2019年6月20日(木)

大卒就職率、今春96% 採用は今年も熱く

2015/5/19 18:00
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今年の春に卒業した大学生の就職率は96.7%と、過去最高だったリーマン・ショック前の2008年春(96.9%)に次ぐ高水準だった。2016年春に卒業予定の大学生の就職活動も、学生有利の売り手市場が続き、大企業を志望する学生が増える見通しだ。一方、大企業の採用の「公式スケジュール」は、今年大きく変わった。経団連が採用活動を3~4カ月繰り下げるよう加盟企業に求めたためだ。ただ、企業側の採用意欲は強く、採用活動は熱を帯びそうだ。

■選考開始は8月に 4カ月繰り下げ

経団連は加盟企業向けの指針を改定し、大手企業の多くは16年卒から採用日程を大きく繰り下げ。これまでより3カ月遅い3月1日から会社説明会が始まり、採用選考開始は4カ月遅い8月1日とされている。

売り手市場の就職戦線、15年春、大卒就職率96.7%(5月19日)

日程の大幅変更について、リクルートHDの就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「これまでの採用手法が通用しなくなる可能性があり、企業側も手探りの状態。できる限りの資金や人材を採用戦線に投入しようとしている」と分析する。

焼肉店で就活説明会も 企業、16年卒の争奪戦(3月13日)

■指針、守れば出遅れる?

人材サービスのディスコ(東京・文京)の調査では、新卒採用を予定する企業(1000人以上の大企業130社を含む488社から回答)の65%が7月までに内定を出す予定だ。

内定を出し始める時期は4~8月が全体の約8割を占めた。月別にみると6月が19.7%で最も多かった。

同社はこれとは別に学生を対象にした調査も実施した。5月1日時点で内定(内々定も含む)を持つ学生の比率は17.9%。特に理系女子が高く21.1%だった。

新卒採用、7月までに「内定」65% 民間調査(5月19日)  経団連の指針はあくまで加盟企業に協力を求める呼びかけで罰則もない。外資系などの非加盟企業はもちろん、加盟企業の間でもインターンシップなどを通じて学生との接触を増やし、囲い込みを狙う動きが目立つ。

■学生へのアプローチ、あの手この手

選考期間の短縮を受けて、「学生に早くアプローチしたいという企業の需要は多い」(就職情報サイトのマイナビ)。マイナビやリクナビが3月上旬に開いた合同説明会はいずれも大型見本市会場「東京ビッグサイト」(東京・江東)の東西2つの会場を借り切り、過去最大規模となった。

焼肉店で就活説明会も 企業、16年卒の争奪戦(3月13日)

学生の前に出されたのは800グラムの肉の塊。初めて見るそのボリュームに、学生の多くはスマホで写真を撮りまくる――。ビズリーチ(東京・渋谷)が運営する「ニクリーチ」は、登録した就活生を食事に招待してスカウトする"肉食就活サイト"だ。IT企業を中心に80社が利用している。

新卒採用、バブルの香り 豪華客船に「招待」も(3月29日)

■「オワハラ」問題が浮上

企業が内定や内々定を出した学生に就職活動を終えるよう迫り、「終われハラスメント(オワハラ)」などと呼ばれるケースも出ている。

都内の私大に通う男子学生は4月、シンクタンクの人事担当者から電話で怒声を浴びた。3月に「就活を終えること」を条件に内々定を得たが、就活を続けていると明かしたとたん、約2時間電話口で説教され、結局内々定を取り消されてしまった。

採用選考の開始時期が従来より遅くなったことも「オワハラ」の背景にある

採用選考の開始時期が従来より遅くなったことも「オワハラ」の背景にある

文部科学省は2月、「内々定と引き換えに就職活動をやめるよう強要する」「8月1日以降、長時間拘束する選考会や行事の実施」などの例を挙げて、就活生へのハラスメント行為を慎むよう企業に求めた。

「オワハラ」って何? 企業、内定引き換えに圧力(5月9日)

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