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美味・親切 街に潤い(関西の羅針盤)

第5章 東西2800人調査(3)

アンケートでは、やはり関西の食文化への評価が高かった。「飲食店の選択肢の豊富さやコストパフォーマンスも含め、食べ物がおいしい」という設問。関西と首都圏の両地域に居住経験がある642人のうち、関西に対しては511人が「強くそう思う」「まあそう思う」と答え、首都圏の369人を上回った。

キリンビールマーケティングで関西の業務用酒販店を受け持つ勝山文晴・営業部担当部長は東京からの転勤者。平日は毎晩、盛り場に向かう。仕事の一環でもあるが、行き先の3割は話題の店や紹介された店を個人で楽しんでいる。

「注文」が店磨く

最近、注目するのが「ウラなんば」と呼ばれるなんば駅周辺の路地が多いエリア。「道具屋筋の店舗裏の倉庫を改装し、個性的で通いやすい立ち飲みやバルが増えてきた。大阪は福島や天満など地域ごとに個性があるのが面白い」と話す。

立命館大学で国際食文化研究センター事務局長を務める井澤裕司教授は「関西人はコスト意識が高く、いい意味で『うるさい』客が飲食店を鍛えている。料理の出し方が悪ければ、アルバイトにも注文を付ける。東京は多少不当な扱いを受けても客が我慢するようなところがある」とみる。

おばちゃん温か

「おばちゃんは 他人のカゴ見て 今日、シチュー?」

大阪市の小学生が作った川柳は、大阪の中高年女性のコミュニケーション能力の高さを言い当てて笑いを誘う。「大阪のおばちゃん学」の著書がある相愛大学の前垣和義特任教授はもう一つの意味を見いだす。

「この会話の後には調理のアドバイスやお得な買い物情報が続く。大阪のおばちゃんは他人の役に立ちたいと思っている。人々が孤立しがちな時代に、このキャラは求められているのではないか」と指摘する。

アンケートでも「地域のコミュニティーがしっかりしており、人が親切である」の質問に、関西を322人が評価、首都圏の113人を大きく上回った。

自由回答をみても「関西では立ち止まっていると、誰でも『どうしたの』と声をかけてくる」と、大阪に限らず親切な人が多いようだ。「親切さが過剰」との意見がある一方、「東海地方から関西に嫁いできたころ、気さくに話しかけてくれる人が多く慰められた」という声も。親しみやすさは関西の長所と考えていいだろう。(木下修臣)

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