住宅市場、低迷続く 回復への道筋は

2014/9/30 18:00
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建設現場はコンクリートを固めるなど様々な職種の技能労働者が必要

建設現場はコンクリートを固めるなど様々な職種の技能労働者が必要

住宅市場が低迷している。国土交通省が30日発表した8月の新設住宅着工戸数は前年同月比12.5%減の7万3771戸と6カ月連続で減少した。消費増税に伴う駆け込み需要の反動減だが、建築費の高騰・人材難、用地不足などが重なり、秋以降の回復にも黄信号がともっている。

■注文住宅・マンション大幅減

注文住宅など持ち家は22.7%減の2万4250戸と7カ月連続のマイナスとなった。マンションをはじめとする分譲住宅は10.3%減の2万669戸と7カ月連続で落ち込んだ。東京23区などの都心部では人気エリアを中心にマンション建設に適した土地が減少している。

新設住宅着工、8月は12.5%減 6カ月連続減(9月30日)

不動産経済研究所(東京・新宿)が16日発表した8月の首都圏マンション発売戸数は、2110戸と前年同月比で49.1%減と大きく落ち込んだ。減少幅はリーマン・ショック直後の2008年9月(53.3%減)以来5年11カ月ぶりの水準だった。
実際に売れた戸数の割合を示す契約率は69.6%と好不調の目安となる7割を下回った。6割台は1年7カ月ぶりになる。

首都圏マンション発売、8月49.1%減 契約率7割切る(9月16日)

■価格高騰、給与は実質マイナス

建設資材や人件費などの上昇がマンションなど建物価格に波及している。野村証券の調査では、マンションなど建築物の建築着工単価は今年6月で1平方メートルあたり18万5600円。1年前に比べ9%高い。

建設が進む超高層マンション(東京都中央区)

建設が進む超高層マンション(東京都中央区)

物価変動分を考慮した実質ベースの水準でみると、現金給与総額は2.6%減とマイナスが続く。消費増税や円安による物価の上昇に、賃金の伸びは追いついていない。

給与総額6カ月連続プラス 8月1.4%増、勤労統計(9月30日)

■新築増えれば空き家も増える

2013年の空き家数は820万戸、空き家率は13.5%で、いずれも過去最高となった。空き家率が高くなるとさまざまな犯罪の発生要因になり、住宅地の荒廃につながることから対策の必要性が指摘されている。
総世帯数は2020年に5305万世帯となるのをピークに、その後は減少していく。そのため空き家率の増加スピードは再び高まり、2023年の空き家率が21.0%にまで高くなる、と野村総研は予測する。

2023年空き家率が21%になるシナリオ 野村総研(9月26日)

野村総合研究所による空き家率の推移と、シナリオ別の予測(資料:野村総合研究所)

野村総合研究所による空き家率の推移と、シナリオ別の予測(資料:野村総合研究所)

■東京は再開発で好調

東京五輪の開催でインフラ整備に弾みがつくとの期待感も加わり、東京の臨海部では大型マンションの建設に沸いている。東京圏の住宅地で上昇率が1位だったのは中央区月島の10.8%だった。
業界関係者の話題をさらっているのが、野村不動産が7月に売り出した「プラウドタワー立川」だ。坪単価は都心並みの342万円と周辺相場より3割程度高いが、第1期の230戸が即日完売したという。

都市圏の地価、再開発で上昇 増税でペース和らぐ(9月18日)

マンション販売が好調な東京都中央区の湾岸エリア

マンション販売が好調な東京都中央区の湾岸エリア

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