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中国、ガス田開発着々 日本は中止求める

中国が東シナ海でのガス田開発を着々と進めている。政府が2年前に確認していた関連施設は4基だったが、新たに12基の建設が判明して16基に。専門家らは軍事転用の可能性も指摘する。

日中の境界は未画定 EEZと日中中間線

国連海洋法条約は各国の海岸線から12カイリ(約22キロメートル)を領海、200カイリ(約370キロメートル)を排他的経済水域(EEZ)と規定する。
EEZでは漁業や天然資源の開発・利用などの排他的な管轄を認めている。日本は1996年に批准した。
排他的経済水域とは(2010年1月15日)

ところが、東シナ海では、日中両国間の距離が400カイリに満たないためEEZの範囲で対立している。

日中中間線は東シナ海で日中両国の海岸線から等距離にあり、日本はそれを基に排他的経済水域(EEZ)の境界を画定すべきだとしている。
中国は大陸棚などの地形に配慮すべきだと主張。中間線より東に張り出した「沖縄トラフ(海溝)」の先端までが中国側のEEZだとしている。
日中中間線とは(7月23日)

ガス田問題は2004年に表面化

2004年6月に日中中間線近くで中国がガス田の開発に着手したことが表面化。日本国内で反発が強まったが、その後、対話を通じて共同開発の道を探った。

日中両政府は2008年6月に(1)中国側が開発を進めている白樺(中国名・春暁)に中国の法律に従い、日本法人が資本参加(2)日中中間線をまたぐ北部海域に共同開発区域を設ける――などで合意した。
両国で見解が異なる排他的経済水域(EEZ)の境界問題は棚上げにした。
ただ、実現に向けた条約締結の交渉は10年9月、尖閣諸島付近での漁船衝突事件をきっかけに中国側が延期を通告した。
(2013年には)「日中中間線」付近で、ガス田開発のためとみられる新たな掘削施設の建設を進めていることが分かった。
東シナ海のガス田、また火種に(2013年7月4日)

ガス田施設、新たに12基確認

政府は22日、東シナ海での中国によるガス田開発の現状を示す航空写真や地図を外務省のホームページで公表した。
菅義偉官房長官は記者会見で、「日中中間線」の中国側で2013年6月以降に新たに12基の構造物が確認され、すでに確認済みの4基と合わせて16基になったと発表。「一方的な資源開発は極めて遺憾だ」と批判し、中止を求めた。
中国ガス田開発12基増 東シナ海、写真公表(7月23日)

証拠写真公表の狙いは

政府が東シナ海での中国によるガス田開発の証拠写真を公表したのは、(境界が画定していない海域での)一方的な資源開発をけん制するためだ。
安倍晋三首相が9月訪中を検討するなど日中関係が改善に向かっていることを踏まえ、ガス田共同開発をめぐる交渉再開に向けた前向きな対応を促す狙いがある。
中国の軍事戦略に詳しい東京財団の小原凡司研究員は「まだ軍事利用できる状態にはないが、洋上プラットホームなので容易に軍事にも転用できる」との見方を示す。「拠点の数が多い。資源開発にこれだけの数が必要なのか疑問がある」とも指摘する。
中谷元・防衛相はガス田施設にレーダーなどが設置され、軍事転用される可能性にかねて言及している。
政府、中国の資源開発けん制 ガス田写真公表(7月23日)
菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で、中国による東シナ海のガス田開発の写真公開をめぐって、中国外務省が主権の範囲内だと非難したことについて「指摘はまったく当たらない」と反論した。
官房長官、中国の非難に反論 東シナ海ガス田写真で(7月23日)

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