデルタ地帯にたどり着く。川に囲まれた無数の小さな島の中に、人けのない集落がひっそりと眠る。 気候変動が原因で住民が去った「イル・デ・ジャン・チャールズ」だ。細長い島に数十軒の廃屋が並ぶ。2022年にほとんどの住民が 湿地帯、気候が迫る人口流出
脱プラで「ウミガメ救え」 タイ グローバルウオッチ 3月22日 タイで脱プラスチックの機運が高まっている。2022年11月に野生のウミガメの死骸から大量のプラごみが見つかり国内に衝撃が広がった。政府はプラごみの海洋流出を27年に23年比で半減させる目標を打ち出した。灯籠を川や海に流す伝統行事「ロイクラトン」のあり方を見直す動きも出ている。 「こんなにも多くのプラごみが1頭のウミガメの体内から見つかったのです」。タイ中部チョンブリ県の海軍基地内にあるウミガメ保 脱プラで「ウミガメ救え」 タイ
共産党、豚肉価格との戦い グローバルウオッチ 3月15日 中国共産党が豚肉の価格コントロールに苦心している。中国にとって豚肉は日本の主食コメに近い存在。価格が急騰すれば庶民の懐を直撃し、下落すれば生産者の生活を脅かす。ロシアのウクライナ侵攻で飼料価格の高止まりも予想される中で、どうバランスをとろうとするのか。 「春節(旧正月)おめでとう。新年あけましておめでとう。(春節快楽、新年快楽!)」。2023年、1月21日の旧正月の大みそかの夜、中国内陸部の江西 共産党、豚肉価格との戦い