2019年2月18日(月)

東芝改革へ「家電」に大ナタ  計1万人削減へ

2015/12/21 20:00
保存
共有
印刷
その他

記者会見する東芝の室町社長(21日午後、東京都港区)

記者会見する東芝の室町社長(21日午後、東京都港区)

東芝がついに改革の「本丸」部門に大ナタを振るう。21日、テレビ・白物家電などのライフスタイル部問で約6800人を合理化すると発表した。他部門を含め約1万人の削減となる。不振部門の合理化にメドをつけて、来期以降の全社のV字回復につなげる。

■「家電」部門で6800人合理化

東芝は21日、テレビや白物家電などで構成するライフスタイル部門で約6800人の合理化を実施する構造改革策を発表した。

2015年3月末時点で約2万4千人いる同部門の人員を早期退職や社内での配置転換、社外への移籍などで整理する。

国内外の拠点再編では、テレビやパソコンの開発拠点がある青梅事業所(東京都青梅市)を閉鎖し、不動産を売却する方針。

■パソコン事業は子会社に一部移管

東芝は21日、パソコン事業の一部を分割し、100%子会社の東芝情報機器に移管すると発表した。

分割の対象は社内カンパニーのパーソナル&クライアントソリューション社で、パソコンやタブレット、法人向けソリューション商品の開発・製造・販売を手掛けている。

■インドネシアの家電工場売却で合意

綱川智副社長は21日開いた記者会見で、インドネシアにあるテレビと洗濯機工場を中国家電大手の創維集団(スカイワース)に売却することで合意したことを明らかにした。

テレビ、パソコン、白物家電からなるライフスタイル部門は、収益力の衰えが最も激しい事業のひとつだ。

会計不祥事の期間を含む09年3月期~15年3月期に、固定資産の価値を強制的に切り下げる減損処理と事業撤退で合計850億円の損失を計上。固定費を大幅に減らしてきたが、売り上げが低迷し苦戦続きだ。

部門赤字は14年3月期の546億円から15年3月期は1097億円に膨らみ今上期も425億円に上った。同部門の不振が響き16年3月期の連結営業損益は2000億円を上回る赤字(前期は1704億円の黒字)になりそうだ。

コーポレート部門でも再配置や配転で1000人を別途整理する。

すでに発表している半導体部門を含め、人員削減規模は約1万人となる。

■まず10月に半導体部門改革を発表

東芝は10月28日、スマートフォン(スマホ)などに使う画像用半導体の生産設備をソニーに売却すると正式発表した。

リストラはシステムLSI(大規模集積回路)と単機能半導体(ディスクリート)の赤字2事業が対象だ。

システムLSIでは大分工場の「CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサー」の生産設備を2015年度中にソニーに売却する。大分工場は子会社の岩手東芝エレクトロニクス(岩手県北上市)と16年4月に統合する。

ディスクリートでは子会社の加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)の白色発光ダイオード(LED)生産を15年度末にやめる。

一連のリストラでソニーに最大1100人の技術系社員が転籍する。

■16年3月期、5500億円の最終赤字見通し

(21日に)16年3月期の連結業績見通しも発表した。リストラ費用の計上などが響き、最終損益は5500億円の赤字(前期は378億円の赤字)とした。赤字額は東芝で過去最大となる。

営業損益も3400億円の赤字(前期は1704億円の黒字)となりそうだ。

■室町社長「痛み伴うが断行」

東芝の室町正志社長は21日、早期退職や配置転換を含め、2016年3月期中に合計で約1万人の人員削減を実施することについて「痛みを伴うが、今このタイミングで断行する必要があると判断した」と強調した。

来年からのV字回復が最大の責務だ」と述べた。

医療機器などを手掛けるヘルスケア事業について「外部資本を入れることで成長を遂げたい」と言及した。

■家電、「止血」後の成長シナリオ描けるか

不振事業で思い切った損失を計上してコスト構造を見直し、翌期からの業績改善につなげるのは、日立製作所やパナソニック、ソニーといった大手電機のリストラでも見られた手法だ。

ただ東芝がライフスタイル部門で扱う消費者向けの製品は景気の影響を受けやすいうえ、圧倒的な量と低価格で攻めてくるアジア勢との競争が激しく利益が出にくい分野だ。「止血」に成功した後の成長シナリオを描くのは簡単ではない。

■担当の監査法人、行政処分へ

東芝の会計不祥事を巡り金融庁は18日、会計監査を担当した新日本監査法人に行政処分として新規営業などの業務停止を命じる方向で最終調整に入った。期間は3カ月。合わせて監査法人に対して初となる課徴金20億円を科す方針。

新日本監査法人の英(はなぶさ)公一理事長(57)は責任を取って辞任する見通しだ。

新日本は上場企業約1000社の監査を担う国内最大手。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報