
インド、高額紙幣が静かに流通停止電子決済の普及受け
インド準備銀行(中央銀行)が5月、同国で最も高額の2000ルピー(約3400円)紙幣の流通を停止させる方針を発表した。インドは2016年にも高額紙幣を突如廃止して国民生活に混乱を招いたが、今回は社会に大きな動揺は見られない。デジタル決済が広く浸透し、かつてに比べて現金取引の重要性が薄れている点も大きそうだ。 「取引であまり使われていない」。インド中銀は2000ルピー紙幣が当面は法定通貨として使え…
【ニューヨーク=清水石珠実】米メディア大手フォックス・コーポレーションの経営が揺らいでいる。2020年の米大統領選報道を巡る訴訟コストが膨らみ、「保守メディア」トップの座を揺るがす対抗勢力が台頭する気配もくすぶる。3月に92歳になった「メディア王」ルパート・マードック氏の経営力に対して不安論も出るが、後継も頼りなく正念場が続いている。 「(夫が)20年かかって築いたFOXニュースを、マードック家…
4年ぶりに開かれた国際海事展「バリシップ」参加企業へのインタビューで、船主の瀬野汽船(愛媛県今治市)の瀬野洋一郎社長は、約600人いる乗組員のうち、5年かけて半分程度を環境対応船に乗れるように育成するとの計画を説明した。 ――今回のバリシップでの講演などから、海運業界で脱炭素への関心が高まっていると感じます。50隻の船主である瀬野汽船としてはどう対応しますか。 「地球温暖化の対策として、海運業界…
生成AI(人工知能)の開発競争が活発化している。米オープンAIの「Chat(チャット)GPT」が登場して以降、基盤となる大規模言語モデル(LLM)を開発し、商機をとらえようとするスタートアップが相次ぐ。高度な対話能力で先行するチャットGPTに、日本の新興勢はどう挑むのか。日本の生成AIの競争力について、経営者や投資家などに展望を聞いた。(聞き手は山下美菜子) Spiral.AIの佐々木氏 「対話…
米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は6日までに、コスモエネルギーホールディングス(HD)が株主総会で決議する買収防衛策の発動について反対推奨した。ISSは必要だと判断するための説得力のある説明がなされていないことを理由に挙げた。 コスモHDは実質的な筆頭株主で村上世彰氏が関わる投資会社のシティインデックスイレブンス(東京・渋谷)などを念頭に、2…
「経常収支は5623億円の赤字となる見通し」「赤字組合は全体の8割」。健康保険組合連合会(健保連)が集計した健保組合の2023年度予算(早期集計)は厳しい数字が並ぶ。実質保険料率は健保組合の解散ラインといわれる10%を超える見通しだ。健保連はこの現状をどう見ているのか。三菱重工業の社長として同社の改革に辣腕を振るい、現在は同社会長を務める宮永俊一・健保連会長に話を聞いた。 ◇ ◇ ◇…
イタリアの家電大手デロンギの日本法人デロンギ・ジャパン(東京・千代田)は、カプチーノなどミルク泡をアイスで抽出できる全自動コーヒーマシンを発売した。新型コロナウイルス下で自宅でコーヒーマシンを使う習慣が定着し、好みに合わせたアイスメニューや外出用メニューに対応し高級機の普及を目指す。 新製品「デロンギ エレッタエクスプロア」では冷たいフォームミルクやスチームミルクを作れる機能「ラテクレマクール」…
ルイ・ヴィトンが浜松から消える――。JR浜松駅(浜松市)前にある遠鉄百貨店の顧客に今春、衝撃が走った。複数の高級ブランドが入居する1階で、開業以来約35年営業していた「ルイ・ヴィトン浜松遠鉄店」が9月に撤退することを決めたからだ。 遠鉄百貨店やルイ・ヴィトンジャパン(東京・中央)は理由を明らかにしないが、人口減が続く浜松市の衰退を象徴する出来事と言える。長年利用していた夫婦は「この店舗で購入した…
保険会社の人材が事業会社に転身し、リスク管理を担い始めた。印刷インキ最大手のDICでは保険に頼らずに自作マニュアルで工場の事故を減らすなど、知見を生かしている。米中対立やサイバー攻撃といった企業を取り巻くリスクが複雑になり、同様の動きが広がりそうだ。 DICで2023年1月、役員の諮問機関として「リスクマネジメント部会」が発足した。1年間に5〜6回開いてトップダウン、ボトムアップの双方から事業を…
関東が地盤の住宅会社、ケイアイスター不動産が全国でシェアを拡大している。住宅価格の高騰でマイホームに手が届きにくくなった中間層を対象に相場より安い価格設定で集客力を高めている。地方の住宅会社のM&A(合併・買収)も進め、今後1年で戸建て住宅の販売店舗数を12%増の200店まで増やす。今後の成長戦略について塙圭二社長(56)に聞いた。 ――2023年3月期の販売棟数は前の期比31%増の71…
三菱重工業は生ごみとプラスチックなどが混ざる「不均質」なごみを効率良く分別できる専用機械を開発した。生ごみ由来のメタンガスの発生量を3割高められる。専用機を組み込んだごみ処理システムを2023年度に事業化する。食品廃棄物の有効活用につながるほか、原料調達に課題があるバイオマス発電の利用拡大にも寄与しそうだ。 同社は生ごみとプラスチックや金属片などが混在したごみを一定の温度と圧力で処理する反応器を…