球場も戦う時代に DeNAが横浜スタジアム買収

2016/1/22 18:00 (2016/5/24 15:58更新)
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横浜スタジアムのイメージ図を手にするDeNAベイスターズの池田社長(1月21日午後、横浜市中区)

横浜スタジアムのイメージ図を手にするDeNAベイスターズの池田社長(1月21日午後、横浜市中区)

プロ野球横浜DeNAベイスターズが、本拠地「横浜スタジアム」の運営会社を74億円で買収する。球団と球場運営の連携を進め、収支の改善をめざす。2015年は全12球団の観客動員が増加したが、ほとんどの球団が赤字経営とされるなど厳しい状態が続く。各球団とも球場の改装やファンサービスの強化で野球観戦の魅力を高めたり、周辺を整備してテーマパークのような雰囲気をめざしたりと、あの手この手で新たなファン獲得に動いている。

現在の横浜スタジアム。中華街にも近く、交通は便利だ(横浜市中区)

現在の横浜スタジアム。中華街にも近く、交通は便利だ(横浜市中区)

■買収は球団黒字化への一歩

記者会見した球団の池田純社長は「構造の大改革で(赤字が続く)野球事業の健全化に道筋がついた」と話した。

「横浜スタジアム」TOB成立 DeNA、野球黒字化へ道(1月22日)

2015年シーズンは観客動員数が181万人と、DeNAが球団を買収する前の約1.7倍に増えた。だが、今年度は4年連続の営業赤字になる見通し。球場を買収すれば、球場側に払っていたチケット収入の13%と広告収入を取り込めるため、収益改善が見込める。
DeNA、球場運営会社を買収 「野球」黒字化へ一体運営(2015年11月21日)
球場はファンで埋まっても球団経営は厳しい(引退試合を終え、古巣横浜のファンに手を振る中日の谷繁元信監督兼捕手。2015年9月26日)=共同

球場はファンで埋まっても球団経営は厳しい(引退試合を終え、古巣横浜のファンに手を振る中日の谷繁元信監督兼捕手。2015年9月26日)=共同

■「夢の球場」実現にはハードル

今後は座席を球団カラーのブルーで統一したり、球場内の飲食店を見直したりなどの設備改修や「耐震補強なども含め、少なくても数十億円の投資が必要」(池田社長)という。
「横浜スタジアム」TOB成立 DeNA、野球黒字化へ道(1月22日)

現在のスタジアムの収容人員は約2万9000人でプロの本拠地としては小さく、観客動員増に限界も見えているのが悩み。ただ、スタジアムの所有権は横浜市が持っており、建ぺい率などの問題も立ちはだかる。会見で池田社長が「夢」として披露したイメージ図に近づけるにはハードルも多そうだ。

DeNAが披露した「夢の横浜スタジアム」のイメージ=横浜DeNAベイスターズ提供

DeNAが披露した「夢の横浜スタジアム」のイメージ=横浜DeNAベイスターズ提供

■テレビがダメなら…「ナマ」の魅力競う

プロ野球で経営が厳しいのはDeNAだけではない。巨人やソフトバンクなど一部を除き多くの球団が赤字体質だ。テレビ放映権に依存した収益構造から脱却できていないためだ。1試合1億円以上(巨人戦)とされた放映権は、貴重な収入源だった。だが、視聴率が低迷し、テレビ中継が減少。今や球場に足を運んでもらえる工夫をしなければ収益確保は難しい。球団による球場保有や運営権取得が広がるのにはこうした事情がある。
オリックスは06年に90億円で「京セラドーム大阪」を、ソフトバンクは12年に870億円で「ヤフオクドーム」を取得した。ユニークな施設で集客を目指すのが楽天野球団(仙台市)。2015年11月20日、球場の「コボスタ宮城」を約30億円投じて改修する計画を発表した。外野観客席に観覧車付きの公園を新設し、家族連れなどを呼び込む。試合だけでなく、「球場間の戦い」も熱くなっている。
DeNA、球場運営会社を買収 「野球」黒字化へ一体運営(2015年11月21日)
コボスタ宮城の左中間後方にできた観覧車。新設した公園とともに5月3日に営業を始めた(仙台市宮城野区)=共同

コボスタ宮城の左中間後方にできた観覧車。新設した公園とともに5月3日に営業を始めた(仙台市宮城野区)=共同

観覧車のゴンドラから望む楽天の本拠地コボスタ宮城(5月2日、仙台市宮城野区)=共同

観覧車のゴンドラから望む楽天の本拠地コボスタ宮城(5月2日、仙台市宮城野区)=共同

■家族連れや「ライトなファン」取り込む

自治体との連携で成功しているのが、09年にマツダスタジアムに移った広島だ。開場時から寝転んで観戦可能な「寝ソベリア」など斬新な特別席が注目を集めて以降、今季もスポーツバーの改修やバーベキューが楽しめるシートに新席種を設けるなど、毎年マイナーチェンジを続ける。

マツダスタジアムではパーティーのようなスタイルで野球観戦を楽しめる席も=広島東洋カープ提供

マツダスタジアムではパーティーのようなスタイルで野球観戦を楽しめる席も=広島東洋カープ提供

ボールパーク構想、着々 新たなファン獲得へ知恵(2015年12月21日)

野球になじみの薄かった家族連れや女性をひき付けようという球団の作戦に沿って、2016年も球場の進化は続きそうだ。

ヤフオクドームの外野最前列にある「ホームランテラス」。カウンターに腰かける感覚で観戦できる=共同

ヤフオクドームの外野最前列にある「ホームランテラス」。カウンターに腰かける感覚で観戦できる=共同

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