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「1票の格差」 国会、抜本是正に及び腰

最高裁が「違憲状態」と判断した「1票の格差」が抜本是正されないまま、衆院が解散され、総選挙が行われる。昨年7月の参院選を巡る「1票の格差」訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は26日、選挙無効を求めた訴訟について「違憲状態」としながらも、「違憲」「選挙無効」などと踏み込んだ判断は示さなかった。専門家は格差解消に及び腰な国会の姿勢を批判している。

1票の格差とは

1票の格差は、議員1人当たりの有権者数が選挙区ごとに異なることで、有権者の投票価値に差が生じる現象。最高裁は最大格差が「2.43倍」だった2012年衆院選について、昨年の大法廷判決で「違憲状態」と指摘した。

「0増5減」とは

今回の衆院選では格差改善のため、高知や佐賀など5県の選挙区を3から2に減らし、小選挙区の総定数を300から295とする「0増5減」が適用されるが、それでも格差が2倍以上の選挙区は1月時点で14に上る。

是正が進まない原因は

「日本の国会議員は世襲が多く、いわば家業になっている人が少なくありません。落選につながりかねない選挙区の変更への反発は与野党を問わず激しいものがあります。議員の選び方は小選挙区と比例代表のどちらがよいのかなどの『選挙制度改革』、国会議員が多すぎないかという『定数削減』。これらの課題と『1票の格差』をまぜこぜに議論する人が多いことも出口をみえにくくしています」
ニッキィの大疑問 「1票の格差」なぜ続く?(1月20日)
元最高裁判事の泉徳治弁護士は「増税延期などの政策判断を問うなら、選挙に国民の多数の意思が正確に反映されなくてはならないのに、その前提条件が整っていない」と指摘。「格差解消にはさらに18増18減が必要だが、与野党とも取り組む気がない。主文で明確に『違憲』と宣言してこなかった最高裁にも責任がある」と話している。

今後の訴訟の行方は

「1票の格差」が是正されないまま国政選挙が行われているとして、選挙のやり直しを求めている弁護士グループが17日、東京・霞が関で記者会見し「このまま衆院を解散すれば、投開票日の翌日に全295選挙区で選挙無効訴訟を起こす」として、衆院で高まる解散機運にクギを刺した。
升永英俊弁護士は「1年たっても(格差が)解決せずまた選挙をすれば、最高裁は違憲と判断するしかない」と強調。久保利英明弁護士も「投票価値が平等でない選挙制度では、国民の信を問うことはできないはずだ」と批判した。
「解散で全選挙区提訴」弁護士グループ 「1票の格差」巡り(11月18日)

他の先進国では

国によって様々だ。例えば米上院議員は「州代表」と位置付けられ、憲法によって人口と無関係に各州2議席が割り振られるため、最大格差は60倍を超える。「先進国で最も民主的でない議会」とも言われる。
2007年の国民議会選挙で最大格差が5倍を超えたフランスでは、憲法裁判所の違憲判断を受けて1県に最低2議席を与える規定を撤廃、2.37倍まで是正した。
先進国中で規制が厳しいのはドイツ連邦議会下院。原則として各選挙区の人口が全国平均の上下25%を超えてはならないとされ、格差はおおむね2倍程度に抑えられている。
1票の格差、どう解決(2013年11月23日)

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