2019年1月24日(木)

原油安のメカニズム 「シェール封じ」の思惑も

2015/1/6付
保存
共有
印刷
その他

原油の値下がりが続いている。ニューヨーク市場では5日、原油先物相場の指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近物が節目の1バレル50ドルを一時下回った。5年8カ月ぶりの安値水準だ。サウジアラビアなど中東の有力産油国が安値でも生産量を維持し、供給過剰に陥っているのが原因だ。背景には「シェールオイル封じ」の思惑があり、原油安が長期化するとの見方も広がる。石油資源を輸入に頼る日本の経済にも、当面は追い風になりそうだ。

■原油に「需給ギャップ」 供給が需要上回る

国際エネルギー機関(IEA)などによると、今年の世界の原油需要は日量9340万バレル。供給は約9480万バレルとなる見込み。

供給拡大のけん引役である米国ではシェールオイルの生産が本格化し、1日あたり生産量が900万バレルを上回っている。

財政難に苦しむロシアは歳入確保のため、増産を続けざるを得ない悪循環に陥っている。

原油供給過剰、解消に時間 続く増産基調(1月6日)

■サウジが仕掛ける我慢比べ

石油輸出国機構(OPEC)は2014年11月の総会で減産を見送った。サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は「原油価格がいくらに下がっても、減産はOPECの利益にならない」と強調した。

米国のシェールオイルなど生産コストが比較的高い資源の開発にブレーキがかかるのを期待する、我慢比べの要素もあります。

サウジやアラブ首長国連邦(UAE)のような経済力のある産油国は、向こう数年間くらいの我慢比べには耐えられると判断しているわけです。

どうなる中東経済 原油価格急落の後(14年12月28日)

サウジの基本戦略は石油の時代を一日でも伸ばし、国家が得る石油収入を最大化することだ。

減産しないサウジの真意 30年前の「痛恨の記憶」(14年12月18日)

減産せずにシェアを維持し、市場への影響力を保とうとするのも、この戦略に沿った動きだ。

■日本経済に「お年玉」?

原油価格の下落はエネルギー・工業原料などのコスト低下といった形で日本にも波及する。

原油価格が50ドル台から100ドル台へと50ドル上昇する過程で、年換算でざっと20兆円の所得が日本から流出した。

14年秋以来の急落で、原油価格は50ドル台に押し戻された。この地合いが1年続けば、20兆円の所得が日本から流出せずに済む勘定となる。

この20兆円は貿易収支の改善を通じて、日本の国内総生産(GDP)を押し上げる。

■ガソリン値下がり、恩恵実感

資源エネルギー庁が25日発表した22日時点のレギュラーガソリン店頭価格(全国平均)は前週比3.3円安の1リットル149.1円だった。ほぼ2年ぶりに150円を割り込んだ。年末年始の帰省などで出費がかさむ家計には恩恵となりそうだ。

首都圏や関西の激戦区では1リットル130円台前半の安値も出ている。

ガソリン150円割れ 2年ぶり、原油安で下げ加速(14年12月26日)

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報