実際にア・リーグ東地区は必ずしもレベルが高いとはいえず、地区首位のオリオールズとはまだ8ゲーム差だ。しかし、トレード期限までにこの差が広がった場合、将来に向けたチーム再建に乗り出すことも考えられる。
今季も防御率1.36と安定し、ポストシーズンの経験が豊富。しかも年俸500万ドルの契約が今季で切れる上原が、ブルペン補強をもくろむ球団にとって極めて魅力的な存在であることは間違いない。
■上原、違うユニホームでプレーオフも
ボストン・ヘラルド紙は、6月29日付で「上原の放出は理にかなう」と題されたコラムを掲載。「依然としてトップレベルの力を保った上原の獲得に多くの強豪が興味を持つだろう」という同紙の指摘通り、昨季の胴上げ投手がマーケットに出れば一躍人気の"商品"となる。
ブルペンが弱点のエンゼルス、新クローザーとして獲得したジョー・ネーサンが防御率6.16と誤算のタイガース、すでに5投手にセーブがついていることが示す通り抑えが定まらないインディアンス、さらにはパイレーツ、ジャイアンツなども熱視線を送るだろう。レッドソックス側にとっても、長期的視野での構想に入らない39歳の投手と引き換えに若手有望株が手に入るのだから、メリットの大きい取引である。
もちろん今後レッドソックスが調子を上げれば、守護神のトレード話も立ち消えになるのは確実。それだけに、昨季王者の7月中の成績に注目が集まる。その展開次第で、10月には上原がレッドソックスではないユニホームを着て、2年連続でプレーオフの大舞台に臨むことになっても不思議はない。
■大型左腕プライスがトレードの目玉か
日本勢以外に目を向けると、トレードの目玉となりそうなのがレイズのデービッド・プライスだ。12年にサイ・ヤング賞を獲得した大型左腕は、今季もここまでア・リーグ最多の奪三振数をマークしている。
レイズは低予算球団ながら、やりくりのうまさで知られるチーム。年俸高騰ゆえに残留させるのが難しそうな主力選手を契約切れを迎える前に放出し、代わりに将来性豊かな選手を手に入れる手法で上質なロースターを保ってきた。そのやり方に倣うなら、15年いっぱいで契約切れのプライスは今夏が売りどきということになる。
12月9日からサンディエゴでMLBのウィンターミーティングが始まり、2019~20年のストーブリーグが本格化する。今オフ、すでに4人の日本人選手がメジャー入りを表明。筒香嘉智外野手(DeNA・28歳
「なかなか今、終わったばかりなので、終わってしまった実感が湧かないというのが自分の正直な気持ちです……」
戦いを終えて、ヤンキースの田中将大はそう言葉を絞り出した。メジャー6年目だが、これほど悔しそ
9月19日、ホームでのエンゼルス戦に勝ったヤンキースは、イチロー、黒田博樹らが属した2012年以来、久々のア・リーグ東地区制覇を果たした。シーズン中盤以降は、2位以下を大きく引き離しての独走優勝。そ