2019年3月27日(水)

マイナンバーここに注意

2015/11/2 18:00
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マイナンバー制度の番号通知カードを配達する郵便局の配達員(10月23日、徳島県海陽町)=共同

マイナンバー制度の番号通知カードを配達する郵便局の配達員(10月23日、徳島県海陽町)=共同

税と社会保障の共通番号(マイナンバー)の運用が2016年1月にいよいよ始まる。番号通知カードの配布もスタート、制度が身近になるのに合わせるように詐欺被害が起きている。企業が注意すべきポイントも明確になってきた。

■通知カードの配達始まる

(マイナンバー制度とは)国や地方自治体が社会保障や税などの手続きを効率化するため、住民票を持つ全ての人に12桁の個人番号を付与する仕組み。所得などの個人情報を把握し、税の徴収や社会保障の給付を適正化する狙いがある。

2016年1月から実際の運用が始まり、生活保護や児童手当の給付、雇用保険や厚生年金の手続き、確定申告などで順次、マイナンバーが必要になる。

マイナンバー制度とは(9月30日)

マイナンバー制度の準備段階として番号通知カードの配布が始まっている。

注意したいのは、通知カードは来年1月以降に発行される「個人番号カード」の"仮カード"の位置づけということだ。これだけでは窓口手続きの時間短縮などマイナンバー制度で想定される恩恵を受けられない。

通知カードの受け取りにも注意が必要だ。

10月5日時点で住民票にある住所に郵送されるので、引っ越し後に住民票を移していないと自宅で受け取ることができない。住民票のある市町村の窓口に取りに行くか、居住地の市町村で再発行の手続きをする必要がある。

通知カードは個人番号カードの取得に必要になるため大切に保管しよう。

始動マイナンバー 番号知らせる「通知カード」(9月15日)

マイナンバー通知カードの見本(10月2日、東京都北区の国立印刷局東京工場)

マイナンバー通知カードの見本(10月2日、東京都北区の国立印刷局東京工場)

■詐欺被害にご用心

消費者庁は10月6日、番号の通知が始まった税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度に便乗した詐欺とみられる被害があったと発表した。

同庁は「マイナンバー制度に絡む不審な電話や訪問などには絶対に応じないようにしてほしい」と注意を呼び掛けている。

消費者庁によると、被害に遭ったのは南関東に住む70代の女性。公的な相談窓口を名乗る人物から電話があり、偽のマイナンバーを伝えられた後、別の人物からの電話で「公的機関に寄付をしたいので、マイナンバーを貸してほしい」と言われ、番号を伝えた。

翌日、寄付を受けたとする機関を名乗る人物から電話で「マイナンバーを教えたことは犯罪に当たる」と言われ、「記録を改ざんするため」との理由で現金を要求され、支払ったという。

マイナンバー制度に絡む詐欺被害 消費者庁が初確認(10月6日)

マイナンバー制度がスタートし、街頭でPRする公式キャラクターの「マイナちゃん」(10月5日、横浜市)

マイナンバー制度がスタートし、街頭でPRする公式キャラクターの「マイナちゃん」(10月5日、横浜市)

マイナンバー法が施行された10月5日から26日までに、制度に便乗した詐欺とみられる不審な電話や訪問が全国で78件確認されたことが30日までに、警察庁への取材で分かった。

同庁幹部は「おかしいと思ったら警察に相談してほしい」と話している。

内容は「個人番号が漏れている」といった情報流出をにおわすものや、「マイナンバー調査のため氏名や生年月日を教えてほしい」などと個人情報を聞きだそうとするケースが目立つという。

マイナンバー制度に便乗、不審電話や訪問78件(10月30日)

内閣府と総務省は10月30日、マイナンバーに関する無料の電話相談窓口を11月2日に開設すると発表した。番号は0120・95・0178。

マイナンバーで無料電話相談 11月2日窓口開設(10月30日)

■個人が注意しなければならないのは「巻き添え被害」

マイナンバーの漏洩などについて、一般的な個人の場合は、過度に心配する必要はないと専門家は指摘する。

まず前提としてマイナンバーはただの数字にすぎない。マイナンバーだけが漏れた場合、それだけでは、まず不正利用はできない。

住所や氏名など個人情報と一緒にマイナンバーが漏れたとしても、原則として成りすまし詐欺はできない。

一般の個人が注意しなければならないのは「巻き添え被害」という。

今やあらゆる企業や公共機関などの組織はサイバー攻撃の危機にさらされている。

マイナンバーを企業や組織に預けるということは、最前線の基地に自分の分身を置いてくるようなものなのだ。一般の人が警戒しなければならないのは、そうした攻撃の「巻き添え」で個人情報を暴露されることだ。

自治体や金融関連の会社だけではなく、社員やその家族のマイナンバーを集めることになる一般企業も、今後はマイナンバーが格好のターゲットになり得ることを認識し、心してセキュリティー対策に取り組む必要がある。

マイナンバー、知られざる「攻撃巻き添え」リスク(10月27日)

■企業の備えは?

企業は従業員一人ひとりの個人番号(マイナンバー)を源泉徴収票や給与報告書の作成などに使う。番号の漏洩などが起きないよう、安全管理の体制を作る必要がある。

特定個人情報保護委員会が作成したガイドラインによると、企業がやるべきことは大きく4つある。

まず、どの事務作業で誰がどういった種類の従業員情報を扱うのかという「範囲」を明確にする。その上で「基本方針」「取扱規程」「安全管理措置」を作成する。

始動マイナンバー 企業の備えは?(9月24日)

企業は従業員から取得した個人番号(マイナンバー)を厳重に管理しなくてはならない。

番号漏洩の罰則は提供側と取得側の2つに大別できる。

まず提供側。番号を管理する従業員などが、番号を含む個人情報を正当な理由なく外部に提供すると4年以下の懲役か200万円以下の罰金、またはその両方が科せられる。

取得側では人に暴行を加えたり、脅迫したり、不正アクセスしたりして個人番号を取得すると3年以下の懲役か150万円以下の罰金だ。人をだまして取得することも罰則の対象になる。

始動マイナンバー 番号漏洩、実刑の可能性も(10月7日)

■個人番号カードを使った本人確認にも注意点

来年1月から希望者に配布される個人番号カードは今後、運転免許証などに代わって本人確認の主流になる可能性がある。

小売店などで会員証やポイントカードを作る際に、本人確認のためにカードをコピーする場面も多くなりそうだ。

注意したいのは「コピーは表面だけ」という原則だ。マイナンバー法は氏名や住所などの個人情報にマイナンバーが加わった「特定個人情報」を収集・保管することを禁止している。

始動マイナンバー 本人確認どう変わる?-表面のみコピー可能(10月22日)

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