「ユニクロ」通販 なぜ即日配送に参入

2014/10/30 18:00
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共同物流事業について記者会見するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(左)と大和ハウス工業の大野直竹社長(14日、東京都千代田区)

共同物流事業について記者会見するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(左)と大和ハウス工業の大野直竹社長(14日、東京都千代田区)

カジュアル衣料店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングが大和ハウス工業と新会社をつくり、都内で2016年に新しい物流施設を稼働させてネット通販の即日配送に乗り出す。同じ仕組みを海外でも展開する。20年度に売上高5兆円という目標達成に向け生産だけでなく物流でも効率化を進める方針だが、なぜ衣料品で即日配送に乗り出すのか。

■即日配送の計画の概要は

新設する物流センターは、大和ハウスが東京都江東区の有明地区に所有する約3万6300平方メートルの敷地を活用する。地上6階で延べ床面積は約11万2400平方メートル。11月に着工し、2016年1月の完工を目指す。
ファストリは新物流センターが稼働する16年以降に、都心などでネット通販の商品を即日に届けたり、首都圏で翌日に届けたりするサービスを始める考え。現状では注文を受けた後、顧客に届くまで2~5日程度かかっていた。
ファストリと大和ハウス、10カ所に拠点 物流会社設立(10月14日)

■なぜ衣料品を即日配送するのか

国内ユニクロのネット通販売上高は年間300億円弱で、全体に占める比率は4%程度にとどまっているとみられる。ファストリの柳井正会長兼社長は「最高水準の物流や販売の仕組みを作る」方針を打ち出しており、サービスの質を高めて顧客を一気に増やす。
経済産業省の調べによると、13年の消費者向け電子商取引の国内市場は11.2兆円で、前年比17.4%増えた。ネット通販が身近になった消費者にとって、注文してから商品が届くまでの時間は商品の価格や品質と並んで重要な要素だ。
このため、アマゾンジャパンなどネット通販大手などの間で配送時間を短縮する動きが相次いでいる。各社にとっては、どの企業と連携して低コストで高品質の物流サービス網を構築できるかが戦略上、極めて重要になっている。
ユニクロ通販、即日配送 大和ハウスと新会社(10月13日)

フィリピン・マニラのユニクロの店舗

フィリピン・マニラのユニクロの店舗

■海外でも展開する狙いは

ファストリの14年8月期の海外売上高比率は3割超。しかしスペインのインディテックスやスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)といった競合の連結売上高は2兆円規模。ファストリは差を縮められない状態が続く。
追撃に向けて7日には米ナイキの企業広告などを手掛けた実績を持つジョン・C・ジェイ氏を、グループの商品や店舗デザイン、販促などを総合プロデュースする新職に起用し、ブランド力の底上げを図ると発表した。物流網の見直しは、グローバル化に向けた新戦略のもう一つの柱となる。
ファストリ、グローバル展開着々 大和ハウスと物流網(10月15日)

■小売り大手などもネット通販強化

セブン&アイ・ホールディングスは、グループのスーパーや百貨店などで扱う商品を消費者がインターネットで購入し、コンビニエンスストアで当日に受け取れるようにする。月内に稼働させる物流拠点を活用し、まず2015年中に首都圏の7千店で可能にする。ネット通販企業は価格や品ぞろえを競ってきたが、日本最多の店舗網を活用するセブン&アイが本格参入することで、早く便利な受け取りの仕組みづくりが競争の軸になりそうだ。
セブン&アイ、ネット購入コンビニで即日受け取り(10月29日)
ネット消費はさらに広がる。スマホは携帯電話の保有者全体に占める割合が17年度末には7割に高まる見通し。野村総合研究所は18年度にネット消費額(コンテンツ含む)が22兆円と13年度比8割増えると予測している。
ネット販売が店舗を侵食 スマホ普及で(2013年12月8日)
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