優雅なホテルのレストランで、ケーキやクレープ、ワッフルなどを好きなだけ食べられるスイーツビュッフェ(バイキング)が人気だ。食事に比べて手ごろな価格で一流ホテルのサービスや雰囲気を楽しめる。もてなしや雰囲気、おいしさなどから専門家にお薦めを挙げてもらった。
<東日本>
1位 ウェスティンホテル東京(東京都目黒区) 682ポイント
開放感のなか絶品味わう
緑の庭に面した1階の「ザ・テラス」は「開放的で都会のオアシスのよう」(木村幸子さん)。ここに「スイーツビュッフェの魔術師」(東龍さん)ともいわれる名物シェフ、鈴木一夫さんが創作する繊細なスイーツが40種類以上並ぶ。2カ月ごとに「栗と秋のフルーツ」などのテーマを設けて商品をそろえるほか、毎月ケーキ類を入れ替える。2006年の開始から「何度も訪れたくなる」(松本由紀子さん)と常連客が増え、予約がいっぱいの日も少なくない。
減ったケーキを随時補充するなど、目配りも行き届き、ゆっくり落ち着いて食べられる。個々のテーブルに運ばれてくる熱々のスフレも評判が良い。朝昼晩の食事ビュッフェでもスイーツコーナーが充実している。(1)3800円(2)スイーツは平日のみ営業、午後3~5時(3)03・5423・7778
2位 ヒルトン東京(東京都新宿区) 548ポイント
斬新な企画を次々と
24時間営業の「マーブルラウンジ」は1980年代から続く「ビュッフェレストランの老舗」(村山なおこさん)だ。高さ約1.5メートルのチョコレートファウンテンや、低温の大理石の上でつくるオリジナルアイスなど斬新な企画でファンを増やしてきた。ロビーにほど近い2階まで吹き抜けの店内は開放感がありゆったりくつろげる。(1)4200円(2)毎日午後2時30分~5時30分(3)03・3344・5111
3位 東京ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート(東京都江東区) 508ポイント
非日常の世界楽しむ
会員制の豪華ホテルだがこの「リストランテ オッツィオ」だけは一般客でも利用できる。「ぜいを尽くした館内はまさに非日常空間」(井村さん)だ。テーブル席へのワゴンサービスが人気。「割安感も魅力」(木村さん)(1)2376円(2)平日のみ、午後3~5時(3)03・6700・0210
4位 ホテルインターコンチネンタル東京ベイ(東京都港区) 412ポイント
お客さんの目の前でつくる
「シェフズライブキッチン」は、シェフが目の前でスイーツを作る演出で「ライブ感を極めている」(東龍さん)。店内からレインボーブリッジが一望できる。(1)平日3720円、土日・祝日3950円(2)毎日午後3~4時45分(3)03・5404・2246
5位 横浜ベイホテル東急(横浜市) 370ポイント
みなとみらいの夜景とともに
2階の「ソマーハウス」では夜に開催するビュッフェが楽しい。横浜・みなとみらい地区のイルミネーションを眺めつつミニパフェ、ケーキ、グラスデザートなどを堪能できる。(1)3564円(2)木金のみ、午後7時30分~10時30分(3)045・682・2219
6位 シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(千葉県浦安市)
「トスティーナ」(電)047・355・5555
7位 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ(横浜市)
「シーウインド」(電)045・411・1111
8位 ヒルトン小田原リゾート&スパ(神奈川県小田原市)
「ザ・ロビーラウンジ」(電)0465・29・1000
9位 ウェスティンホテル仙台(仙台市)
「ホライゾン」(電)022・722・1234
10位 札幌グランドホテル(札幌市)
「ノーザンテラスダイナー」(電)011・261・3376
<西日本>
1位 セントレジスホテル大阪(大阪市中央区) 575ポイント
ワクワクさせる演出いっぱい
高級ホテルだが、レストラン「ルドール」は親しみやすい雰囲気で、客席に小さなチョコレートフォンデュを運んでくるなど「ワクワクさせる」(小川薫さん)演出に凝っている。目の前で焼いてもらうクレープなど個別のもてなしもうれしい。
約30種類のスイーツは「最高級ホテルの技術の高さを示す手の込んだお菓子ばかり」(井村日登美さん)。世界の5つ星ホテルなどが扱うドイツのロンネフェルトの紅茶もそろえる。(1)3850円(2)午後3~5時、11月8日以降は土日・祝日のみ(3)06・6258・3333
2位 ザ・リッツ・カールトン大阪(大阪市北区) 562ポイント
豪華な雰囲気に酔う
高級ホテルの豪華な雰囲気とサービスを体験できる。イタリアンレストラン「スプレンディード」で楽しめる約35種類のスイーツは「とても繊細」(磯貝由起さん)。ビュッフェ台にマカロンのタワーを設けるなど、演出が華やかだ。「飲み物は上質なコーヒーや紅茶など10種類以上から選べる」(松本さん)(1)3616円(土日・祝日は3955円)(2)午後3時~5時30分(3)06・6343・7020
3位 堂島ホテル(大阪市北区) 480ポイント
ゆったりと席で注文
1階の「ザ・ダイナー」で約16種類のケーキが食べ放題になる。ホテルの「看板商品」(磯貝さん)である「堂島ホテルロールケーキ」も登場する。着席したまま注文でき、ロンネフェルトの紅茶なども好きなだけ味わえる。(1)2970円(2)平日は午後2時と3時30分、土日は3時開始(3)06・6341・3000
4位 スイスホテル南海大阪(大阪市中央区) 436ポイント
36階から圧巻の眺め
ホテルは大阪・なんば駅の上にある。地上36階の「タボラ36」はまず「眺めが圧巻」(森田美佐子さん)で、「約60種類の豊富なメニューも女性客に人気がある」(井村さん)。(1)4039円(2)土日・祝日のみ、午後3~5時(3)06・6646・5125
5位 京都センチュリーホテル(京都市) 285ポイント
明るい店内でフレンチデザート
メーンダイニング「カサネ」で食べられるスイーツは「注文後に作るので味も格別」(森田さん)だ。予約が必要。(1)2800円(2)期間限定サービスで10月は27、28日開催。次は11月14~21日、午後2~5時(3)075・351・0158
6位 ホテルグランヴィア京都(京都市)
「ル・タン」(電)075・342・5525
7位 ヒルトン名古屋(名古屋市)
「ザ・ギャラリー」(電)052・212・1151
8位 ホテルオークラ福岡(福岡市)
「カメリア」(電)092・262・1143
9位 サーウィンストンホテル(名古屋市)
「ダブリューカフェ」(電)052・861・7901
10位 ヒルトン福岡シーホーク(福岡市)
「ブラッセリー&ラウンジシアラ」(電)092・844・8111
表の見方 数字は選者の評価を点数にしたもの。ホテルの所在地。(1)大人1人当たりの料金(消費税、サービス料込み)(2)スイーツビュッフェの営業または開始時間(3)電話番号、写真は東の2、3位、西の3位は各施設提供
上質なひととき、気軽に
国内ホテルではランチなどのビュッフェにスイーツがつくところも多いが、今回はスイーツを主体にしたものに絞って聞いた。
上位はいずれも日本を代表するホテルのレストランで、上質な雰囲気を楽しみながら、くつろいで食べ比べられる店が並んだ。ビュッフェの開催時間は決まっているが、入店からの時間制限がある店は少ない。1ピースを小さめにするなど、たくさんの種類を楽しめるよう配慮している。
ビュッフェに詳しいグルメジャーナリストの東龍さんは「フルーツやゼリーのように軽いものから食べ、時々、総菜などで塩味を混ぜながら、タルトやババロアなどに進んでいくと数多く楽しめる」と話す。
平日限定や期間限定のところや、予約が必要なところもある。海に近いホテルでは夜景を楽しめるように開催が夜のところも。確認してから出かけよう。
◇ ◇ ◇
調査の方法 スイーツ専門またはスイーツを中心にしたビュッフェで定評のあるホテルの一覧表を取材を通じて編集部が作成し、これを基に専門家10人に雰囲気やスイーツの味などを総合的に判断しお薦めを選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
磯貝由起(スイーツコンシェルジュ)▽井村日登美(ホスピタリティ研究所エイチ・ワン代表)▽小川薫(料理研究家)▽木村幸子(洋菓子研究家)▽東龍(グルメジャーナリスト)▽深江園子(フードライター)▽松本由紀子(スイーツコーディネーター)▽村山なおこ(菓子評論家)▽森田美佐子(「一休」レストラン事業本部マネージャー)▽山口真理(スイーツプランナー)