2018年12月19日(水)

参院選こう変わる 来夏から「2合区」

2015/7/24 18:00 (2015/7/28 16:00更新)
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参院創設後初めて都道府県単位の選挙区を見直す

参院創設後初めて都道府県単位の選挙区を見直す

参院選の「1票の格差」を縮めるため、隣り合う選挙区を統合する「合区(ごうく)」を盛り込んだ改正公職選挙法が成立した。2016年夏の参院選は18歳以上への選挙権年齢引き下げと併せ、大きく変わる。

■4県・2合区を柱に10増10減

合区とは人口の少ない選挙区を近くの選挙区と「合併」して、人口の多い選挙区との格差を縮めること。

今の参院選の選挙区は都道府県単位で、1都道府県が1つの選挙区になっているが、2つの県をまとめて1つの選挙区にすることなどを指す。

人口が少ない県には、合区をすると、参院議員を一人も出せないことがありうるとの懸念が根強い。

合区とは(3月16日)

合区法案、参院を通過 28日にも成立(7月24日)

改正法は鳥取、島根と徳島、高知の2合区で定数を計4減らすほか、宮城、新潟、長野の3県もそれぞれ4から2に減らす。

一方、北海道、東京、愛知、兵庫、福岡の定数を各2増し、全体で10増10減する。

これにより、13年参院選で4.77倍だった格差は2.97倍に縮小する見込み。ただ、15年1月1日現在の住民基本台帳人口で計算すれば格差は3倍を超える。

参院選2合区、16年夏から 改正公選法が成立(7月28日)

■1票の格差とは

議員1人当たりの有権者数が選挙区ごとに異なるため、有権者の1票の重みに不平等が生じる状態。

1票の価値が重い選挙区なら少ない得票で当選できるのに、価値が軽い選挙区ではより多くの得票があっても落選するという「ねじれ」が生じる。

法の下の平等に反するなどとして、国政選挙のたびに選挙無効を求める訴訟が起こされている。

1票の格差、近年は厳しい司法判断目立つ(2014年11月29日)

最高裁は1票の格差が最大6.59倍だった1992年参院選を違憲状態と判断した。その後、定数是正で格差は縮まったが、格差が5.00倍だった2010年参院選は再び違憲状態と判断された。

13年参院選の前に「4増4減」の定数見直しを実施し、最大格差は4.77倍に縮小した。

参院選の1票の格差 高裁は「選挙無効」判断も(2014年4月26日)

■最高裁、13年の参院選「違憲状態」

参院選「1票の格差」訴訟の判決に臨む最高裁の裁判官ら(2014年11月26日)

参院選「1票の格差」訴訟の判決に臨む最高裁の裁判官ら(2014年11月26日)

2013年7月の参院選を巡り、「1票の格差」が最大4.77倍だった選挙区の定数配分が違憲かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は26日、「違憲状態」とする判断を示した。

最高裁は前々回の10年参院選(最大格差5.00倍)も12年の大法廷判決で違憲状態としており、参院選について連続で違憲状態としたのは初。

13年参院選「違憲状態」 1票の格差、最高裁 抜本是正求める(2014年11月26日)

この「違憲状態」とはどういう状態なのだろうか。

最高裁はこの日の判決で、「4増4減」の定数是正により5倍を切った格差をなお「著しい不平等状態」と指摘した。

ただ、16年選挙に向けた国会の改革姿勢などを考慮し、13年選挙までに区割りなどの是正に至らなかったのは「国会の裁量権の範囲内」と判断。「違憲」とまではせず、選挙無効の訴えを退けた。

13年参院選「違憲状態」 1票の格差、最高裁 抜本是正求める(2014年11月26日)

ニッキィの大疑問 「1票の格差」なぜ続く?(2014年1月20日)

最高裁は「違憲状態」と判断した上で、国会に次回2016年参院選までの抜本的な是正を強く求めた。

「都道府県単位の区割り方式を改めるなど、現行の選挙制度自体を見直して不平等状態を解消する必要がある」と強調した。

13年参院選「違憲状態」 1票の格差、最高裁 抜本是正求める(2014年11月26日)

参院は今回の法改正で「1票の格差」の是正にようやく重い腰を上げたといえる。

ただ格差が約3倍に縮まってもなお最高裁が「違憲状態」と判断するのを回避できる保証はない。

地方の声が届きにくくなれば、地方代表を一つの特長とする参院の存在意義が揺らぐと懸念する声もある。

自民党は今回の合区をあくまで緊急避難措置と位置づけ、将来は憲法改正で参院を「都道府県代表」に位置づける案も出ている。

「1票の格差」是正に一歩 違憲状態回避は見通せず(7月24日)

■大きく変わる参院選

2016年の参院選では「合区・10増10減」に加え、「18歳選挙権」が適用になる。さらに「子連れ投票」の全面解禁を目指すなど、投票風景は大きく変わりそうだ。

「18歳選挙権」改正公選法が成立 16年夏参院選から適用(6月17日)

選挙権年齢を現行の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公選法が6月19日公布された。施行日は公布から1年後と定められており、来年6月19日となる。来年夏の参院選で適用される。

18歳選挙権、施行は来年6月19日(6月20日)

政府は選挙の投票率向上に向け、有権者が投票しやすい環境を整える。これまでは原則として認めていなかった投票所への子どもの同伴を全面的に解禁する。

高齢や病気で歩けない人が郵便で投票できる制度の対象を広げるほか、投票日の前に1票を投じる「期日前投票」も早朝や夜間にできるようにする。来年夏の参院選からの導入を目指す。

「子連れ投票」全面解禁 来夏から、投票率向上狙う(7月21日)

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