2019年5月20日(月)

郵政3社上場 投資のポイントまとめ読み

2015/9/11 18:00 (2015/11/4 21:22更新)
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日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険が4日、東京証券取引所第1部に株式を上場した。3社とも株価は上場前に売り出した価格(公開価格)を大幅に上回り、まずは順調な滑り出しとなった。この人気を支えているのは、主に個人投資家だ。3社の株式を「投資対象」として見る場合のポイントを確認しておこう。

■かんぽ生命、ストップ高に

4日の取引を終えた時点で、各社の株価は公開価格を15~55%上回る水準に上昇した。

日本郵政は公開価格(1400円)を360円(25.7%)上回る1760円で終えた

かんぽ生命保険はストップ高の3430円。公開価格(2200円)を1230円(55.9%)上回る水準で取引を終えた

ゆうちょ銀行の大引けは1671円で、公開価格を221円(15.2%)上回って取引を終えた

郵政3社大引け かんぽ生命がストップ高、日本郵政は一段高(11月4日)

日本郵政グループ3社の初値(左上)と各社の終値を示す電光掲示板(4日午後、東京都中央区)

日本郵政グループ3社の初値(左上)と各社の終値を示す電光掲示板(4日午後、東京都中央区)

■売り出し価格に「お買い得感」?

日本郵政グループ3社の株式は、個人投資家から高い人気を得た。証券会社の需要調査では売り出し株式数の5~10倍の引き合いがあった。人気の理由は知名度の高さに加え「お買い得感」を打ち出した株価にある

1年間で得られる配当額を株価と比較するのが配当利回りで、この数値が高ければ投資額に対して得られる配当が多い。配当利回りは日本郵政が3.3%、ゆうちょ銀は3.4%、かんぽ生命は2.5%になる。メガバンクは2%台から3%強だ。東証1部企業の平均値は2%に届いておらず、郵政3社の配当利回りは相対的に高い

株に「お得感」 個人に人気 業績は伸び悩みも(11月3日)

株価が1株あたり純資産の何倍かをみる株価純資産倍率(PBR)を売り出し価格ではじくと、ゆうちょ銀は0.47倍、かんぽ生命は0.67倍になる。三菱UFJフィナンシャル・グループ、第一生命保険などと比べて低い

郵政3社株、個人が関心 高配当など着目(10月27日)

こうした数字を株価の変動に応じて計算し直していけば、判断のひとつの材料になるだろう。

■株価占う「収益力」「成長力」は?

株価は一般に会社の業績や成長力に左右される。長い目で見れば、会社が成長していかないと株価が上昇を続けるのは難しい。郵政グループの業績は下降局面に入りつつあり、今後は成長戦略がカギになる。

持ち株会社日本郵政の2016年3月期の連結純利益は前期に比べて23%減の3700億円となる見通し。収益の柱である金融2社でゆうちょ銀が13%減の3200億円となるのが響く。かんぽ生命も3%増の840億円にとどまる

巨鯨登場、期待と不安 郵政3社あす上場(11月3日)

全国に2万4000の郵便局網を有する郵政グループはインフラを担う国有企業であり、その事業にはまだ様々な規制がある。収益面でも金融2社が全体を支える独特の構造になっている。

法律で義務付けられた全国一律の郵便のユニバーサルサービスを維持する負担は重い。ゆうちょ銀行とかんぽ生命は、年1兆円近い手数料を郵便局に払っている。その上で郵便、銀行・保険窓口の3事業で年間2631億円にのぼる赤字を、グループ全体で穴埋めしている

郵政3社上場承認、逆風下の船出(9月11日)

投資を考えるなら、こうした点も考えながら収益力と成長力を見極めるのが大切だ。

ゆうちょ銀とかんぽ生命がグループの「稼ぎ頭」

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■次回の売却は2018年度前後?

日本郵政株の売却益は東日本大震災の復興財源に充てる。政府は2022年度までに4兆円程度を調達する方針だ。今回の上場による調達額は約1.4兆円。残りの約2.6兆円を16年度以降の7年間で確保する

日本郵政の次回の株式売却は18年度前後になる可能性がある。来年秋に九州州旅客鉄道(JR九州)の上場が控えている。売却規模は1回あたり1兆~2兆円と巨額で、株式市場が円滑に吸収できるように「3年程度の間隔で売却したほうがよい」との見方が強いためだ

次回売却 18年度前後か(11月3日)

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