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原発再稼働、巨額の設備投資が必要

川内原発の再稼働同意を表明する鹿児島県の伊藤知事(7日、鹿児島県庁)

鹿児島県の伊藤祐一郎知事は7日、九州電力の川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に同意する意向を表明した。10月28日に薩摩川内市が同意しており、再稼働に必要な地元同意の手続きが完了した。

まず安全審査に合格

原発の安全審査は昨年7月に施行した原子力発電所の新規制基準に基づき、原子力規制委員会が各原発の安全性を確認する手続き。東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえ、厳格な地震・津波対策や大規模な事故への備えを求めている。
審査は(1)安全対策の大枠を記した「設計の基本方針」(2)安全対策の詳細な設計内容を記した「工事計画」(3)従業員の教育など原発の安全な運転に必要な事項をまとめた「運転管理体制」――の3段階に分かれる。
原発の安全審査 設計や管理など3段階(8月6日)

合否は実質的に設計の基本方針に関する審査で決まる。

九州電力の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)=共同

巨額の設備投資

新たな規制基準では、設計時の想定を超えた深刻な事故が起きたときのハード、ソフト両面での対策の強化を求めています。ハード面では、建物の耐震性を高め、防潮堤を高くし、非常用電源のバックアップも増やします。ソフト面でも万一に備えマニュアル整備や訓練の充実を求めています。さらに規制委では、個々の立地や設備の違いに応じ、電力会社が自主的に独自の安全対策を上乗せするよう求めています。
原発再稼働、必要な条件は? 立地に応じ独自の安全策(9月8日)
原発の安全審査で電力各社は規制委の言い分を基本的に受け入れてきた。代表格が審査合格第1号の川内原発を抱える九州電力だ。規制委の指摘により原発が想定する地震の規模を大幅に引き上げ、1千億円超の追加設備投資も覚悟した。
規制委と電力、次の攻防 敦賀2号機の廃炉も(10月30日)
高浜原発は昨年7月、川内など別の5原発とともに第1陣として審査を申請した。敷地が海抜3.5メートルと低く、規制委は津波で浸水する恐れがあるとして防潮堤の建設を求めた。最大の焦点となる地震の揺れの想定値も申請当初550ガルとしていたが、規制委が甘さを指摘し、700ガルに引き上げて耐震補強を施すことで了承を得た。
高浜原発、今冬にも審査合格 関電が正式手続き(10月31日)

不合格なら廃炉も

安全対策のハードルが上がったことで、古い原発は申請に二の足を踏んでいるようです。安全対策に多額のお金をかけても、政府が定めた原則40年間という運転期間内に投資を回収できない可能性があるためです。
原発再稼働、必要な条件は? 立地に応じ独自の安全策(9月8日)
規制委のもう一つの決断に注目が集まっている。電力9社が出資する日本原子力発電の敦賀2号機(福井県)直下に「活断層」があると判断するか否か。活断層なら日本原電は廃炉を視野にいれざるをえなくなる。
規制委と電力、次の攻防 敦賀2号機の廃炉も(10月30日)

難関は地元同意

九州電力川内原子力発電所を巡り、同県議会が再稼働への同意を採択した7日、議場では傍聴席の県民らが「再稼働反対」と声を張り上げ紛糾した。一方、市内では再稼働を歓迎する声もあった。
高浜原発が合格後に地元自治体の同意を得る手続きは、川内原発よりも時間がかかる見込みだ。高浜原発は京都府や滋賀県とも近いため、両府県の知事が再稼働に難色を示す可能性がある。立地する福井県も来年4月に知事選を控え、選挙前に重要な政治的決断を下すのは難しいという見方がある。
高浜原発、今冬にも審査合格 関電が正式手続き(10月31日)

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