NHK受信料、テレビない世帯からも? 不公平な負担

2015/2/26付
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NHK放送センター(東京都渋谷区)

NHK放送センター(東京都渋谷区)

総務省はNHKの受信料制度の見直しに着手する。NHKのインターネットサービスの拡大を踏まえてテレビのない世帯からも料金を徴収する検討を始める。パソコンなどネット端末を持つ世帯に納付義務を課す案のほか、テレビの有無にかかわらず全世帯から取る案も浮上している。

2015年中をめどに大学教授らをメンバーとする有識者会議を立ち上げ、民放テレビ局や消費者団体といった利害関係者から意見を聞く。NHKも近く独自に検討を始め、その検討結果を総務省の有識者会議に報告する見通しだ。早ければ17年の通常国会に放送法の改正案を提出し、18年にも施行される可能性がある。

NHK受信料、テレビない世帯も ネット拡大で検討(2月21日)

ネット利用者の間では「スマホやタブレットを持っているだけで料金を取られるような制度にはしないでほしい」という声や「有料になるなら、そもそも見ない」という声もあがる。

ネット配信へ秒読み、NHK 悲願達成も視界不良(2月26日)

■ネット配信拡大

NHKは1月15日、2015年度を初年度とする新たな3カ年の経営計画と15年度予算案・事業計画をまとめた。国際放送の拡充やインターネット配信に注力する。「ラジオ、テレビだけでなく、ネットも使った公共メディア」(籾井勝人会長)を目指す。都市圏で受信契約を増やし、17年度末に受信料支払い率を80%に引き上げる。

NHK「ネットも使う公共メディア」目指す 新中期計画(1月15日)

「今までラジオ、テレビでやってきた。これからはネット、その先の新しい技術を使った伝送方式が出てくる」(籾井勝人会長)。ネット重視に舵を切ったことの方が、NHKや業界に与える影響は大きい。

NHK新経営計画、ネット戦略前面に(1月27日)

4月にも放送番組のインターネット配信を試験的に始める。総務省が2月16日付で実施基準を認可し、ゴーサインを出した。

ネット配信へ秒読み、NHK 悲願達成も視界不良(2月26日)

NHKが14年10月末に公表した「インターネット実施基準要綱」が民放各社の間で波紋を広げている。要綱は放送番組などをネット配信する際のルール案に相当するものだが、文面が様々に解釈できるうえ、そもそも巨大メディアのNHKがどうネットを活用していくかの具体策が見えないためだ。

ネットで攻めたいNHK 身構える民放各社(2014年11月13日)

民放大手が番組のインターネット配信に本格的に動き出した。スマートフォン(スマホ)や動画サイトの浸透で視聴様式が一変。放送法改正により、NHKが15年春から本格的に乗り出すことへの危機感もあって、従来の"試行"状態から一歩踏み出そうとしている。

民放大手、ネット配信を本格化 スマホ世代を意識(2014年12月14日)

フジテレビは2014年3月、CS番組のネット同時配信を始めた(東京・台場の同社本社)

フジテレビは2014年3月、CS番組のネット同時配信を始めた(東京・台場の同社本社)

15年秋には米動画配信大手ネットフリックスが日本に参入する。ネットフリックスは約50カ国に5700万人の会員をもち、定額見放題でドラマや映画、アニメなどを配信している。日本の視聴者を会員として獲得するほか、日本で番組の調達や制作を手掛ける構えで、「日本のコンテンツを世界の利用者に届けたい」(同社)としている。

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■受信料、不公平な負担

現行の放送法はテレビがある世帯にNHKとの受信契約を義務づけ、地上放送の場合はNHKが月額1260円の受信料を課す。一方、テレビがなくてもパソコンやスマートフォンがあればNHKがネットで無料で提供するニュース映像などを見られる。テレビを持つ世帯の受信料がネットサービスの経費に回っており、受益者負担の観点で不公平との声があった。
NHKによると現在テレビのある世帯のうち25%は支払っておらず、徴収方法も課題となる。

NHK受信料、テレビない世帯も ネット拡大で検討(2月21日)

NHKは14年5月27日、13年度末時点での受信料の推定世帯支払率が全国ベースで74.8%となり、前年度比1.0ポイント増となったと発表した。47都道府県すべてで前年度を上回った。営業の委託拡大や電話での営業などにより契約・収納件数が増えた。NHKは今後、オートロックのマンションや単身世帯が多い大都市圏での営業を工夫し、地域間の公平負担を徹底するとしている。

NHK、推定世帯支払率1.0ポイント増(2014年5月27日)

NHKが14年11月11日発表した14年度の中間決算速報(単体)によると、一般企業の純利益にあたる事業収支差金は前年同期比40%増の252億円だった。収納業務の委託など営業コストを抑えつつ、受信料収入を3%増の3253億円に増やし、2期ぶりに増益となった。売上高にあたる事業収入は2%増の3376億円だった。

NHK、純利益40%増 14年度中間(2014年11月11日)

視聴形態多様化への対応を急ぐ(NHK放送センター)

視聴形態多様化への対応を急ぐ(NHK放送センター)

客室などにテレビを設置しながら受信契約を結んでいないとして、NHKがホテル経営会社(東京)に受信料支払いなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は14年10月10日までに、契約の締結と判決確定後に約620万円を支払うよう命じた。NHKによると、事業所の受信契約を巡る判決は初めて。

ホテル経営会社にNHK受信契約命じる 東京地裁(2014年10月10日)

5年以上前のNHK受信料の滞納分に時効が成立するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は14年9月5日、「受信料の請求権が消滅する時効は5年」とする初判断を示し、NHK側の上告を退けた。

NHK滞納受信料「請求の時効5年」 最高裁が初判断(2014年9月5日)

NHKが個人を相手に受信料の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁の下田文男裁判長は13年12月18日、「NHKからの契約申し込みと、受信者による承諾という双方の意思表示がなければ受信契約は成立しない」との判断を示した。契約を結ぶ義務があること自体は否定せず、受信料は支払うよう命じた。
10月には同様の訴訟で東京高裁の別の裁判長が「NHKが契約の締結を通知すれば、承諾の意思表示がなくても2週間経過すれば契約が成立する」との判決を出しており、判断が分かれた。

NHK受信契約「相手の承諾必要」 高裁判決分かれる(2013年12月18日)

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