競泳、高すぎる派遣標準記録 スポーツの力 4月14日 東京五輪の代表選考会となる競泳の日本選手権が終わった。本当に厳しい戦いである。どんなに実績があっても、この大会の決勝レースで設定された派遣標準記録を破り、個人種目は2位までに入らなければ五輪への道は開けない。 選手にとって公平で、誰にも分かりやすい。総じて評判がいい方式なのだが、個人的には以前から文句を付けたいことがある。 国際水連(FINA)が設けた五輪の参加標準記録に比べ、日本の派遣標準記録 競泳、高すぎる派遣標準記録
女性活躍 米国法の知恵 スポーツの力 4月7日 スポーツ団体の女性理事を40%以上とする目標がしばしば話題に上るようになった。重要な課題ではあるが、スポーツ界に限らず、ピラミッドの上部の数値目標ばかりに目を向けると、本質的な問題を見失う恐れもある。 埼玉県の公立高校で体育教師をしている女性から手紙をいただいた。1980年代に彼女が教員となった頃から、現場は男性の体育教師5~7人に対して女性は1人というような状況で、それは最近になっても大きく変 女性活躍 米国法の知恵
君原氏、今も円谷氏と共に スポーツの力 3月31日 東京五輪に向けた聖火リレーが始まった。人気タレントなど著名人を起用するやり方には新型コロナウイルス禍で抵抗を感じるが、それでも紹介したいランナーもいる。3月27日に福島県須賀川市を走った1968年メキシコ五輪のマラソン銀メダリスト、君原健二氏(80)だ。 北九州市出身の君原氏が地元ではなく福島で走った理由は、須賀川市出身の64年東京五輪のマラソン銅メダリスト、円谷幸吉氏とのつながりがある。円谷氏 君原氏、今も円谷氏と共に
失態続きの原因はガバナンス スポーツの力 3月24日 トラブル続きの東京五輪・パラリンピックの組織委員会で、今度は開閉会式の演出責任者だった佐々木宏氏が女性出演者を侮辱するアイデアを提案した責任を取って辞任した。 佐々木氏のアイデア自体は批判されて当然。ただ、1年以上前に演出チーム内の意見交換の段階で出たもので、メンバーの反対によってすぐ撤回された。それが週刊誌報道で問題になった。昨年12月に佐々木氏が責任者になったことに反発する「内部告発」があっ 失態続きの原因はガバナンス
最後のびわ湖、好記録の理由 スポーツの力 3月17日 2月28日のびわ湖毎日マラソンで8年ぶりに自己ベストを更新した川内優輝(34、あいおいニッセイ同和損保)と話す機会があった。百戦錬磨のマラソン経験を持つ彼に、どうしても聞きたいことがあった。今年が最後となったびわ湖でなぜ、歴史的な記録ラッシュが起きたのか。 2時間4分56秒の日本記録を樹立した鈴木健吾(25、富士通)を含めて15人が2時間8分を切り、サブ10(2時間10分以内)は計42人。伝統の 最後のびわ湖、好記録の理由
現実的な「観客は国内限定」 スポーツの力 3月10日 東京五輪・パラリンピックは海外からの観客受け入れを断念する方向で開催を目指すことが固まったようだ。 3日にオンラインで行われた大会組織委員会、日本政府、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)のトップによる5者協議の後、丸川珠代五輪相は「(海外観客受け入れは)非常に厳しい状況を踏まえ、慎重に検討を進めるべきと申し入れた」と明かした。つまり「現状では受け入れは難 現実的な「観客は国内限定」
森氏の失言と日本の停滞 スポーツの力 3月3日 国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長(62)から以前、こんな嘆きを聞いたことがある。 FIG会長就任以来、競技普及のため体操が発展途上のアフリカ諸国などをしばしば訪れるようになったが、宿泊ホテルのテレビや冷蔵庫はサムスンかLG製ばかり。SONYの携帯電話を使っていたら、子どもたちがロゴを見て「ソノイは中国のメーカー、それとも韓国?」と聞かれた。「技術大国といわれた日本はどこにいってしまったのかと 森氏の失言と日本の停滞
「五輪の申し子」手腕に期待 スポーツの力 2月24日 東京五輪・パラリンピック組織委員会が橋本聖子新会長のもとでリスタートすることになった。不透明な新会長の選考経緯、特に政府の意向が露骨にうかがえることなどに問題はあるが、結果的には適任に落ち着いたと思っている。 通常なら五輪の顔に橋本氏ほどふさわしい人物はいない。1964年東京五輪の開幕5日前に生まれ、聖火から名前をもらった。幼い頃の病気を克服して冬と夏で計7回の五輪に出場。政治家に転身後もスポー 「五輪の申し子」手腕に期待
森会長後任選び 「共感」課題 スポーツの力 2月17日 森喜朗会長が女性蔑視の発言のために辞任を表明した東京五輪・パラリンピック組織委員会の後任選びが混迷を極めている。次期会長に推された川淵三郎氏の人事が白紙に戻ったドタバタ騒ぎでは、報道する側の責任も痛感している。 自分も反省しなければならない。11日に川淵氏が森氏からの会長就任の要請を受け入れることを明らかにした時、まるで疑問を持たなかった。84歳という年齢を別にすれば適任だと歓迎していた。 リー 森会長後任選び 「共感」課題
旧態依然 蔑視発言生む スポーツの力 2月10日 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の発言が、新型コロナウイルス下の大会をさらに窮地に追い込んでいる。もともと懐疑派が多数だった今夏の五輪への反感は高まる一方。海外からも厳しい批判にさらされ、開催にこぎつけても成功できるか危うい状況に陥りつつある。 女性蔑視と受けとれる森会長の発言があったのが、3日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会というのがまた情けない。五輪スポーツ各競 旧態依然 蔑視発言生む