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北朝鮮を止められるか 国連が制裁決議

(更新)

国連安全保障理事会は2日、核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮に対する制裁決議を全会一致で採択した。安保理はこれまで何度も制裁を決議してきたが、北朝鮮の核・ミサイル開発は止まらなかった。今回の決議は狙い通りの効果を発揮するのだろうか。

ヒト・モノ・カネを遮断

今回の安保理での決議は米国主導で作成し、53カ国が共同提案した。北朝鮮に出入りするすべての貨物の検査義務化、航空機燃料の供給禁止などに加え、鉱物資源の輸入制限など北朝鮮の外貨獲得手段を遮断する「前例がないほど強力な内容になった」(米国のパワー国連大使)。
対北朝鮮、米欧が独自制裁 安保理の決議受け(3月3日)
資金・物資両面にわたる多彩なメニューのうち、北朝鮮専門家の注目を集めるのは(1)生活目的を除く北朝鮮産の鉱物資源の輸入禁止(2)北朝鮮に出入りする全ての貨物の検査義務付け(3)航空機燃料の供給禁止――などだ。
石炭や鉄鉱石などの鉱物は北朝鮮の主要輸出品で、石炭だけで年10億ドル(約1100億円)を稼ぎ出している。全面的に停止した場合、経済成長率が4%程度低下するとの試算がある。鉱物輸出を手掛ける企業は軍や労働党とつながっているとされ、軍事面の資金運営への影響は確実だ。
北朝鮮制裁、党・軍に照準 米が安保理提出(2月27日)
中国、北朝鮮の石炭 輸入停止 核開発を抑制(3月2日)

日米韓、独自の制裁「上乗せ」

米国では2月18日、北朝鮮への独自制裁法が成立している。

米国は独自制裁の対象を北朝鮮の政府関係者や企業に限らず、北朝鮮による核・ミサイル開発や資金洗浄、サイバー攻撃などに関わった第三国の企業に広げた。
米金融機関との米ドル建ての取引を禁じ、北朝鮮の核・ミサイル開発につながる資金の遮断を狙う。

日本も独自制裁で米国と足並みをそろえた。

政府は2月19日の臨時閣議で10日発表した独自制裁策を決定し、制裁措置を実施段階に移行させた。北朝鮮に寄港した第三国船舶の日本への入港を禁止したほか、資産凍結の対象も新たに1団体と10人を増やし、計40団体・29人とした。
韓国政府も2月10日、南北協力事業で唯一残っていた南北境界に近い北側の開城(ケソン)工業団地の稼働中断を決めた。15年の韓国と北朝鮮の南北交易(貿易)額は約27億ドル。ほとんどが開城工業団地関連で、北朝鮮には痛手だ。
対北朝鮮、資金を遮断 米の独自制裁法成立(2月20日)

繰り返された決議、効果は……

北朝鮮への制裁決議は2006年、09年、13年にも出されたが、結局は核・ミサイル開発を阻止できなかった。今回の決議を控えた2月29日に明らかになった国連安保理の北朝鮮制裁委員会の報告書は、これまでの制裁の「効果に深刻な疑問が生じている」と述べている。

報告書は「北朝鮮は国際金融システムや航空・海運網を利用し、禁輸品を取引し続けている」と断定した。外交官や一部友好国との長期にわたる貿易関係を通じて制裁を逃れているという。
また、北朝鮮の船舶が外国の旗や別名を掲げて海外の港に入港している実態も明かした。
北朝鮮への制裁「効果に深刻な疑問」 安保理が報告書(3月1日)

中国の出方がカギに

北朝鮮の最大の貿易相手である中国は1日、石炭を含む北朝鮮産の鉱物資源の輸入禁止に着手したとされる。制裁決議を先取りした形だ。これがこのまま続くのか、国際社会が注目している。

制裁の実効性を高めるうえでカギをにぎるのは中国の動きだ。北朝鮮は貿易額の9割を中国に依存しているとされる。中国がすべての貨物を検査すれば北朝鮮への打撃は計り知れないが、制裁を履行するには中国も検査体制の整備などを迫られる。中国がどこまで真剣に制裁を実行するかは不透明な部分もある。
制裁の実効性、中国がカギ(3月3日)

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