選挙当日の投票、駅や店で 投票率アップへ法改正

2016/4/7 18:00
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投票する有権者(2013年の参院選、東京都中央区)

投票する有権者(2013年の参院選、東京都中央区)

今夏の参院選から投票日に駅やショッピングセンター(SC)など人が集まる場所での投票が可能になる改正公職選挙法が成立した。投票所への子どもの同伴も認められ、自治体は期日前投票の時間を自由に延長できるようになる。低下傾向が続く投票率の底上げ効果が注目される。

■期日前投票の時間も延長

国政選挙や地方選挙の当日、同じ市区町村内の駅や大型店などで投票できるようにする改正公職選挙法が6日午前の参院本会議で、自民、公明、民進各党などの賛成多数で可決、成立した。
7月の参院選から適用し、投票率の底上げにつなげる。
駅構内や大型ショッピングセンター(SC)などに設置するのは「共通投票所」と呼ばれ、同じ市区町村内の有権者ならだれでも投票できる。

駅・大型店で投票、当日も 改正公選法が成立(4月6日)

公選法改正案を賛成多数で可決した参院政治倫理・選挙制度特別委員会=1日午前

公選法改正案を賛成多数で可決した参院政治倫理・選挙制度特別委員会=1日午前

これまで投票日には、住所によって定められた「投票区」ごとに1カ所ずつ、公民館や小学校に設置された投票所でしか投票できなかった。二重投票を防ぐためだ。
期日前投票所では二重投票を防ぐため、市区町村内の投票所をLAN(構内情報通信網)でつなぎ、誰が投票を済ませたかリアルタイムで確認できるようにしている。
新たにつくる投票日当日の共通投票所でも、期日前投票の仕組みを使い二重投票を防ぐ。

当日の投票も駅や大型店で 法改正案、投票率向上へ参院選から(1月24日)

街中に投票所を置く取り組みは、2003年に期日前投票に限って始まった。
積極的に受け入れてきたのは流通大手のショッピングセンターだ。14年の前回衆院選では全国で44カ所まで増えた。
「ついでに買い物もしてくれればメリットはある」(イオンリテール広報)と企業側も相乗効果を期待する。

投票率アップへ街ぐるみ 駅や店でも投票可能に(4月7日)

自治体が期日前投票所を設置できる時間も延長する。これまでは午前8時半から午後8時までだった。前後2時間広げ、この範囲内で各自治体の裁量で投票時間を自由に設定できるようになる。
通勤客向けに駅の改札付近につくる投票所を早朝や夜だけ開くなどの対応も考えられる。

投票率アップへ街ぐるみ 駅や店でも投票可能に(4月7日)

期日前投票で投票用紙に記入する有権者(2014年12月、大阪市淀川区)

期日前投票で投票用紙に記入する有権者(2014年12月、大阪市淀川区)

■子ども同伴も解禁

投票所内への子どもの同伴も全面的に解禁する。これまでは投票の秘密を守る観点などから、幼児や、やむを得ない事情がある場合のみ許可していたが、参院選からは18歳未満の子どもを無条件で同伴できるようになる。
投票率が低迷している若い子育て世代が投票しやすくするほか、子どもが選挙に触れる機会をつくって有権者教育につなげる意図もある。
府提出の改正公選法とは別に、議員立法で提出した改正公選法も同日の参院本会議で成立した。(1)船舶上の船員による洋上投票の要件緩和(2)聴覚障害者に候補者の発言を伝える「要約筆記者」への報酬支払い解禁――の2点が柱になる。

駅・大型店で投票、当日も 改正公選法が成立(4月6日)

背景には深刻な投票率の低迷がある。衆院選の投票率は14年に52.66%(小選挙区)と過去最低を更新。1980年代までは70%前後で推移していた。
参院選では13年が52.61%と10年選挙に比べ約5ポイント低下した。

投票率アップへ街ぐるみ 駅や店でも投票可能に(4月7日)

14年衆院選の投票率は52.66%(小選挙区)と過去最低だった。なかでも20代は32.58%と各年代で最も低い。

当日の投票も駅や大型店で 法改正案、投票率向上へ参院選から(1月24日)

■投票しやすい環境づくりを

ただ、投票所の設置や時間延長は自治体の負担増につながり、むしろ過疎地を中心に繰り上げ終了も増えている。

投票しやすい環境づくりは民主主義の土台である。
1995年の参院選の投票率が国政選で最低の44.52%に落ち込んだことから、98年に投票終了時間を午後6時から8時に遅らせた。ところが、近年は6時で繰り上げ終了する地方自治体が急増している。

投票しやすい環境づくりを(2月22日)

2014年12月14日投開票の衆院選では全国の投票所の35%が実施。終了時間が原則午後8時に延長された1998年以降、国政選挙では最も高い水準だ。
夜間の投票者の少なさや開票作業のスピードアップ、経費削減など理由は様々だが、「有権者の投票権を制約しかねない」とむやみな繰り上げを懸念する声もある。
群馬県選管の担当者は「今のところ有権者からの苦情はなく、地域によって事情は違うので……」と悩ましげだ。

投票終了繰り上げ続々 「権利制約」懸念の声も(2014年12月13日)

投票所の設営をする職員(2014年12月、東京都内)

投票所の設営をする職員(2014年12月、東京都内)

今夏の参院選からは18歳以上の若者も投票ができるようになる。今年初めには、直前に進学や就職で転居する人たちに配慮した改正公選法が成立している。

選挙権年齢の18歳以上への引き下げに伴い、新たな有権者が選挙直前に転居しても投票できるようにする改正公職選挙法が1月28日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。
法改正によりすべての18歳以上が投票権を行使できる環境が整う。
18歳や19歳の新たな有権者が選挙直前に転居した場合、引っ越し前の旧住所での投票を認める。
3カ月以上居住しないと自治体の選挙人名簿に登録されないため、旧住所地の名簿に登録がない新たな有権者が新旧どちらの住所でも投票できないことが問題視されていた。

転居前住所で投票可能、18歳選挙権に伴い 改正公選法成立(1月29日)

政治・経済の授業で模擬投票を体験する高校3年生(2015年5月、松山市の聖カタリナ女子高校)

政治・経済の授業で模擬投票を体験する高校3年生(2015年5月、松山市の聖カタリナ女子高校)

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