石油元売り、大手5社→3社に統合へ

2015/11/17 18:00
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東燃ゼネラルグループ(左)とJXホールディングスのガソリンスタンド「エネオス」

東燃ゼネラルグループ(左)とJXホールディングスのガソリンスタンド「エネオス」

石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油が合併による経営統合で基本合意したのに続き、JX日鉱日石エネルギーを傘下に持つJXホールディングス(HD)と東燃ゼネラル石油が統合に向けた交渉に入ったことが明らかになった。2つの統合が実現すれば、石油元売りは今の大手5社から一気に3社に集約されることになる。背景にはガソリンの需要低迷で一層のコスト削減を迫られ、海外展開や石油以外の事業育成に耐える体力が必要になっている事情がある。

経営統合への準備の進捗について説明する、昭和シェル石油の渡辺宏執行役員(左)と出光興産の丹生谷晋取締役(12日午後、東京都千代田区)=共同

経営統合への準備の進捗について説明する、昭和シェル石油の渡辺宏執行役員(左)と出光興産の丹生谷晋取締役(12日午後、東京都千代田区)=共同

■2位と5位が合併 「危機」対応素早く

出光と昭和シェルは2016年10月から17年4月をメドに合併新会社をスタートする。石油元売りで出光は国内2位、昭和シェルは5位の大きな所帯だ。新たに親会社をつくり、その下に両社が並ぶ方式でなく、合併を選んだのは早期に「融合」を実現する狙いとみられる。

合併ではどちらを存続会社にするかを決める必要があるが、両社が一体となって迅速な意思決定を進められる効果を期待できる。

ガソリンスタンドにも将来、中立的な新ブランドの導入を検討し、5年目に年間500億円の統合効果を目指す。
500億円の統合効果については、生産計画や物流の最適化などで生み出すとしている。

■首位と3位も統合へ

JXHDは「エネオス」ブランドでガソリンスタンドを展開する業界首位。東燃ゼネラルは3位だ。統合が実現すると国内のガソリン販売でシェア5割を握る圧倒的なトップとなる。

経営統合が実現すればJXHDは製油所の統廃合で設備過剰の解消に乗り出す方針だ。JX日鉱日石エネルギーは国内7カ所、東燃ゼネラルは同4カ所で製油所を持つ。
処理量が多いJXが設備能力を縮小し、東燃ゼネラルの製油所と一体的に運営することで、ガソリンなどの安定供給を確保しながら設備過剰を解消できる。
統合に向けては石油製品を扱う販売網の効率化も迫られる。約1万4000の給油所でガソリン販売シェア53%のJXHD・東燃ゼネに対し、出光・昭和シェルは約7000カ所で31%。販売効率では出光・昭和シェルに軍配が上がる。

■石油元売り、統合重ねた歴史

石油元売り会社は、かつて20社ほどが割拠していた。それが1970年代の石油ショック、90年代後半からの規制緩和を経て、現在の大手5社に落ち着いていた。新日本石油と新日鉱ホールディングスが統合し、JXHDが誕生したのは2010年のことだ。ここへ来て、さらなる再編へと各社を突き動かすのは、ガソリンなどの需要減少だ。

国内の石油製品市場は縮小の一途をたどる。人口減やエコカーの普及でガソリン需要は減少。だが製油所再編は進まず、ガソリンなど燃料油の供給能力は販売量を24%も上回る(2014年度)。

出光・昭シェル、統合効果1000億円視野(8月1日)

■海外や電力に活路

国内市場の縮小に対応してJXは海外事業の拡大による成長戦略を描いている。燃料油需要が今後伸びるベトナムなどで現地大手と組んで石油精製・販売事業を進めようとしている。東燃ゼネラルもオーストラリアで石油製品販売に参入する計画だ。欧米石油大手と競って油ガス田権益を確保していく必要もある。
(JX、東燃ゼネラルの)両社とも発電・小売りなど電力事業も収益源に育てる戦略だ。生き残りは、投資資金を稼ぎ出せる体質に国内石油事業を変えられるかどうかにかかっている。

JX日鉱日石エネルギーの根岸製油所(横浜市)

JX日鉱日石エネルギーの根岸製油所(横浜市)

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