2018年6月24日(日)

歴史は本当に終わったのか フランシス・フクヤマ氏

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2015/1/3付
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 米国のありようはよくも悪くも民主主義と資本主義への評価を左右する。金融危機や格差の広がり、与野党がにらみ合うばかりの政治、ふらつく対外政策など近年の米国に対しては失望の声が少なくない。東西冷戦終結の直後、西側の最終勝利を宣言した米政治学者フランシス・フクヤマ氏もその一人だ。何がどう食い違い、それをいかに正せるのか聞いた。

■中ロ、思想の戦い勝てぬ

 ――ロシアと米国の対立が激しくなっています。

 「世界政治に厄介な変化がいくつも起きている。一つがロシア問題で、冷戦後の25年間で最大の失望だ。民主化を進め欧州の一員になると思われたが、プーチン大統領のもとでファシズムにも似た、たちの悪いナショナリズムへと転じ、領土の拡張も目指している」

 「もう一つ厄介な動きは中国だ。巨大で権威主義的な国が近隣国に領土を主張している点はロシアと共通する。しかも両国とも国民の強い支持が背後にある」

 ――1989年の論文「歴史の終わり?」で民主主義と資本主義の勝利を宣言しました。いま「新冷戦」という言葉も聞かれます。

 「東西冷戦には地政学的な闘争とイデオロギー対立の両面があった。もはやイデオロギー対立は存在しない。大事なのは目標としての社会制度の最終形態が何かということだ。その歴史の終着点が民主主義だという事実は揺るがない。旧ソ連は共産主義を世界に広めようとしたが、いまのロシアはエネルギー輸出に頼る質の低い国家制度にすぎず、誰もまねしないはずだ」

 ――中国はどうですか。

 「勢いをもつ唯一の対抗勢力は中国だ。ただ同国は自らの体制を他国に広げる気はない。自国には最適だと信じているだけだ。そもそも中国モデルとは何か。一部はマルクス・レーニン主義で、ほかの一部は儒教主義だが、これらは相いれない。残りの部分は露骨な利己主義だ。つまり中国の制度には一貫した哲学による裏打ちがなく、思想的な戦いで勝つのは難しい」

 「今後も米国と中国の競合は激しくなり、中国は領土面でも主張を強めるだろうが、これは思想やイデオロギーとは無関係だ。旧来型の地政学が、両国を駆り立てているのにすぎない」

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