2017年11月21日(火)

ドイツ・レーウ監督 「パス」見切り力攻め、柔軟に

2014/7/2 3:30
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 理想とする戦術と心中しない。プランAで理想を追っても、うまくいきそうもないとみたら、早めにプランBに切り替えてしまう。その柔軟さがドイツ・レーウ監督(54)にはある。

 前半はじっくりと短いパスをつないで、穴を見つけるスペイン流のパスサッカーを志向した。そもそも、近年、その導入によって新しいドイツのサッカーを生み出そうとしてきた。

前半、試合を見守るレーウ監督=写真 浅原敬一郎

前半、試合を見守るレーウ監督=写真 浅原敬一郎

方針転換実り、延長でゴールもぎ取る

 しかし、アルジェリアが引いてスペースを埋めたため、前が詰まり、後方へ下げるパスが増えた。「そこでのミスが頻発し、相手にロングボールを蹴られて速攻を受けた」と監督はいう。

 それゆえ後半、すぐに方針を転換した。無駄な時間の消費を回避し、後半の開始とともに、狭いスペースでのパスの受け渡しのうまいゲッツェに代えて、縦に強いシュルレを投入した。中盤の底のラームにボールを集め、テンポよく差配させることでリズムを好転させた。縦攻めの意識を強めさせたのがわかる。

 70分に右SBムスタフィが故障し、ラームをSBに回さざるを得なくなったのは誤算だが、代わりにケディラを送って中盤の圧力を高めた。そのケディラ、シュバインシュタイガー、ミュラー、シュルレの力で押していく攻めは前半とは全く趣が違う。

 その力攻めが延長に入って実を結び、シュルレ、エジルがまさにゴールをもぎ取った。「これは意志の力、人間性の強さによる勝利」とレーウ監督は話す。選手がその意志を保てたのは、監督の打った手と大きくかかわっている。

ほとんど2バック状態、攻めに厚み

 一発勝負の決勝トーナメントでは一つのミスが命取りになる。アルジェリアの速攻で脅かされてもいた。にもかかわらず、ほとんど2バックの状態にして、攻めに厚みを持たせ続けた。

 アルジェリアに一気に2CBの裏に蹴られて、ひやりとする場面が続出したが、GKノイアーが果敢にペナルティーエリアの外まで出て、すべて処理。そのノイアーへの絶大な信頼があるから、前掛かりなサッカーを貫徹させられるのだろう。

 2004年からドイツ代表のコーチとしてクリンスマン前監督を支え、06年のW杯後に監督に昇格。10年W杯で3位となったほか、欧州選手権では08年に準優勝、12年は4強に導いた。

 もちろん、常にドイツの目標は優勝で、そのためにスペイン流の柔らかいサッカーを取り入れてきた。だが、そこに拘泥せず、従来どおりの力のサッカーもする。「ポジティブな点があるとすれば、後半から流れを改善できたこと」。早めに現実的になり、ドイツの地を出させたことで苦闘を切り抜けた。

(ポルトアレグレ=吉田誠一)

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