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電力小売り「戦国時代」 16年4月に自由化

関西と関東の電力系統は送電線でつながっている(大阪府大東市)

2016年4月にも実施される電力小売りの全面自由化を境にエネルギー産業の勢力図が一変する。東京電力など大手が独占してきた地域の垣根が崩れ、各社の越境やガスや通信などの異業種の参入が相次いでいる。

家庭や商店も16年から自由に契約

地域を超えた競争による多様なサービスや価格の実現へ政府は2016年の全面自由化を決めた。
16年に自由化の対象となる一般家庭などの顧客件数は約8400万件、市場規模は7兆5000億円にのぼる。
電力小売り自由化 ガスや通信会社の参入見込む(8月27日)「安い電気」夜明け前 価格競争の風、徐々に(9月26日)

越境の主戦場、首都圏から全国へ

中国電力は関西や九州、四国での電力販売に乗り出す。2016年4月の家庭向けの電力小売り自由化に合わせ、域内の電力消費量の1割に相当する100万キロワット規模の電気を域外で販売する構えだ。
関西電力は宮城県に石炭火力発電所を新設する方針を固めた。伊藤忠商事子会社で新電力の伊藤忠エネクスが計画する発電所建設に参画する。
東京電力は10月から、家電量販最大手ヤマダ電機の関西と中部地方の62店舗に電力を供給する。東電が首都圏以外で電力を販売するのは初めて。
電力越境が本格化 中国電、西日本全域で販売(9月27日)関電、首都圏向け火力 仙台に発電所(9月26日)東電、域外で大口供給 関西・中部のヤマダ店舗に(8月27日)

異業種や海外企業も参入

新電力中堅のイーレックス(東京・中央)は国内最大級の発電能力を持つバイオマス(生物資源)発電所を建設する。
伊藤忠商事は九電工、三井造船と組み、大分市で大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する。総事業費は約150億円で、出力は4万5000キロワット。
欧米で電力の流通情報サービスなどを展開する米ジェンスケープ(ケンタッキー州)は、2016年の小売り全面自由化をにらみ日本市場に参入する意向を明らかにした。
新電力のイーレックス、最大級のバイオマス発電建設(8月7日)伊藤忠、大分にメガソーラー 総事業費150億円(7月15日)米電力情報サービス、日本参入へ 発電量・流通を可視化(9月7日)

消費者の54%が「乗り換え」検討

消費者の54%が購入先の乗り換えを検討したいと考えていることが経済産業省のアンケート調査で分かった。
購入先を選ぶときに重視するのは49%が「料金の安さ」と回答。下げ幅が5%以下でも、およそ半数の人が乗り換えを検討するという。
電気購入先、消費者の54%「乗り換え」検討(6月23日)

待ち受けるのは広大な海外市場

欧州では電力・ガス会社の国境を越えた再編が進み、競争力を高めた総合エネルギー会社は新興国のインフラ需要を捉えようと海外市場を目指した。
欧州では自由化に伴い発電燃料の市場取引が活発化した。自社用に安定確保を優先してきた硬直的な燃料調達から、商品や金融取引のノウハウを駆使して世界中で売買し、利益を最大化するトレーディングを重視するようになった。
電力改革が呼ぶエネ再編 広大な海外で稼ぐ覚悟を(9月22日)

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