2017年11月19日(日)

即興と刹那に生きる仕事人、ストライカーはつらいよ

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2014/7/16 7:00
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 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会は決勝でアルゼンチンを延長の末に下したドイツの4度目の優勝で幕を閉じた。ブラジルとアルゼンチンという南米の巨頭を二つながらなで切りにし、赤黒黄の三色国旗をマラカナン競技場に翻らせたドイツは、まことに勇壮な剛の者たちというべきだった。

自分を責めるイグアインの内なる声はやまないかもしれない=写真 上間孝司

自分を責めるイグアインの内なる声はやまないかもしれない=写真 上間孝司

GKへのバックパスのはずが…

 ドイツの強さにはブラジル戦でたっぷり仰天した後だったから、いまさらのけ反らない。それでも、やることなすことうまく運んだブラジル戦から一転して、決勝のドイツは出だしから後手に回っていた。それを思えば、よく持ち直して勝ち切ったものである。

 ブラジル戦でパワフルにボールを収奪していたMFケディラが、どういうものか決勝でいなくなっていた。試合直前、体のどこかに不具合が見つかったということだった。代わってプレーしたクラマーの出来栄えは、前触れもなく乾杯の音頭を言い渡された人のスピーチみたいにおぼつかないものだった。どうなることかと先行きを案じていたら、クラマーはアルゼンチンのDFガライのショルダーチャージに脳を揺らされてダウン。試合が始まって、まだ15分しかたっていなかった。

 味方もこれにはアワを食ったらしい。31分にクラマーに代わってシュルレがピッチに送り出されるまでのドイツは、常になく浮足立っていた。あの沈着なMFクロースが、アルゼンチンにプレゼントボールをうっかり渡したのもその間の出来事。ヘディングでGKノイアーに返すはずのバックパスが、ゴール前に攻め残っていたFWイグアインの足元へ転がった。

 このチャンスをものにしていたら、アルゼンチンの革命の炎はとめどなく燃え広がったかもしれない。だがイグアインは右足シュートを左へ引っかけた。素人ゴルファーの“チーピン”に等しい、どえらいしくじりだ。これをしおに、ドイツはMFシュバインシュタイガーらが活気づいて中盤の攻防で少しずつ盛り返し、延長戦後半のゲッツェの決勝点へと結びつけていく。

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