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デング熱、今年も要注意

デング熱のウイルスを媒介するヒトスジシマカ(国立感染症研究所昆虫医科学部提供)=共同

昨年夏、69年ぶりに国内感染が確認されたデング熱。今年は全国の自治体などが対策を進めているが、海外で感染した患者数が昨年を上回るペースで増加。専門家は注意を呼び掛けている。

デング熱とは

デング熱は病原体のデングウイルスに感染してかかる。急な高熱、頭痛や筋肉痛、発疹などの症状がみられる。ワクチンや有効な治療薬はない。
通常は1週間程度で回復するが、ごくまれに一部の患者では出血などをおこす重症のデング出血熱になる場合がある。海外では死亡したケースもある。
デング熱は人から人へ直接うつることはない。海外で感染した人が蚊に血を吸われ、その蚊の体内でウイルスが増殖、別の人を刺してうつった可能性が考えられている。
デングウイルスを媒介するヒトスジシマカは秋田県および岩手県以南に分布している。ただ、冬になると死ぬので、デング熱が日本に定着する可能性は低いとみられる。
感染症リスク、日本高まる?(2014年9月12日)
2014年8月に蚊を駆除するため、代々木公園で行われた殺虫剤の散布(東京都渋谷区)
(東京の)代々木公園で昨年8月、国内では69年ぶりとなるデング熱の感染が確認され、同10月末までに感染者は全国で160人に上った。
東京都、9公園で蚊の調査 デング熱警戒(4月18日)

代々木公園、春から警戒

今年は東京都をはじめ全国の自治体が、デング熱の発生を事前に封じ込めようと施策を急いでいる。

5月14日、代々木公園(東京・渋谷)で、長袖長ズボン姿の職員が蚊の幼虫、ボウフラの成長を抑える薬剤を散布した。薬剤をまくのは排水用に設けられた雨水升。園内に約500カ所あり、ボウフラが生息しやすい。
雨水升に蚊の成長を抑える薬をまく代々木公園の担当者(5月14日、東京都渋谷区)
4~11月に月1回ペースで薬剤を投入するが、大雨や台風で大量の水が流れ込んできた場合はやり直し。代々木公園以外にも、都立公園10カ所で同じような作業を進める。

ただ、蚊を完全に駆除するのは不可能。東京都は蚊に刺されないための啓発も強化する。

公園やその周辺では蚊に刺されにくいよう肌の露出を避けた長袖や長ズボンなどの服装にすることや、防虫スプレーの活用などを呼びかける。
デング熱、早くも警戒 蚊駆除へ代々木公園で薬剤散布(5月15日)

殺虫剤メーカーも商品強化

フマキラーは効力を高めた携帯型電池式虫よけ器を発売し、大日本除虫菊も虫よけジェルの新商品を投入した。
業界最大手のアース製薬も4~5月の殺虫剤の売り上げ(小売りベース)が前年と比べて2桁以上伸びた。
デング熱も警戒 虫よけ商品拡充(6月1日)
アース製薬の虫よけスプレー「サラテクト」。製品のサイズも100~400ミリリットルまで幅広く用意する

気になる海外感染の拡大

今年は国内感染の報告例はまだないが、海外で感染した患者数は昨年同期を上回るペースだ。

厚生労働省によると、全国のデング熱患者数は7月12日までで127人。すべて海外での感染。昨年同期の86人と比べると約1.5倍となる。
国立感染症研究所の高崎智彦室長は患者の増加について、デング熱が広く知られ検査の機会が増えた影響があるほか、東南アジアで感染が広がっている国があると指摘している。
厚労省検疫所によると、マレーシアの患者数は約5万3800人(6月20日時点)で昨年同期の約1.3倍、ベトナムは約1万4500人(6月21日時点)で同約1.3倍、フィリピンは2万8600人(5月末時点)で、同約1.1倍だ。
海外での感染者から(国内感染が)広がる可能性があるため、警戒が必要だ。
デング熱の海外感染拡大 患者数、昨年上回るペース(7月30日)

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