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ジカ熱、WHOが緊急事態宣言

中南米で「ジカ熱」の感染が広がり、世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言した。症状はそれほど重くはならないが、妊婦が感染すると新生児の脳が十分発達しない「小頭症」の原因になる疑いがあるためだ。通常は人から人へは感染しないとされるが、感染者が移動した先でも蚊を媒介として広がる可能性があり、各国に素早い対策を促す。日本では蚊は冬に活動しないので、今国内で感染する可能性は限りなく低い。ただ、2014年に同じく蚊が媒介するデング熱の患者が発生した例もある。海外旅行にも注意が必要で、塩崎恭久厚労相は「妊婦の方は流行地への渡航をできるだけ控えてほしい」としている。

ウイルス運ぶのは「蚊」

ジカ熱はジカウイルスを持った蚊に刺されると感染する。2~7日後に発熱や筋肉痛など軽い風邪のような症状が表れるが、数日から1週間で治る。8割の人は発症しないともいわれる。
感染者をネッタイシマカやヒトスジシマカが吸血し、別の人を刺して感染が広がるとされる。
ジカ熱、エボラを教訓に WHOが緊急事態宣言で先手(2月2日)

中南米で拡大

感染者はブラジルを中心に中南米で急速に増えている。WHOによると感染を確認した国・地域は25にのぼる。
WHO、ジカ熱で緊急事態宣言 小頭症との関連重視(2月2日)
各地からの報道によると欧米ではフランスで5人、ポルトガルでも5人の感染者が確認された。いずれも中南米への旅行中に感染したとされる。デンマークや英国、米国、カナダでも感染確認が伝えられている。
WHOの担当者は1月28日に中南米で感染者が「300万~400万人にのぼると予想する」と発言した。
ジカ熱拡大、警戒強まる WHO「最大400万人感染も」(1月29日)

人から人には感染しないとされてきたジカ熱だが、輸血や性交渉による感染の可能性を示す報告も出ている。

米テキサス州ダラス郡の衛生当局は2月2日、ジカ熱について「今年に入り、郡内で性交渉による人から人への感染があったことを確認した」と発表した。
ジカ熱、性交渉で感染 米で初確認(2月3日)

まだ、よく分からないところもあるジカ熱。とはいえ流行を食い止めるには、蚊の駆除が有効なのは確かだ。中南米諸国はそれぞれ対策を打ち出している。

リオ五輪控え ブラジルも蚊を駆除

リオデジャネイロ五輪の組織委員会は2月2日、記者会見し、リオ市のダニエウ・ソランス保健局長がブラジルなど中南米で拡大し世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言したジカ熱について「五輪開催時の冬場は(ジカ熱を媒介する)蚊が繁殖しにくい。それまでに地道な駆除作業も続ける」と、五輪には影響しないとの考えを示した。
ジカ熱拡大、リオ五輪へ「地道に駆除」 リオ市保健局長(2月3日)

日本も水際対策

日本政府は2月2日、関係省庁による会議を開き、水際対策で連携していくことを確認した。

厚労省は国内に感染者がいないかどうかを把握するため、ジカ熱を感染症法の「4類感染症」に近く指定する。指定により、感染患者だと診断した医療機関に保健所を通じて国への届け出を義務付ける。4類感染症にはマラリアやデング熱などが指定されている。
空港や港湾での水際対策も強化する。国際線が運航している空港や港湾の15の検疫所へ新たにジカ熱のウイルスの検査キットを配備する。
日本、ジカ熱の水際対策急ぐ 空港・港で検査(2月2日)

原因の蚊、デング熱と同じ

亜熱帯や熱帯地方で流行し、同じく蚊が媒介する病気といえば、デング熱が記憶に新しい。2014年8月、69年ぶりに日本で国内感染が確認され、150人近い患者が発生した。

デングウイルスを媒介する蚊はネッタイシマカやヒトスジシマカという種類の蚊だ。ネッタイシマカは日本には生息していないが、ヒトスジシマカは秋田県および岩手県以南に分布している。
感染症リスク、日本高まる? 温暖化で蚊の生息域北上(2014年9月12日)

日本では蚊は冬に死ぬので、デング熱は終息した。仮にジカ熱が入ってきたとしても、日本に定着してしまう可能性は低いはず。ただ、地球温暖化が進むにつれ、蚊が活動する「感染リスク地域」がより寒い地域へと広がる可能性もある。耳慣れない病気にあわてないよう正しい知識を持っておきたいところだ。

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