2019年1月18日(金)

ジャカルタで連続テロ 「イスラム国」、アジアも標的に?

2016/1/15 18:00
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インドネシアの首都ジャカルタの中心部で14日、爆発や銃撃が発生し、実行犯5人を含む7人が死亡した。12日にトルコのイスタンブールで自爆テロ事件が起きたばかり。過激派組織「イスラム国(IS)」に関係するテロのターゲットが、アジアにまで広がったのか。

ロイター通信によるとISは「インドネシアのISの戦士たちが爆弾攻撃を仕掛けた」と主張した。

現場は日本大使館やオフィスビルが並ぶ目抜き通り。米系飲食店スターバックスで1人が自爆を実行し、店外で別の2人が外国人を狙って銃撃した。通りの中央分離帯にある警官詰め所でも、自爆攻撃があり、銃撃戦になった。

スターバックスがあるビルの4階には、日本企業・在留邦人の協力組織が入居しており、事件当時、20~30人の幼稚園児が読み聞かせのイベントのため訪問していた。爆発音を受けて事務所員が園児らを避難させた。

ジャカルタで連続テロ 「イスラム国」犯行声明、30人超死傷(1月15日)

小中学生約1200人が通う「ジャカルタ日本人学校」は14日午前11時すぎ、日本大使館の連絡で爆発を把握し、メールや電話で保護者に子供の無事を知らせた。放課後の部活動は中止し、下校のスクールバスには日本人教諭が付き添った。

ジャカルタに駐在する会社員の男性(50)は「現場のショッピングモールは日本人も買い物に訪れるなじみ深い場所。とにかく驚いた」と語る。

邦人社会にも衝撃「新たな爆発心配」(1月15日)

■イスラム教徒、世界最多の2億人

警察当局は15日までに過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘員としてシリアに渡ったインドネシア人の男が計画に関与した可能性があるとの見方を示した。

ジャカルタ州警察のティト長官は、犯行に関与したとみられるIS関係組織の背後に、シリア在住とされるIS戦闘員バルン・ナイム元受刑者の存在を指摘。「今回の攻撃を計画した」とみる。

シリア渡航の男が関与か ジャカルタテロ、当局が見方(1月15日)

インドネシアには約2億人のイスラム教徒が暮らし、世界最多のイスラム教徒人口を抱える。

大半は穏健なイスラム教徒で、インドネシア政府はイスラム教を国教とは定めず、キリスト教など他宗教にも寛容な姿勢を貫いている。

(きょうのことば)インドネシアのイスラム過激派 2000年代に相次ぎテロ(1月15日)

インドネシアでは2009年以降は大規模なテロが封じ込められてきた。

ジョコ政権に打撃 インドネシアでテロ(1月15日)

なぜ、同国が狙われたのか。

イスラム過激派が、世界最多のイスラム信者を抱える国でテロを引き起こし、存在を誇示しようとしていた可能性はある。

今回の事件との関連は不明だが、警察当局は過激派組織「イスラム国」(IS)から「インドネシアにスポットライトを当てる」との警告を受けていたという。他の宗教にも寛容な穏健主義や世俗主義をISは敵視している。

(Q&A)インドネシア、なぜ標的に 穏健・世俗国家を敵視(1月15日)

■過激派の活動、各国に広がる

フィリピン南部の過激派組織アブサヤフは外国人を誘拐し、ビデオを使い身代金を要求する手法を繰り返している。

中国ではウイグル族が多く住む新疆ウイグル自治区で独立を主張する過激派組織が警察署を襲撃したり、バスを爆破したりするなどのテロを実行している。

インドでは14年、国際テロ組織アルカイダが支部設立を宣言した。

「イスラム国」の影、アジアにも 過激思想が流入(1月15日)

インドネシアでは昨年末に同時多発的なテロ計画が発覚。周辺各国も警戒を強めていた。

当局は12月18~20日に首都ジャカルタがあるジャワ島の6カ所で、ISや東南アジアのイスラム過激組織ジェマ・イスラミア(JI)を支持するテロ容疑者9人を拘束したばかり。

年末年始を狙ったテロの脅威がなお残るとし、国内で15万人の部隊を配備して警戒にあたっている。

マレーシア当局もIS関係者の取り締まりを強化している。地元メディアによると12月初めまでの2週間ほどで外国人を含む5人を逮捕した。

東南ア、年末年始テロ警戒 インドネシアは15万人部隊配備(2015年12月28日)

社員を出張させる日本企業は事前の備えが必要になる。

日本企業は米国の企業など比べ、危機が発生した後になって出張に慎重になる傾向が強い。

テロ対策という点では、日ごろのメディアなどからの情報収集体制の整備、緊急事態を避けるための行動パターンの習得、連絡網の整備といった事前の対策がカギを握る。

海外でテロに遭わない準備を(2015年12月24日)

■日本国内でも警戒強める

野球国際大会「プレミア12」でも球場の警備が強化された(2015年11月21日、東京ドーム)

野球国際大会「プレミア12」でも球場の警備が強化された(2015年11月21日、東京ドーム)

日本も標的だ――。パリ同時テロの犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」(IS)は宣言する。同時テロ後、日本であった野球国際大会で、警視庁は球場周辺の警備を2倍にした。

日本国内でテロの芽をどう摘み取るのか。警察庁は(1)銃など武器の取り締まり(2)テロリスト入国を阻止する水際対策(3)爆発物の原材料の管理強化――の3つの徹底を挙げる。

(迫真)パリ同時テロの波紋 「日本も標的だ」(2015年11月28日)

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