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列島全域グラリ 「深発地震」のメカニズム

5月30日夜、小笠原諸島西方沖を震源とするマグニチュード(M)8.1の地震が発生した。震源に近い東京都小笠原村の母島に加え、遠く離れた神奈川県二宮町でも震度5強を観測。しかも北海道から沖縄まで、全国で震度1以上の揺れを記録する珍しい地震だった。震源の深さが682キロメートルと非常に深かったのが原因だ。このため正確な震度の予測も難しく、気象庁は緊急地震速報を出さなかった。今回のような「深発地震」、普通の地震とは起きる仕組みが異なるという。

「深発地震」って?

一般に深さ100キロメートルよりも深いところで発生する地震のことを指す。別のプレートの下に沈み込む海のプレートの内部で発生する。震源は700キロメートルの深さに達するものもあるという。
小笠原諸島付近では、太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に約50度の角度で急激に沈み込んでいる。
この湾曲部では、ひずみがたまり続ける。耐えきれなくなると、巨大な亀裂が発生して地震が起きる。今回の地震はプレートの下部で発生したとみられ、震源が深かったと考えられる。
(Q&A)深発地震、プレート湾曲部に亀裂で発生(5月31日)

全国で揺れを観測

5月30日、記者会見した気象庁の中村浩二地震情報企画官は広範囲の揺れの要因について、「沈み込んだ太平洋プレート内のかなり深いところが震源だったため、プレートに沿って地震波が遠くまで伝わった」と説明した。
非常に深い震源、「異常震域」広範囲で揺れ(5月31日)
今回の地震は震源が日本列島から遠かったため、被害が小さかった。地震波は固いプレートの内部を伝わるときは弱まりにくく、陸地の真下で起きた場合は被害が大きくなる。
(Q&A)深発地震、プレート湾曲部に亀裂で発生(5月31日)

高層ビル揺らした「長周期地震動」

今回の地震では高層ビルのエレベーターが一時停止し、身動きがとれなくなるケースが相次いだ。高いビルで大きな揺れを感じた人も多いはず。震源から遠く離れた場所でも大きく揺れる「長周期地震動」が、関東を中心に観測された。

気象庁によると、地震波はさまざまな揺れの「成分」を持っており、ガタガタという短い周期の揺れのほか、ゆっくりとした長い周期の揺れもある。これが長周期地震動で、地震の規模が大きくなるほど発生しやすい。短周期の揺れより衰えにくいため、遠くまで伝わるという特徴がある。
今回の地震では、長野県中部や神奈川県東部などで長周期地震動の「階級2」を観測。宮城県から大阪府にかけては「階級1」を観測した地域があった。
気象庁は階級2について「物につかまらないと歩くことが困難」、階級1は「ブラインドなどが大きく揺れる」などとしている。揺れの大きさによっては家具の転倒や移動のほか、エレベーターの停止の恐れもあるといい、日頃からの心構えも重要だ。
高層階で大揺れ「長周期地震動」を観測(5月31日)

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