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認知症、家族の責任認めず JR事故で最高裁

徘徊(はいかい)中に電車にはねられ死亡した認知症の男性(当時91)の家族にJR東海が損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が1日、あった。最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は妻に賠償を命じた二審判決を破棄し、家族の責任を認めない判決を言い渡した。

「監督できない状況」

民法は責任能力のない人が与えた損害は「監督義務者」が賠償責任を負うと規定。
同小法廷は監督義務について「生活状況や介護の実態などから総合的に判断すべきだ」との初判断を示し、「男性の家族は監督可能な状況になかった」とした。在宅介護の現場への影響を抑えた格好だが、状況によっては責任を問われる場合もありそうだ。
JR認知症事故 家族の責任認めず 「監督できぬ状況」最高裁判決(3月2日)

「総合判断」、基準提示

在宅介護の実情に配慮した形だが、状況によっては責任を負う可能性もある。
では、どのような場合に義務を負うことになるのか。最高裁は(1)本人との関係(2)同居の有無や日常的な接触(3)財産管理へのかかわり方――などを総合考慮し、「責任を問うのが相当といえる客観的状況が認められるか」を基準とすべきだとした。最高裁がこうした判断を示したのは初めてだ。
家族の責任、総合判断 認知症事故で最高裁判決 介護の実情に配慮 線引き不明確、不安も残す(3月2日)

認知症は増加傾向

厚生労働省によると、認知症の高齢者は2012年に約460万人だったが、25年には700万人に達すると推計され、65歳以上の5人に1人にあたる。慶応大学の推計では、医療や介護で社会全体が負担するコストは14兆5千億円(14年)に上り、60年には24兆3千億円に達するという。
(きょうのことば)認知症 9年後、65歳以上の5人に1人(3月2日)

認知症徘徊、社会で見守り

防犯カメラを使った所在地の把握、ラジオ放送での情報発信……。行方が分からなくなった認知症の人を早く見つけ出そうと、地域では見守り活動が広がっている。
兵庫県伊丹市は年内に、認知症の高齢者の居場所を自動的に家族に発信する全国でも珍しい取り組みを始める。市内1千カ所に無線受信機付きの防犯カメラを設置。小型発信器を身に付けた高齢者らが近くを通ると、その場所や時間などがスマートフォン(スマホ)の専用アプリを通じて家族に伝わる仕組みだ。
セブン―イレブン・ジャパンは認知症の高齢者を地域で見守るため、長野県などと協定を結んだ。深夜に1人で歩いているなど認知症の疑いがある人に従業員が気づいた場合、自治体の窓口に通報する。
認知症徘徊、社会で見守り 伊丹市、家族に居場所発信/沖縄市、ラジオで情報提供(3月2日)

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