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日本の2人が受賞 今年のノーベル賞まとめ読み

(更新)

2015年のノーベル賞の受賞者がすべて決まった。5日には生理学・医学賞に大村智・北里大学特別栄誉教授が、6日には物理学賞に梶田隆章・東京大学宇宙線研究所所長が選ばれ、2日続けての朗報に沸いた日本。今年の各賞の結果を振り返るとともに、「次」と期待される各分野の成果をまとめた。

生理学・医学賞に大村智氏 感染症研究

スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、2015年のノーベル生理学・医学賞を大村智・北里大学特別栄誉教授ら3氏に贈ると発表した。
受賞理由は寄生虫やマラリアなどに関する研究。授賞式はストックホルムで12月10日に開く。
ノーベル生理学・医学賞に大村智氏 感染症研究(10月5日)

物理学賞に梶田隆章氏 「ニュートリノに質量」発見

スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2015年のノーベル物理学賞を、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏(56)とカナダ・クイーンズ大学名誉教授のアーサー・マクドナルド氏(72)の2氏に授与すると発表した。
梶田氏は物質の最小単位である素粒子の一つ、ニュートリノに重さ(質量)があるのを初めて確認した。これまでの素粒子物理学の常識を覆し、宇宙や物質が誕生した謎の解明に迫る業績が評価された。
梶田氏にノーベル物理学賞 「ニュートリノに質量」発見(10月6日)

梶田氏らの研究は「太陽系外惑星の発見」と並んで今年の物理学賞の有力候補とされていた。

日本に関係深い分野で受賞が期待されているのはニュートリノという素粒子の研究だ。
ニュートリノは物質とほとんど相互作用せず、幽霊のようにどんなところも素通りする。50年代に発見されて以来、様々な実験によっても質量の存在が確認されず、質量ゼロと長らく考えられていた。
それが覆ったのは98年。東京大学宇宙線研究所の故戸塚洋二博士と梶田隆章博士(現・同研究所長)が、岐阜県の神岡鉱山の地下1000メートルにある実験施設「スーパーカミオカンデ」で、ニュートリノが質量を持つことによって起こる「ニュートリノ振動」という現象を発見した。
素粒子物理学の枠組み、「標準理論」に見直しを迫る発見で、世界的なニュースとなった。戸塚博士は2008年に死去したが、梶田氏の受賞が有力とみられている。
物理学賞、系外惑星の発見が有力(9月24日)

3日連続ならず 化学賞は米大教授らに

スウェーデンの王立科学アカデミーは7日、2015年のノーベル化学賞をポール・モドリッチ米デューク大教授やアジズ・サンカー米ノースカロライナ大教授ら3氏に贈ると発表した。授賞理由はDNAの修復のメカニズムに関する研究。
ノーベル化学賞に米大教授ら3氏 DNA修復の研究(10月7日)

来年こそ?リチウムイオン電池が有力の声も

化学分野で日本の貢献が大きいテーマに、リチウムイオン電池の開発がある。
米テキサス大学のジョン・グッドイナフ教授はこの分野で最も受賞に近いといわれる。リチウムを主成分とする正極材料を1980年に開発、この電池の基礎を築いた。
その少し前、東京大学の助手だった水島公一氏(現東芝リサーチ・コンサルティングのエグゼクティブフェロー)を招き、共同で研究した。
この成果をもとに、日本企業が91年、リチウムイオン電池を実用化した。
開発を主導した吉野彰・旭化成フェローと西美緒・元ソニー業務執行役員上席常務は2014年、工学分野で著名な「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」をグッドイナフ教授と共に受賞した。
化学賞、リチウムイオン電池やゲノム編集が有望(9月24日)

文学賞はベラルーシのアレクシエービッチ氏

スウェーデン・アカデミーは8日、2015年のノーベル文学賞をベラルーシ人の女性作家スベトラーナ・アレクシエービッチ(67)氏に授与すると発表した。有力候補と見られた日本の村上春樹氏は受賞を逃した。
ノーベル文学賞にベラルーシのアレクシエービッチ氏(10月8日)

アレクシエービッチ氏は前評判も高かった

世界最大規模のブックメーカー(賭け屋)、英ラドブロークスは9月21日までに、ノーベル文学賞受賞者を予想するオッズ(賭け率)を発表した。日本の作家、村上春樹さんが20日時点で1対6のオッズで2番手となり、高い人気を得ている。
今年はベラルーシの女性作家、スベトラーナ・アレクシエービッチさんがオッズ1対5でトップ。
ノーベル賞予想、村上春樹氏2位 英賭け屋(9月22日)

平和賞はチュニジア民主化組織に 「アラブの春」に貢献

ノルウェーのノーベル賞委員会は9日、2015年のノーベル平和賞を、チュニジアの民主化につながる国民対話を仲介した労働組合など4者による「国民対話カルテット」に授与すると発表した。
憲法制定や選挙の実現に向けて対話を仲介したことを評価した。
今年の平和賞は、世界中から推薦された273候補の中から選ばれた。
チュニジアの民主化組織にノーベル平和賞(10月9日)

経済学賞はディートン氏、消費行動の分析モデルを提唱

スウェーデン王立科学アカデミーは12日、2015年のノーベル経済学賞を米プリンストン大学のアンガス・ディートン教授(69)に授与すると発表した。授賞理由は「消費、貧困、福祉に関する分析」。貧困層の消費行動を分析したことなどが評価された。
ノーベル経済学賞にディートン氏 貧困層の消費行動分析(10月12日)

経済学賞、日本人の初受賞は 「清滝氏有力」の声

ノーベル賞の中で日本人が唯一、受賞していないのが経済学賞。日本人の候補者として長年、名前が挙がってきた宇沢弘文氏が昨年秋、青木昌彦氏が今夏に死去し、今年は「日本人初の受賞者」への期待はあまり盛り上がっていなかった。
宇沢、青木両氏亡き後、日本人が初めて受賞できるとすれば、清滝信宏・米プリンストン大教授しかいないとの見方は強い。
ノーベル経済学賞、宇沢、青木氏はなぜ受賞できなかったか(10月12日)
引用された論文数に基づいてノーベル賞候補を毎年、発表している米調査会社トムソン・ロイターは2010年、清滝氏を経済学賞の候補にあげた。
独占的な競争がマクロ経済に及ぼす影響を分析した論文(1987年)、貨幣の役割を定式化した論文(89年)、経済に小さなショックが起きると金融を通じて経済変動が広がる経路を示した「清滝=ムーア・モデル」(97年)などは米国の経済学界で評価が高い。
ノーベル経済学賞、受賞を逃した学者たち(2014年10月13日)

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